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1話目

暗い雲の土砂降りの中、

大きなとても大きな身体をとても小さくしながら木ににもたれる今にも息絶えそうなエレナをとても心配そうに見つめる巨人ロデオ。


エレナはロデオを討伐させようと放たれた槍が刺さりもう息絶えそうになっている。


エレナの息が少なくなるのを感じるたびロデオは目をうるうるさせる。


そしてついに子供のように、

でも自分の声が聞こえて勇者達に自分達の居場所がわからないように、

声を殺しながらシクシクと涙をこぼしながらエレナを心配そうに見つめるロデオ。


(誰かが泣いているロデオか、、あーせっかく仲良くなれたのに先にいきそうだ、、ごめんよロデオ)


エレナは朦朧としながら自分の胸に突き刺さった槍を見ながらそんなことを思った。


だけど、最後に最大の友達のロデオにお別れの言葉を言いたい。


私は元気よくロデオの方に声をかけた。


「ロデオ。先に行来そうだごめんね。本当にあなたにあえてよかった。本当にありが、、、」


頑張って元気よく言ったつもりが自分の耳には本当にか弱い情けない声だった。


あ〜。ちゃんといえなかったかな〜無理そう、、と思った時かすかに聞こえた。


「うん。俺も。」


そしてかすかな視界の中、自分の膝になんとも情けない顔をしたロデオが寄り添ってきた。


最後にお別れを言えたささやかな達成感か先にいってしまう悲しさかわからないが、

エレナの頬に大きな涙一滴がこぼれた。そしてそのままエレナは息絶えた。


***


蘇る巨人ロデオとの再開。


あれは人間社会で親がいない私を邪険にする大人達に苛立って何も考えないで暗い森の中に走って泣きながら見つけた大きな石に自分の拳を叩きつけていた頃だったな。


もうこの世なんて糞食らえって思っていた時おっかない顔をしたロデオに会ったんだよな。


びっくりしたけど生きているのもあれだなってなってなってたから強気に話したんだよな。


なかなかこわくて顔まで見れなかったけど、、、。


「お前あれかみんなが言う巨人か!!」


「食うのか!痛めつけるのか!やればいいだろう」


そんな強気の発言だったのになぜかその感情とは真逆に自分の目に涙が溢れているのが分かったんだよな。


「なんか言えよ!!!!!」


こわいけどいきなり攻撃されるのもこわくて思いっきしロデオの顔を見てやったんだよな。


そしたらなぜかおっかない顔と思っていたロデオも目をうるうるして、しかもふとロデオの拳に目をやったら自分と同じように傷が出来ていて、


え?どういうことってなってなんか少し冷静になって、少し優しい口調になって、


「お前もか?」


って話が通じるわけもないと思った巨人に話しかけたんだよな。


そしたらロデオは自分のことなんて気にもせずって感じで暗い森に向かってのっそりのっそり歩いて行ったんだっけ。


でもなんか気になっちゃって気になちゃって後ろついて行っちゃったんだよな。


それに気づいたロデオは少しびっくりして何?みたいな感じで私のこと見ながらまたもういいやってのっそりのっそり歩き出したんだよな。


でついた先がなんかその巨体な身体には似合わない小さな小さな殺風景な洞窟だったんだよな。


なんかその殺風景な洞窟が自分の借りていた小屋と重なって一気にこわかったのもあるけどロデオに親近感が込み上げて来たんだよな。


洞窟には入らなかったけどふとさっきロデオに対して相当ひどいこと言ったなと思って言葉なんて通じるか分からなかったけど、


というか通じるなんて微塵も思ってなかったけど、


大きな声で言ったんだよな。


「さっきは本当にごめんね。ちょっとムカついていて強く言っちゃった。ごめんね。」


なんか自分と境遇が似ているロデオに対して同情なのかさっきのイライラからかまだ涙が溢れてきて、


結局泣きながら弁解してたんだよな。


そしたらなんか洞窟に入っていったロデオが出てきてビクッとしたけどなんか動作でもなんでもいいやってなんか一生懸命ペコペコしたんだっけ。


そしたらロデオが、


「もういいよ。だからおかえり」


って言ったんだよな。


まさかロデオが人間の言葉を理解して喋るなんて思っていなかったから思わず。


「しゃべれるの?」って聞いたっけ。


そしたらロデオも小さくうなずいて。


「もういいよ。だからおかえり」


ってロデオが帰るよう促すけど、あ、ロデオと自分は一緒なんだってなって。


お友達になれるかもって結局無理矢理ロデオの洞窟に入って色々愚痴聞いたり聞かされたりでなんか仲良くなったんだよな。


その後も人間に見つからないところでロデオと果実取りに言ったり、お散歩したりしたっけな。


まさか、自分が知らないうちにロデオ退治を勇者達が企てているなんて知らなくて。


ただ怖がられているだけ、


ただ森に人が近づかないだけ、


そう思っていたのに結局ロデオを悲しませる苦しめることになってしまった、、


いや自分も勝手にそう思って面倒ごとにしたくなかっただけなのだったのかも、


もっと人に対してロデオのことを説明すべきだった。


邪険にされている人間でも怖がられている巨人よりは聞いてくれたかもしれないのに、、、


っというかなんなんださっきまで朦朧としていたのに、


なんか息するのが楽になってきたような、、、、、


手も動かせる、なんか鈍い感じするけど、、、


もしかして奇跡が起きた??そっと目を開けてみるとそこにいたのはさっきまで私に寄り添ってくれたロデオではなく、


なんかよく分からない白いメイド服をきた40代ぐらいの女がいた、、


え??どういうこと。ロデオは??


首を動かしてみるがなんか動きが悪いな、、


手も動かせるのになんか起き上がれない?


身体が痛いとかもないのになぜだ?


拉致されたか、捕まったのか?なんだ、しかしこの白いメイドはすごく優しそうな顔で微笑んでくるな、、


誰だよこいつ。ロデオ〜〜


「ロ~~~エ~~オ〜〜〜」


なんだこの舌ったらず、、なんでこんな喋りにくいんだ〜〜〜どうなっているんだ、、


とにかく起きないと、、起きれない。なぜだ?


「なんて可愛いのでしょう。自分の名前を言いたいのかしらあなたのお名前はロゼですよ〜」


は??何言ってんだこのメイドは。私はエレナだっての!まるで赤ん坊に話しかけるみたいに。


...........。


まさかと思ったが、ふ〜〜〜〜。っとそ〜〜っと動かない手に目を向けてみる。


なんとそこにはムッチムッチの白い小さな小さな赤ちゃんの手だとすぐに理解できるようなお手手が、。


............。


............。


ふ〜〜〜〜。え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!まさかそのあのあのその転生的な??え、、昔そんなおとぎ話は聞いたようなことあるけど、、


え、、違うよね?


もう一回。手に目を向けてみる。


やはり赤ちゃんのお手手だ。


え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!まじじゃん。私のあのか細かった手が白くてモッチモッチのお手手じゃん。え??ってことはあれ私は死んだ??


落ち着け。どう考えてもあの状態で生き返ったらおかしいだろう。


この状況もおかしいけどね、、


も〜〜何よ〜〜〜〜。


ってここどこでいつなの。


ま、いい一気に疲れた寝よ。


ただの夢とかかもしれない、、


そんなことを私は思った。いっそ転生なんてそんなことしないでこの人生終わらせてくれよと。


「あれ?ロゼ様起きたと思ったのにまた寝ちゃいましたか」


寝ようと思って目をつぶっタイミングでメイドが少し驚いた口調で言った。


そりゃ寝るだろう。


近くにいたメイドに私は心の中で最大に八つ当たりしてやった。


***


しばらく様子をみて分かったことは、


きっと私はいいとこのお嬢様ロゼとして生まれ変わったようで、


この私のおしめ等を変えるのがこのメイドのルイのようだ。


ニコニコしているが私は騙されないぞ。


でおそらく私は生まれたばかりで、


で父と母だが、今日やっと顔を見れるようだ。


はてどんなやつが私を転生させたのか楽しみだな。


コツコツ。コツコツ。


お!歩いている音が聞こえてくるぞ。


「ロゼは良い子ににしていたかね」


遠くの方で聞こえる太い若い男の声。


ふむふむあれがおそらく私の父親だろうな。結構若そうだな。


「はい勇者様」


男は勇者なのか、、、、え、、


まさかね〜〜〜〜。


私は思ったまさか私が死ぬ要因になったあの勇者の子ではないよなと、


そしてどんどん近くなる足跡を聞きながらドキドキしていた。


なんとも言えない気持ちで。








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