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キャンプで出会った連中がたどった顛末  作者: よぎそーと


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2/6

下手すれば自分が巻き込まれていたかもしれない

 それから数日後。

 状況が一変する。

 それはネットで新聞やらニュースを見ていた時だった。

 とある山の中でキャンプをしていた者達が惨殺されたという記事だった。

 山とキャンプということで目をとめた男は驚いた。

 その事件の現場が、男が出向いた山であること。

 日時が途中で帰ったついこの前だったこと。

 これらが更に驚愕を大きくしていく。



 記事にはそれ以上に詳しい情報はなかった。

 どれだけの被害があったのか、どのように惨殺されたのか。

 そういった事はさすがに事細かに書けないのだろう。

 こればかりは仕方がない。

 だが、男はなんとなく気になった。



(これ、警察に行った方がいいのかな?)

 直接その場を見たわけではない。

 だが、その日の途中まで同じ所にいたのだ。

 何かしら話はした方が良いのかも、と思った。

 捜査協力というほどたいそうなものではないにしても。

 そもそも、そんなこと求められてもいなかったが。



 とはいえ、何もしないのも気分が悪い。

 自分に何かしら関わってくる可能性も否定出来ない。

 そう考えて男は、一度警察に電話をすることにした。



 警察は意外と穏やかに対応をしてくれた。

 何か知ってることがあれば教えてほしいと。

 男は正直に話しをしていく。

 事件が起こる前に撤収したので詳しい事は分からない。

 事件のことも、ネットを見て初めて知ったと。

 それならそれでかまわないと警察も言ってきた。

「もしよろしければ、警察署でお話を聞かせてもらえませんか?」

「ええ、分かりました」

 男はそれで警察に出向くこととなった。



 比較的暇な日の午後。

 有給休暇をとった男は、警察へと向かった。

 そこで担当部署に通され、あらためて知りうる全てを語っていった。

 とはいえ大した情報はもってない。

 せいぜい、何時までその場にいたのかということくらいしか伝えられない。

 それでも警察にとってはありがたいもののようだった。



「具体的な犯行時刻を知る手がかりになりますから」

 男がいた時間までは被害者も生きていた。

 ならば、事件が起こったのはその後ということになる。

 もとより死後硬直などからある程度の時間は推測出来る。

 しかし、より正確な時刻を知る情報があるなら、それにこした事は無い。



「たしか、夜中の9時頃だったと思います。

 詳しい時間はわかりませんが」

「その時間に下山したと?」

「はい。

 それから1時間ほどして家に。

 このあたりは証明出来ないですけど」

「いえいえ、かまいませんよ」

 警察もさすがにそこまで突っ込んではこなかった。



「他にも何か気付いた事はありませんか?

 たとえば、すれ違いで山に入っていく誰かがいたとか」

「いや、そういう人はいなかったと思います。

 すれ違った車もなかったはずです。

 あ、ドライブレコーダーの記録が残ってたら、それも確認しますか?」

「出来るならお願いします」



 この他にも幾つか質問をされたが、特にこれといって何かを提示できることはなかった。

 男も事件に関わってるわけではないのだから当然だ。

 警察もそこは分かってるので、可能な限りの情報を集めるにとどまっている。

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