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騒々しさに堪えかねて

「なんだありゃ…………」

 男はそういうのが精一杯だった。

 それだけ異様で異常な光景だった。

 人知を超えていた。



 男は近場の山にキャンプに来ていた。

 ここ数年、ほぼ毎週続けてる遊びだ。

 そこでテントをはり、一泊して土曜日の夕方に帰る。

 手軽で気軽な野外生活。

 それを楽しみにしていた。



 ただ、今回のキャンプは素直に楽しめなかった。

 後から来た連中のせいだ。



 何台もの車でやってきたそいつらは、川辺に陣取ると、様々な道具を取り出してきた。

 バーベキューでもやるのだろう。

 火を盛大に焚き起こせる道具が山ほど出て来た。

 そこで焼く肉や野菜、魚なども。



 これにはまいった。

 いつもは山の静けさの中でゆっくりと出来るのだが。

 割と近くで騒いでるものだからそうもいかない。

 せっかくの週末だが、気分は最悪だ。

(どうするかな)

 あまりに騒々しいので、このままキャンプを続ける気が無くなっていく。



 やむなく男はテントをたたんで帰ることにした。

 既に空は暗くなってるので、帰るのは危険ではある。

 キャンプをしてるのは山の中。

 街灯などない。

 そこを走っていかねばならないのだ。

 ゆっくりと進めば問題はないが。

 それでも、慎重に進むしかない。



「道に出るまでがんばるか」

 そこまで行けば、わずかながら明かりがある。

 もう少し気楽に車を走らせる事が出来る。

 騒々しいところで一晩過ごすよりはマシに思える。



(やれやれ)

 週末の楽しみを邪魔されて、男はため息を吐いた。

 楽しみ方は人それぞれだろう。

 だが、他人の邪魔になるようなことをして欲しくなかった。



 その日はそれで終わった。

 車を走らせて一時間。

 いつもの我が家にたどり着いて中に入る。

 テントで過ごすはずの一日が潰され、少しうんざりした気分になった。

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