第6話 暴牛の島
ーー暴牛の島ーー
作業台、かまどとこれから必要な物を作り、羊毛ブロックの追加も終えたルーカ達は、次の島への道を作っていた。
「じっちゃん! 羊毛ブロックは足りている?」
「もう少しで無くなりそうだから、追加をくれ!」
恵みの島から階段のように下へ降りる道を作り、羊毛ブロックを繋げていく。足りなくなったら他のメンバーから追加を貰っていくファンキー爺。
「1本道で下手したら奈落へ一直線で怖いな……」
「落ちないでよ? 持っているアイテムを無くしてしまうんだから」
「わかっているよ。モンスターもいないし、そんなヘマはしないよ!」
まだ拠点の島から近いので、道を繋げている途中に襲ってくるモンスターがいないようだ。
「…………よし、繋がった!」
「お疲れ様。ここは……牛の背中ね。何もないのね」
ついに、ルーカ達は牛の島へ降り立った。しかし、背中である足場は真っ白の地面だけで何もなかった。
「掘って進むか、牛の側面に入口があるのどちらかも」
足場になっている牛の背中は掘れそうだが、先に端を歩いて入口がないか探すことに。
「あ、顔の部分から入れそうだよ!」
「…………あ、口が開いているわね」
どうやら、牛の口部分から中へ入れそうだ。また羊毛ブロックで道を作り…………
「着いた……む、ここは『暴牛の島』と言うようだ」
「『暴牛の島』ね、名前はともかく……鍵穴はここにありそうね」
口の中に入ると看板を見つけ、この島の名称が書かれていた。
「あ、奥は広……っ! モンスターがいるよ!」
「あれは、クモ! スポナーブロックがいくつかあるぞぃ!!」
「私とじっちゃんでモンスターを倒すから、みちぃちゃんとリンちゃんはスポナーブロックを!!」
「わかった!」
「任せて。回復が必要の時は教えて!」
「おう!」
口の入口から進むと広めのシンプルな部屋が広がっていた。部屋の中に踏み込むと部屋の奥からクモが湧いてきた。役割分担をして、効率良く進めていくことに。
「『タライ落とし』! やはり、一撃では死ななんか!」
「『スラッシュ』! はぁっ!」
木の剣で倒すには6発も必要になるが、最初にファンキー爺が削ってくれたから『スラッシュ』で切り飛ばした後にもう1発を加えれば、倒せる。
2人が戦っている内に、みちぃとグレムリンはツルハシを持ってリスポーンブロックを破壊していく。
「この部屋で見えているのだけでも、あと6個はあるわ!」
「おー! クモは無視して、壊していくよ~」
クモもスポナーブロックを壊されるのを見ているだけではなく、邪魔をしようと襲ってくる個体もいる。
「甘い! 本のアタックを食らえ!」
「『スラッシュ』!」
『タライ落とし』は魔力を結構使うので、単体で襲ってくる敵には本で叩いてダメージを与えていく。ルーカも現実世界での運動神経は悪くないので、クモからダメージを受けないように立ち回っていく。
「これでラスト!」
「……うん、もう湧いてこないね。あ、そんな所にチェストがあるわ」
「中身はネザースター5個と跳躍看板が入っているわね」
看板を正面から読むと1度だけ高く跳ぶ新アイテムも手に入れたが、ここでは使わなそうなので、死んで無くしてしまわないようにチェストに戻しておく。
ネザースターで経験値をゲットしたが、レベルは上がらなかった。あと数個で上がるが、雑魚を倒しただけなので報酬はこれぐらいが妥当だと思いつつ、部屋を回ると……
「見つけたぞ! 下に行ける梯子があるぞ」
「チェストと梯子以外に何もないわね。石ブロックがあるけど……掘るのは後ね」
「次は何が出るかな~」
掘るのはここを探索し終わってからでも良いし、先へ進むことにする。下へ降りると、外へ出た。ここは牛の腹より下で、闘技場のように石ブロックで並べられた、正方形の形をした足場があった。その中心には…………牛がいた。
「ンモォォォゥゥゥーーーー!!」
その牛は恵みの島にいた個体よりも一回りは大きくなっており、敵対反応を見せてきた。
「大きめの牛がいるよ!」
「あれは、ボスみたいね! 上にボスの体力バーが見えるわ!!」
「あれは、動物の牛ではなく、モンスターなのね」
「うはははっ! 流れが読めてきたな。鍵穴を見つけたいなら、ボスを倒せってことだな!!」
初めてのボス戦、今ここで始まったのだったーーーー
次話は明日の7時に投稿します。