第4話 恵みの島
本日2話目。
ーー恵みの島ーー
羊毛ブロックで島から島へ繋げるように道を作っていく。
「あら、『恵みの島』と書いてあるわね」
「恵みの島……様々な素材が取れるから、その名前が付いたかもね」
「見えるところでは、モンスターはいないけど動物がいるよ!」
「食料も困らなそうだな。…………生き物のスポナーブロックは見えるか?」
「うーん、見えないね」
食料となる牛、豚、鶏の姿が見えるけど、モンスターと同様にスポナーブロックがないと2度と出て来ない。狩り尽くせば、別の島で見つけない限りは肉が食べられない可能性はある。
「必要分だけ狩るわよ。素材も再生しないかも知れないから、無駄にしないように!」
「了解わい。先に木材を取るか」
そこらに生えている木を素手で殴って壊していく。
「うむ? 木材ブロック(ビット)と出たが……」
「ビットね、木材の名前で分類じゃなくて、素材の質を表しているのね」
「ビット、キロ、メガ、ギガ、テラ……と質が決まっているのかな」
「そうね。ここはビット級しかないみたい。でも、作業台は作れそう」
拠点から近い島なので、最低級のレベルしかない。ビット級でも作業台は作れるのを確認出来た。
「みちぃ、作業台で木のツルハシと木の斧を作って」
「わかりましたわ」
取れた木材ブロックを使い、作業に必要な物を作り出していく。
「木のツルハシを作ったら、石ブロックを手に入れて……」
「あ、チェストを見つけたよ!」
木材ブロックを採集していたら、グレムリンがチェストを見つけた。木が密集した場所にあり、木材ブロックを採集したらあった訳だ。
「何が入っていたの?」
「それがね、鍵も入っていたの!」
「もう!?」
この世界をクリアする為に必要な物が最初の島で見つけたことに驚く。
「む、普通の形じゃないな?」
「そう! 取っ手は牛の形になっているの! 多分、鍵穴のヒントだと思うよ! 名称も『牛の鍵』になっているし!」
「牛ね……その話は後にして、鍵もと言っていた所から他にもあるわよね?」
「うん、ネザースターが5個入っているよ~」
「まぁ、経験値ね」
Minecraftのゲームでも経験値はモンスターからではなく、ネザースターから得ている。チェストに入っているネザースターを手に入れ、皆のレベルを上げられる。レベルを上げれば、使えるスキルが増え、規定レベルでハートや魔力が増えたりもするから必ず手に入れたいアイテムである。
「レベル1で5個なら1つは上がりそうだな」
「うん、早速手に入れて」
「わかった~」
ゲームでは誰かが手に取れば、この場にいる全員へ経験値が行き渡る。この世界でも同様なのかわからなかったが、グレムリンが手に取ると…………読み通りに皆へ経験値が行き渡り、レベルが2へ上がった。
「うん、近くにいないと仲間外れにされるわね」
「見つけても、すぐ手に取らず、報告をしないと駄目よ……あ、遠いと声は届かないのかしら?」
「いや、問題はないだろう。ルーカの悲鳴は良く聞こえていただろ?」
「あっ! そういえば、『がふっ』も聞こえた!」
「忘れなさいよ……」
拠点の下に落ちた時、距離はあったのに悲鳴は良く聞こえた。この世界は何処にいても仲間の声は聞こえるように調整されているだろう。
「こほっ、牛の鍵なんだけれども。牛と言えば、アレじゃない?」
ルーカは拠点の島の下に浮いている島へ指差す。
「…………あ、確かに牛!!」
「あんな所にあったのね……そこはルーカが『がふっ』と言って死んだ島ですわね」
「だから、忘れなさい!! さっさと作業台で複数のツルハシと斧を作ってよ!!」
「ふふっ、畏まりましたわ」
これ以上、弄られるのを嫌がったルーカは話を変えて、みちぃは作業台で物作りに集中して貰う。
「ツルハシが出来たらくれ。石ブロックを集めておくぞ」
「アタシは木材ブロックを集めておくね!」
「私は食料を集めておくわ」
それぞれの役割を決め、皆はバラバラに動き出していくーーーー
「…………よし、これでプレゼンの準備は万端。今度こそ、成功させてみせる!」
何処かでそのような声が響いたが、誰も聞いている者はいなかったーーーー
Minecraftの世界へ転移は異世界転移の部類に入るのかな?
良ければ、教えて頂けるとありがたいです。
次話は明日の7時に載せる予定になります。