第3話 何が必要か?
おはようございます。
Minecraftの世界、イメージは出来そうかな?今はまだゲームのスタートが始まっていない状況、ルーカ達はどう動いていくか、お楽しみに!
家に戻って、チェストを調べると開けられるようになっており、予測していた通りに武器が入っていた。
「ふむ、個人用チェストは他の人には開けられないようになっているようだ」
「これは個人に大切な物を入れるチェストですね。あとで、共用のチェストを沢山作る必要がありますわ」
「まず、食料だよ! チェストには食べ物はリンゴが10個入っているだけで足りないよ!?」
「この身体になっても、満腹度が減れば、お腹が空くと書いてあったな。死ねば、元に戻るが……」
「そうそうと死のうとは思わないわよ! 痛みも少なくともあるみたいし」
話が逸れたが、チェストに入っていたのは職業に合った弱い武器。初期武器なので、剣士のルーカが使う木の剣は攻撃力が『2』しかない。黒魔導師と白魔導師は同じ木の杖で攻撃力は剣より弱く、『1』であった。召喚師はボロボロの本だが、攻撃力は何故か、剣より強い『3』だった。
「なんで、本より剣が弱いのよ!?」
「ふむ……考えられるのは、リーチの差が違うからだと思うぞ」
「リーチ……確かに『スラッシュ』と言うスキルは前方にある3×3のマスを攻撃出来るよね……普通に振れば、2マスぐらいのリーチはあるかもね」
「ボロボロの本は1マスしか攻撃が出来ないだろう。まぁ、召喚師はスキルで遠距離が主体だから気にしなくてもいいかのぅ」
1マスは1ブロックなので本のリーチは物凄く狭い。直接に攻撃を当てようとしても、こちらも同時に攻撃されそうだ。
「素材は……丁度、隣に森っぽい島がありますわね」
「最優先に必要な物は、作業台、かまど、食料ね」
「初期武器は攻撃力が低いけど、壊れないし落とさないみたいだから何回でも使えるみたい!」
ルーカ達が必要な物を考えている時に、グレムリンだけは羊のリスポーンブロックがある小屋で羊を殴り続けていた。
「既に始めているのね……別にいいけど」
「儂も手伝うぞ! 『タライ落とし』!」
「うわぁっ! 小屋にいた羊達がタライに潰された!?」
ファンキー爺が使った『タライ落とし』は召喚師のスキルで、魔力は30も必要になるが範囲はとても広い。小屋内は5×5マスとそんなに広くはないが、スポーンされていた羊達は全滅していた。
「強いわね……」
「前方10×10マスと広い範囲で敵だけを攻撃できるが、結構魔力を使うぞ。羊だから一撃だったが、多分威力はそんなに高くはないと思われる」
「そう。必要分の羊毛ブロックを取れているなら、隣の森がある島に行くよ!」
先程の倒した分だけで隣にある島まで繋げられると判断して、先に進めようとしたルーカだったが……ファンキー爺に止められる。
「あ、ちょっと待った! まだ検証が終わっておらんぞ!」
「ん? まだ何かあったの?」
チェストの中身は調べたし、スキルは向こうの島でも検証は出来る。他に何があったか考えてみるが……ファンキー爺は手を振るだけで何も言わない。
「じっちゃんーー……はっ! まさあああぁぁぁぁぁーーーー!?」
ファンキー爺が何をしようとわかったが、既に遅かった。ルーカが立っていた羊毛ブロックが壊れ…………ルーカは悲鳴を上げて下へ落ちていった。
ルーカが立っていた場所は拠点の端っこで、手で簡単に壊せる羊毛ブロックの上だったので…………
「よし、成功した! このくらいの距離でもブロックを壊せるのはゲーム通りだな!」
「ーーーー…………がふっ」
「ルーカさぁぁぁん!?」
少し離れていても、壊せるか試したかったファンキー爺はついでに死んでもベッドにリスポーンされるかも調べたい。その結果がこれだ。
この拠点も空中に浮いており、落下したらもう助かる術はない。たまたま下にも島がない限りは…………それでも落下ダメージで死ぬかもしれないが。落ちていくルーカが潰れたような声を上げたことから拠点の下にも島があったのは確実だ。
「うむ、これで色々とわかったな!」
「わかったじゃねぇよぉぉぉぉぉ!! やるなら、やる前に一言ぐらいは言ってよ!?」
「お、リスポーンが早いな。待ち時間が無しのは素晴らしいな」
すぐリスポーンしたルーカが怒りを浮かべてファンキー爺に詰め寄るが、反省色は無し。その態度にキレたルーカはグレムリンに言う。
「反省をしないならーーリンちゃん! やっちゃって!」
「うえっ、いいの?」
「これも検証! ぶっ放しなさい!!」
「わ、わかったよ。『ファイアショット』!」
笑顔だが、背後に般若を浮かべるルーカが怖くて逆らえないグレムリンはファンキー爺に向けて『ファイアショット』を放つが…………
「ほいっ」
「避けられたぁ!?」
「おほほい、ベテランを舐めるなよ? 動作を見れば、避けるのは余裕だい!」
『ファイアショット』は火弾が前方20マス分を直線に飛ぶだけの簡単な魔法だが、速さはあるので人の反射神経では、放たれた後に動いても間に合わないが…………ファンキー爺は杖を持つ手が動く寸前に横へ動いていたから避けられたのだ。
「くっ、当たるまで放ちなさい!」
「無駄無駄ぁぁぁぁぁ!!」
『ファイアショット』は魔力消費が10と低いので連続で放てるが………1発も当たらない。魔力が減り、残り数発になって……
「あ、当たらないよぉぉぉ……」
「じっちゃんも……1度は死んでみなさいよ!!」
「断る! 火は炎上の状態異常が付くから当たるのは勘弁したい所だな! うはははははっーーーがっ!?」
「え?」
ファンキー爺の動きが止まった。何故なら、さっきまで見ているだけだったみちぃがファンキー爺の腰に抱き着いていたからだ。
「み、みちぃさん?」
「私に構わず、放ってね」
みちぃごと、燃やせと自分で言っているのだ。
「なっ、みちぃ! 正気か!?」
「えぇ、私は正気よ。確か、炎上は身体中が火に包まれるよねぇ。現実では出来ないし、未知を知れるなら1度は試してみたいよね」
「既に正気じゃない!? 離せぇぇぇぇぇ!!」
未知狂いモードに入ったみちぃを説得するのは前から無理だと諦めているので、腰から引き剥がそうとするファンキー爺だが…………
「さぁ、やりなさい」
「えっと……みちぃさん。ごめんね」
みちぃと言う重りがあるファンキー爺は『ファイアショット』を避けられることもなくーーーー
「ぐぉぉぉーーギャァッ!?」
「熱っ! …………熱いけど、お風呂より熱いぐらいね」
「それでもキツイわぃ! ぐぉぉぉぉぉ…………ぐふっ!」
「介錯だけはしてあげるわ」
『ファイアショット』を喰らい、二人のライフは半分程減った。更に継続ダメージである炎上の状態異常を受けたファンキー爺とみちぃ。みちぃは平気そうに見えるが、ファンキー爺は風呂よりも少し熱いぐらいの熱に悶えていた。
長く苦しませるつもりはなかったので、ルーカが木の剣で二人のライフを0にしてあげた。
しばらくすると、家から疲れた様子のファンキー爺と顔がツヤツヤになったみちぃが現れた。
「どうだったかしら?」
「はぁっ。痛みと熱さはとても軽減されているが、自分から火だるまになろうとは思わないな」
「そう? 始めての体験で楽しかったのだけれども」
「それはみちぃだけだ!」
隣の島へ行く前にゴタゴタとしてしまったが、気を引き締めて向かうことに。このグループのリーダーであるルーカが皆を見回す。
「羊毛ブロックは持ったわね。行くわよ。ここから私達の冒険の始まりよ!!」
「「「おー!!」」」
神からの挑戦、冒険が始まったーーーー
これから冒険が始まります。
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