第1話 Minecraftの世界へ
2話目です。
目を覚ましたらMinecraftの世界だった。
いや、自分でも何を言っているかと思うが…………マジで起きたら見慣れた世界、Minecraftの世界だもの!!
最後に覚えているのは、同意のボタンを押したら急に眠くなった。そして、目を覚ましたらベッドで横になっていて、ブロックで出来た天井が見えた。
「……うん、意味がわからない!!」
「お、お主は……瑠花だよな!?」
聞き慣れたじっちゃんの声が聞こえ、起き上がりーーーー
「じっちゃんの声……ふえっ!? な、何! その身体!?」
「お主もだぞ! やはり、瑠花か!!」
「ち、ちょっと待って! 画面でいつも見ている姿……ファンキー爺のキャラ!?」
声はじっちゃんだが、目の前にいるのは普通の人間ではなく…………四角のブロックで組み合わされたMinecraftのキャラだった。
「あらあら、こうなるとは予測は出来ませんでしたわぁ」
「ふわぁぁっ! グレムリンの身体になってる!? え、えええぇぇぇぇぇぇ!!」
「みちぃちゃんにリンちゃんも!?」
落ち着いているように見えるが、声は少し震えているみちぃに、驚きで声を上げ続けるグレムリンの姿があった。
「落ち着いた?」
「う、うん……まさか、こんなことになるなんて……」
ルーカは真面目な委員長をイメージにした、三つ編みの女子高生のキャラになっている。ファンキー爺は名の通りにチャラい爺さん、麦わら帽子にアロハシャツが目立つキャラだ。グレムリンは悪魔の角に尻尾を着けた赤い髪の少女で、無邪気そうなキャラ。みちぃは金髪に白いドレスを着ており、何処から見てもお嬢様風のキャラなのだ。
「うふふふっ、窓から覗いてみたのだけれども、凄いことになっていたわ」
「ふおおおぉぉぉぉぉーーーー!!」
ここはベッドが並べられているだけの建物で、窓というガラスブロックから覗くとパソコンの画面で見た景色が広がっていた。
「じっちゃん! はしゃぐのはわかるけど、少し静かにして!」
「静かにしておられるか! 夢で見たような出来事が起きているのだぞ!?」
ファンキー爺、じっちゃんは昔からMinecraftをやりこむ程の重度ゲーマーであり、ベテランといえる実力者だ。そのじっちゃんはMinecraftみたいな世界を実際に冒険をしたいと、VRゲームの技術が出るまでは長生きをすると謳う程だ。
「ファンキー爺、気持ちはわかりますけど、これからのことを話し合いましょう。今回は確実に異常な現象が起きている筈ですわ」
「そうね。VRゲームが出来た噂は聞いたこともないし……」
「で、でも、夢だと思えないぐらいにMinecraftの世界だよ!?」
「良いじゃないか! 今はこの世界を楽しむのが一番だろう!?」
初めて、ゲームを買って貰った子供のようにワクワクが止まらないファンキー爺に呆れるルーカ達。
「取り敢えず、考えてもわからないので、ベッドとチェストしかない建物から出てみません?」
ここにあるのは人数分のベッドとチェストしかない。チェストは鍵が掛かっているからなのか、今は開けられず放置している。遊戯の神と言う宛先でメールが来たことが気になるけど、みちぃの言うとおりに建物から出てみることにする。
「うわぁ、確かにMinecraftの世界だ……」
「ふふふっ!! どの島から行こうか!?」
「ちょっと待って下さい。おそらく、私達をこの世界に連れてきた存在が現れて、説明してくる筈ですわ」
「クリア条件がわからないからね……」
建物を出ると、拠点だと思われる島に立ち、周りには沢山の島が浮いていた。上空にもあり、1番奥には立派な城みたいなのも見える。
「あ、あら……そこを!」
「え、何が……チャット板!?」
みちぃが何かを見つけ、指……手で指している方向を見ると、いつもチャットをしている画面に似た掲示板を見つけた。
そのゲームには…………
『遊戯の神:やぁ、初めまして。ここに招待したのは本物の神様であるこの私、この世界も私が作った。ゲームの参加を同意した皆様、クリアの為に頑張って頂きたい。まず、この掲示板は私にしか書き込めず、こちらから伝えたいことがあった時に更新されます。時々、確認しておくように。
次に、ルールと説明だが、下記の通りになる。』
ルール
1.この世界には数十個の島がある。10個の鍵が隠されており、その鍵を差し込む鍵穴も同様に見つける必要がある。
2.全ての鍵を解放した後、上空の1番奥にある終焉の城がある島に入ることが出来るようになる。
3.終焉の城にいるラスボスを倒すことでクリアとなる。
説明
この掲示板を読んだ後に、君ら、プレイヤーの頭上にライフ、満腹度、MPが表示されるようになる。初期ではライフと満腹度は10個ずつ、MPは100となっている。
この世界には職業があり、拠点の側にある転職の祭壇で職業を決めたらゲームの始まりとなる。それまではチェストを開けることも出来ず、ブロックを壊すこともアイテムを使用することも出来ない。
ライフが全損しても死ぬことはない。拠点のベッドがセーブポイントになっており、そこへライフ、満腹度、MPを全回復した上で送られる。しかし、死亡したら持っていたアイテムは一部(重要アイテム)を除き、死んだ場所に散らばられることになる。
満腹度が無くなったら、自分自身の動きと攻撃力が半減されてしまう。MPは無くなったとしても、プレイヤーには何も影響を与えません。
ライフとMPは自然回復しますが、満腹度は食料を食べることで回復します。ついでに、ライフとMPの回復速度も少々は速くなります。
最後に……プレイヤー達は疲れも眠気はないですが、ダメージを受けたら少しは痛みがあり、満腹度が少なくなったらお腹が空くと感じたりします。それらを理解した上で、ゲームをお楽しみ下さい。
「「「「…………遊戯の神って、本物の神様!?」」」」
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