第9話 2つの島へ
はい、続きをどうぞ!
クリーパー島へ偵察したが、結果はチェストを見掛けることも無く、皆が爆死で全滅した挙げ句に足場もボロボロに壊されるということになった。
「偵察は失敗になったね……」
「更に、持っていた物が一部を残して奈落へ消えちゃったわね」
「うー、今回で得たのはクリーパー島は足裏から攻めては駄目とわかっただけだよ……」
「なんというか、すまん……」
ファンキー爺は死ぬのは自分だけだと思っていたが、思いがけない結果が起こり、ルーカ達をも巻き込んでしまったことに反省していた。
「もういいわ。許可を出したのは私なんだし、今は落ち込んでいないで次を考えよう」
「そうね、コツコツと近場から攻めるのがいいかしら?」
「うーん、先に鉄ブロックが沢山欲しくない? ダイヤやエメラルドとか出て掘れないとか嫌だし」
「鉄ね……ありそうな島はあるかしら?」
周りを見て、鉄ブロックが眠っていそうな島がないか探してみる。
「む、あそこはどうだ?」
「……山が見えるわね。坑道があれば、見つかりそうはあるけど」
「近いし、難易度はそんなに高くはなかろう」
ファンキー爺が見つけたのは、中心に1つだけの山が盛り上がっている島だった。鍵や鍵穴が隠されていそうな島には見えないが、今回の目的は鉄だ。鉄が見つかれば、更に便利なツールを手に入れることが出来る。
「ねぇ、今回は2組に別れてみない? 近場では強そうなモンスターは現れないし、探索を進めるなら2組に別れた方が効率が良くありませんか?」
「そうね、山の方は掘るだけでいいし……他に良さそうな島はある?」
「ねぇねぇ! アタシはあそこに行ってみたい!」
グレムリンが手を向けて、行ってみたいと言う島は…………1つだけの館が建っている島だった。
「距離も近いから難易度はそんなには高くなさそうだけど……探索に2人だけだと大変じゃない?」
「いいじゃないか? もし、大変なら後で合流すれば良かろう?」
「そうね。何か使えそうな物が見つかれば良いのだけれども」
というように話し合った結果、2組に別れて山がある島と館がある島へ探索することに決まった。
「儂とルーカが山でいいか?」
「そうね、山の方がモンスターと戦う回数が多いだろうね。リンちゃんとみちぃちゃんは館になるけど、出来るだけ戦闘は回避しつつ、探索を進めてね」
「りょーかい!」
「わかっていますわ」
メンバーも決まり、早速に島への道を作り始める。ファンキー爺は慣れたというようにテンポよく、道を繋げていく。
山がある島に着いたが、坑道は無くて地道に掘ることになったが…………
「じっちゃん、ここは『呪山の島』と出てるけど……」
「む、むむぅぅぅ…………お、遅いわぃ!!」
人先に目的の山に着いた孫と祖父コンビだったが、探索は上手く行ってなかった。何故なら、この島は『呪山の島』であり、ツルハシの掘るスピードにデバフが掛かってしまい、ただの土ブロックを掘るだけでも、3秒で済むところに十数秒も掛かってしまっている。
「もっと良いレベルのツールではないと駄目じゃない?」
「多分、そうだろうな……ダイヤ、エメラルドの素材か質が高い素材で作ったツルハシではないと、阻害を受けてしまうか」
「ビット級の素材じゃ、ここでは適してないってことね。仕方がない、ここはしばらく放っておくしかないわね」
掘れなくはないが、時間が掛かりすぎるので先に別の島に行って、質が高い素材を探してから攻略した方が楽だと判断した。
「リンちゃんとみちぃちゃんはどうなっているのかしら……「ちょっと、二人とも来てくれる!?」……お呼びみたい」
「何か見つけたのか?」
説明するなら、来て貰った方が早いと言うことでルーカとファンキー爺は『呪山の島』から出て、館がある島に向かった。
「え、『人狼館の島』?」
「えぇ。島は館しかなくて、中に入ろうとしたのだけれども入れなかったわ」
「そして、看板を見つけたの。この館は4人いないと入れないみたい!」
「成る程……そして、この状況になった訳ね」
現在、ルーカ達は館の入り口近くにいる。ルーカとファンキー爺が島へ着いた先に見えない結界が張られ、島の外へ出られなくなったのだ。その代わりに、館へ入れるようになったが。
「強制イベントがあるなら、先に教えて欲しかったわ……」
「たまたま準備をしていたから良かったが、何も持たずに来ていたら死ぬしかなかっただろうなぁ」
「あ、死ねば出れるか」
「それよりも、開いた扉を潜ってみないかしら?」
ルーカ達が島に上がった瞬間に開かれた館の入り口、扉が開いており入るしかない状況になっている。なら、入るしかないだろう。
「皆、警戒してよね?」
「わかっているぞい」
「ちゃんとするよ!」
「えぇ」
警戒しつつ、扉を潜るルーカ達。
「外からわかっていたけど、結構広いわ…………『お待ちしておりました』っ、誰!?」
突然に知らない声が聞こえ、驚きつつ周りを見渡すが姿は見えない。
『驚かせてすいません。私は遊戯の神ですよ。この館について、説明があります』
「「「「ゆ、遊戯の神!?」」」」
まさか、ここで遊戯の神から話し掛けられるとは思わなかったルーカ達。色々と聞きたいことがあったが、先に遊戯の神から釘を刺される。
『おっと、今はこの館に関することしか答えませんよ。まず、話を聞いて下さい』
「…………わかったわよ」
『ありがとうございます。では、説明させて頂きます』
館に関しない質問は聞かないと言っているので、大人しく話を聞くことにしたルーカ達だったが…………この後、とんでもない言葉に目を見開くことになる。
『ーーこの島は皆様と我らの神々でゲームをして頂きます』