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二人で幸せになるために  作者: 新浜ナナ
第一章
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第5話 浮気許さないよ 後編

早くもブクマ頂きありがとうございます♪(*´∀`*)

 顔を洗ってスキンケアを終えて、重だるい腰に手を添えてリビングへ戻った所で驚いた。


 ホテルの朝食ブッフェみたいなメニューがテーブルに並べられていたからだ。


 ☆ポタージュ、はきっと昨日の夜と同じだろうけど他に

 ☆ミニサラダ

 ☆フレンチトーストカリカリベーコン添え

 ☆ヨーグルト

 ☆(ヨーグルトやフレンチトーストにかけるのだろう)ジャムやはちみつが数種類あった。


「どうしたの?今朝も豪華だけど。」

 ウキウキ、とでも聞こえてきそうな表情の彼がいそいそと支度している。


「へ?あれ?もしかして・・・やり過ぎたかな。呆れてる?」

「呆れてないよ。普通に何で豪華なんだろ、と思っただけで。」

「俺のお願い聞いてくれたお礼。」

「へあ?!」


 お願いというのは昨日の多少セクシーな下着着用の事なんだろうか。そう思ったら顔が熱くなってしまった。

「朝からセクハラしないで。」

「してないよ!あ・・・しずかは何の事だと思ったの?」

 してないよ、でやめておけば良いのに、そのセリフこそセクハラだ。


 ・・・ニヤニヤしてる。これは対応しないでおこう。

「いただきます。」

「無視か!」






「フレンチトースト、牛乳と卵でしか浸けてないから味ないでしょ。何かかけたら?」

「・・・バターが乗ってるし、カリカリベーコンと一緒に食べるから大丈夫。」

「そお?はちみつとかジャムもあるから味変したかったら使ってね。」

「すごく・・・おいしいよ。」

 先程はセクハラをされて無視してしまったが、豪華な朝食を用意してもらって何も言わないわけにはいかない。


「お。」

「ありがとう・・・」

「どういたしまして、ってどうした?やっぱり腰痛いか?」

 腰に手をあてていたので見かねて言ってくれたのだろう。

 ただ、そう思うなら何回もしないで欲しいと思いながら腰をさすった。


「お行儀悪くてごめんね。」

「今は二人きりなんだから気にしなくて良いよ。後、それ、俺のせいだし・・・」

 と、顔を赤くし照れた。何故に。


 そんな彼を無視し、

「後で聞きたい事がいくつかあるんだけど。」

 と聞いた。

「今でも良いよ。」

「ん~。せっかく亮さんが用意してくれたおいしい朝食だから味わって食べた後が良い。」

「あ、そ、そう?」

 また照れた。女子みたいだなぁ。




 ********************


「タオル貸して~」

 朝食を終えて、少し間を空けた所へお願いをした。

「良いけど何するの?」

「軽く筋トレする。」

「お、そうなんだ。じゃぁ俺も隣で筋トレするかな。」


「そう言えばその胸筋はどこで鍛えてるの?ジム?」

「最初はジムでやってたんだけど、家でもトレーニング出来るから最近はほとんど家かな。」

自重(じじゅう)トレか~ マシンは使わないの?」

「たまにジム行って使うよ、って、なるほど。ラットプルダウンね。」

 タオルを肩幅に両手で掴んで背中の後ろへゆっくり下げて速く上げる、という動作を見て彼が言う。

「うん、腰が痛くなるなら背筋と腹筋鍛えないと。」

「しずか・・・俺すごい嬉しいわ。」

「亮さんの為じゃないから。」

「バッサリ言うね・・・」

 自分の体の為です。




 本当はもう少し本格的に筋トレをやりたい所だけど、自宅ではないので、背筋と腹筋、ストレッチだけの軽めの筋トレだった為、彼より早く終わった。


 ソファに座り、ダイニングテーブルとソファの間のスペースで汗を流している彼を見つめる。

 見た目爽やかなんだけど、こうしてると何か『男』って言うか、でも色気があって、改めてこの人恰好良いんだな、思った。


「しずかっ、あまりっ、凝視さ れるとっ、照れっる。」

 息を切らしながら器用に訴える。

「うーん?格好良いな、と思って見とれてた。」

「え?!!」

 彼が腕立て伏せを止めてガバっと起き上がった。


「もっかい言って!」

「改めて言う事じゃない。」

 面と向かっては恥ずかしくて言えない。

 自然とプイっと横を向いてしまった。


「何でそこでしずかが照れるんだよ。元からかわいかったけど、最近特にかわいくて困る。」

「なっ!」

 思わず彼の方を向いてしまった。


「まぁまぁツンデレなの気付いてる?」

 ふにゃっとした笑顔で言われてしまった。


「ツンデレの認識はないよ・・・」

「そう思ってても良いよ。ちょっとシャワー浴びてくるね。」

 ちょうどキリが良いし、とばかりに私の頭をワシャワシャしながらバスルームへ行ってしまった。





「ふーさっぱりした。」

 と、タオルで頭を拭きながらリビングへ戻ってきたが、上半身裸だったのでまた目を背けてしまった。


 そのまま、ソファに座る私の真横にドカっと座った。石鹸の良い香りがする。

 そう感じたのはこめかみにキスをされたからだ。


 やる事がイチイチ甘い・・・


 恥ずかしさで顔を覆ってしまいたかったが、聞いておく事がある。

「ねえ、朝食の時に言ってた聞きたい事なんだけど。」

「何でしょう。」

「回数は自重出来ないの?」

「・・・・・」

 ズバリ言ったら黙ってしまった。


 この後自重出来ない理由を幾つかプレゼンの如く述べられたんだけど、まぁ、諸事情によりお伝え出来ない。これR15だから!


 後、もうひとつ。

「さっき、前からかわいかったって言ってくれてたけど。」

「うん。」

「いつからそう思ってくれてたの?」

「あ~。初めて会った時の印象は美人、だったんだけど、ジャケット作成の話しをしていく内に可愛らしい人だな、って思ったよ。」

「あ、そうなんだ・・・」

 美人、という単語も出てきて、自分で聞いておきながら照れてしまった。


「しずかは?」

「え?」

「しずか最初会った時俺の事どう思った?」

「爽やかイケメンだなって思ったよ。」

「あれ?そうなんだ。全然興味もたれてる感じなかったからてっきり何とも思われていないものかと。」

「10人中、7~8人がイケメンだと思うけど?」

「んん?何か他人事な言い方だな。」

 ??何が聞きたいんだろうと首をかしげた。


「質問を変えるわ。いつ俺を好きになってくれた?」

「あ、それ私も聞きたかったやつ。」

「ん?」

「んっと・・・はっきりと自覚したのは仮縫い終わらせた直後。」

「あっ!!」

 しまった!という顔をする。


「私、忘れてないよ。」

「え、え~っと何が?」

 彼はあからさまに動揺している。


「亮さんは私の事いつ好きになってくれたの?」

「え?あ、そうだね・・・ラグビーの試合一緒に見に行った時だね。ガタイの良い男達に肩やら腰やら手を回されている姿を見て頭が沸騰しそうな位嫉妬したから、その時はっきり自覚したんだよね。」

「あーあの時終始機嫌悪かったね、そういう事か・・・」

当時、選手と写真を撮っている最中、現れるなり不機嫌な彼に戸惑いと若干の面倒くささを感じた記憶がある。


「うん、そういう事。」

 話が逸れたかと思って安心した顔をしているけど、甘い。


「及川さんとエッチしたのは一緒に行ったラグビーの試合の前?後?」

「うっ・・・後です・・・」



 及川さんとは亮さんの仕事関係の知り合いで、ハーフっぽいスレンダー美人だ。

 ジャケットの仮縫いをしに行ったら駅で鉢合わせし、亮さんと体の関係を持った事が彼女の発言でわかった。

 付き合っていなかったとはいえ私と何度も会っていた時期だったのに、他の女性と関係を持ったという事実にすごく腹が立った。

 結果、あの出来事がきっかけで自分の気持ちに気付く事にはなったんだけど。



「私へ気持ちが向いているのに他の女性と関係が持てるものなの?亮さんは。」

「いや、あの・・・」

 目は私を通り超して窓の外でも見ているのだろか、所在なさげだ。

「付き合う前の話しだから責めてるんじゃないよ?事実関係を知りたいだけ。」

「しずかへの気持ちが欲求不満に現れてつい・・・」

 この人『つい』多いんだよな。


「なるほど。」

「怒らないのか?」

「付き合う前の話しだから怒らないよ。」

 ほっとした表情しているけど甘いから。


「でもそれって浮気だからね。」

「う〝う〝!!」

 問い詰めたら亮さんから変な声が聞こえた。追い詰められた!みたいな。


「・・・付き合う前の話しだから及川さんの件は不問にするけど、付き合ってる時に浮気したら許さないから。」

「ゆ、ゆるさないとは・・・?」


「そうねぇ。とりあえず全ての毛をブラジリアンワックスで除毛してやる。」

「聞いた事あるぞ、それ。芸人が罰ゲームで脛の毛剝がすやつだろ?!」

「脛は大丈夫だと思うけど、股間の毛が激痛でしょうね。」

「ひっ!!」

 思わず股間を抑えてガードした。女性でも痛いと聞くやり方だから除毛に慣れていない男性は尚更だろう。


「まぁ。除毛とは言ったけど、私の気力がなきゃやらないけどね。」

「え?」

「多分浮気された時点で亮さんを人として見れなくなるから。視界に入れたくなくて、連絡を絶つ可能性が高いかな。あ、別れたくなったら浮気が一番手っ取り早いかもよ。」


「ちょ、ちょ、ちょっと待って!本気で言ってる?」

「うん。私は浮気しないよ。」


「一気に別れ話まで発展するとは・・・わかった。二度としません!っていうか、そもそもしずかが手に入ったのに浮気なんてしないから!!」

「ふうん?」

 あ、顔真っ青だ。いじめすぎたかな。



 上半身裸のままだから少し抵抗感あったけど、安心させるように彼の胸に顔をうずめる。

「大事にしてね?」

「うん・・・」

 急に抱き着いたから少し驚いたみたいだったけど、すぐに髪を優しく撫で抱き締めてくれた。



「お互い、育ち方が違うんだから価値観が違うの当たり前だけど、何をされて嫌か、とか少しずつ話して行こうね?亮さんは?私に何か不満とかない?」

「う~ん・・・特には。でも、そうだな、強いて言うならもう少し一緒にいる時間取りたいかな。」

「泊まりに来てるから充分一緒にいると思うんだけど・・・」

「うん、既にしずかが善処してくれているからこれ以上言えないな、とも思って。」

 悲しそうに言うから頭をグリグリした。


「来年1月過ぎたら試合数減るから・・・」

「そっか。ところでしずかさん?」

 嫌な予感した。

「なに?」

「ムラっとしたのでもう1回・・・」

「絶対しないよ!!」



し「調子乗るな!」



ラグビーでは試合前に、試合に出ない選手、通称ノンメンバーが写真を一緒に撮ってくれます。

ラグビーワールドカップ後はさすがに混雑と双方の安全の為機会減りましたけどね。


※次話は日曜公開予定です。しばしお待ちください(*´Д`)

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