第46話 土屋家大集合
ブクマありがとうございます(*´▽`*)♡
『しずか?今日みんなでお寿司食べに行くけどあなたどうする?』
「行く!あ、いち君も来るの?」
『あの子は後から来るって。何?一郎に用事あるの?』
「ううん。何もない。」
『そお?夕方迎えに行くからすぐ家出れる準備しておいてね。』
「はーい。」
母から昼過ぎに連絡があり、夕飯は土屋家総出で回転寿司に行く事になった。
お寿司食べたかったので、即答したものの、昨日の今日で兄に会いたくなかった。
だって、亮さんから親に挨拶行く話しを何もされていない。
挨拶に行く意思があるのかわからないのに、両親にも何も話せない。
あの流れで、「急だけど今からご両親に挨拶行こう!」なんて言ってくれるのかと期待してしまった。
でもそうなる所か、『両親に挨拶』なんて単語が一切出なくなった。
前、何かで『男性に期待してはいけない』って思ったはずなのに、学習能力がつくづくないな、私。と思った。
隠していたわけじゃないけど、5歳も年上ってバレたし、帰る前に絶対エッチしてくるって思ったのに、それもなくて急激に不安になった。
柄にもなく帰り際引き留めてしまうまでに・・・
『また来週』なんて言ってたけど、もう会えないかもしれない。
付き合ってまだ数か月しか経っていないのに、両親に挨拶だなんて亮さんにしてみれば面倒くさい事なのかもな・・・
「しーちゃあああああん!!」
ボフっ!!
車から降りて来た甥っ子の充輝が、先に着いて外で待っていた私に向かって突進して来た。
「こらー充輝!!ここ駐車場なんだから車来るよ!走っちゃ危ないでしょう?」
「・・・ごめんなさぁい。」
口を尖らせながらも謝罪を述べる男児が可愛くて堪らない。
「うん、しーちゃんも怒鳴ってごめんね。」
「いーよ!ゆるしてあげる~!」
抱き着いてくる充輝に、私が許される立場なんだ、と笑ってしまった。
「だっこだっこ!」
「ええ~駐車場だと危ないから後でね。」
充輝を諭すと、
「充輝だけずるい!!」
「・・・双葉はもう抱っこ出来ないわよ・・・」
横から姪っ子が、甘える4歳児に乗っかってきた。彼女はもう中学生なので抱っこなんて無理だ。
まして私と同じくらいの身長の女子をどう抱っこしろと。
「ハグハグ~」
「はいはい。」
甘えてくる姪っ子の頭を撫でてあげた。
「バカじゃねぇ?」
「おー朔久しぶりだねぇ?君もハグしてあげようか?」
「バっ!!バカじゃん!!」
片手を広げて妹達に悪態をつくもう一人の甥っ子をハグしてあげようとしたらバカを連呼されてしまった。
そんな真っ赤になるまで否定しなくても。叔母さん悲しい。
「しずかちゃん、朔良いお年頃だから恥ずかしいんだよ。」
兄嫁の夏ちゃん、夏美ちゃんが苦笑いしながらこちらに近寄ってきた。
「小さい時しょっちゅう抱っこしてあげてたのになぁ。」
「そだねー、しーちゃんしーちゃんって充輝よりくっついてて良くおっぱいに顔うずめてよだれ垂らして寝てたわね。」
「お母さん!!小さい時の話しだろ!!」
小さい時の面影をまだ残すサッカー少年は日に焼けた肌を真っ赤にして兄嫁に詰め寄っていた。
そうか、本当に良いお年頃だからあまり刺激してはいけない気がする。
私より背も高くなっているし、どちらがハグをしてあげてるのかわからなくなるもんな。
『ブーブー』
「あっ、席用意出来たって!行こう。」
店内で待っていた母親が、席が用意出来た事を知らせてくれたので全員で店内へ入る。
「いち君来るの?」
「来るって言ってるけど、どうかな?仕事押してたみたいだし、間に合わないかも。」
「そうなんだ。」
心の中で少しだけほっとした。
「あ、パパだ。おーい!」
向かいに座っている双葉が私の後方へ向かって手を上げる。
来てしまったか・・・
食べ始めて少し経つ頃、兄が到着してしまった様だ。
だが二手に分かれたこちらの席には、父親・双葉・充輝と既に4人いる。普通に考えたら、母・夏ちゃん・朔の方へ行く・・・と思いたい!
「満員なのでママの方行って下さーい!」
ナイス!双葉!
「はいよー。」
兄も特に気にせず、もう一つの席へ行ってくれた。
良かった・・・
ひとまず兄を気にせずお寿司を堪能出来た。
「「「ごちそうさまでした!!」」」
「はい、どーいたしまして~」
孫達に一斉に言われ、父もニコニコして返事をする。
『何かしてもらったらお礼を言う』
土屋家の教育方針だ。
小さい頃から徹底されていて、私ももちろんそう教育されてきた。
社会に出てより感じたけど、これを出来ない人が意外と多い。
最初は戸惑ったけど、強制する事ではないから徐々に気にしなくなっていた。
そう言えば・・・亮さんも結構ちゃんとお礼言ってくれるよなー
うちと同じ感じなのかな。と彼の事を思い出していたら、
「父さん、俺しずか送って行くから真っすぐ帰って平気だよ。」
(ひっ!!!)
兄が私を家まで送る事を買って出た。
な、何故?!って事は無い。絶対昨日の話しをするつもりだ。
市内だから大した距離じゃないけど、確かに親に送ってもらったら彼らには遠回りになってしまう。
「あら、そお?じゃぁ一郎に送ってもらいなさい。」
「は、はい・・・お父さんごちそうさまでした。」
「うん、またな~」
そう言って両親は自分達の車へ行ってしまった。
「双葉もパパの車乗るー!」
「みつきもー!!」
姪っ子甥っ子が騒ぐが、
「ママの車で帰りなさい。しーちゃん送ると遅くなるから。」
「「え~~~」」
口を尖らせながらも、すごすご夏ちゃんと一緒に車へ行った。
あまりごねるとパパの拳骨 (物理ではないけど)が飛んでくるから早めに諦めた様だ。
「じゃ、しずかちゃんまたね。」
「うん、またね。」
彼女達に背を向け、いち君の車へ向かう。
発信させるとすぐに、
「昨日のあいつは挨拶行ったのか?」
と、予測していた言葉を言ってきた。
「・・・行ってない。」
「だろうと思った。」
「だって、急だし・・・」
言い訳をすると、
「急も何も、家に上げてる時点で挨拶行くべきだろう。」
と親みたいな事を言い出した。
いや、絶対両親ここまで硬くないはず。
「・・・付き合い方にも色々あるんだから、本当に口出ししないで。」
静かに反論すると、
「兄ちゃんあいつから遊んでる空気感じたんだよ。年下だろ?何か腹黒そうだし。お金要求されたりしてないな?」
と亮さんの悪口を言って来た。
どうやら初対面は最悪の印象だったらしい。
「私よりお金持ってる人だから要求なんてされてません!!」
浮気しないと誓っていたから、他の女の子と遊んだりもして、ない、はず・・・
腹黒いのはまぁ、私もちょっと感じてるけど。
エロ下着用意してる時とか・・・
「騙されてしずかが傷ついたりしなきゃ良いけど。」
「余計なお世話です!!」
子供じゃないんだから恋愛で傷つこうがそれはもう本人の意思だし、本人の責任だ。
兄に心配されるいわれはない。
これ以上会話もしたくなかったので、兄から顔を背けっぱなしだった。
「送ってくれてありがとう・・・」
「・・・色々気を付けなさいよ。」
まだ言うか、うるさいな。
マンションの下まで送ってくれた兄の車が去ってすぐにスマホが鳴った。
亮さんだ。
「はい。」
『あ!しずか?ごめん、まだ日程決められないけど、ご両親にお付き合いしてるって挨拶絶対行くから!』
「っ!!うん・・・ありがとう・・・」
今一番欲しい言葉をもらって、涙目になってしまった。
『しずか・・・?泣いてる?』
「ええ~泣いてないよ?」
ふふっと笑って、その場をごまかした。
次話は明後日公開です。しばしお待ちくださいな(*´ω`*)




