第29話 左手の薬指の意味
ブクマありがとうございます!!(*´▽`*)♡
今日は亮さんの仕事が少し立て込んでいて、珍しく私が先に待ち合わせ場所に着いていた。
何やら、部内でミスが連発してそれが意外と大事で、片付けるのに、手間取ったそうだ。
当初、『仕事が押してて遅れる』とだけ連絡があり、『珍しいね』と返信した。そしたらこれまた珍しく、上記の理由を言って来た。
『年明けはそういう事良くあるよね』と適当な事を言ったら、『部下のミスは上司の責任だから』と返って来た。
他人のせいだけにしないの、亮さんらしいなぁ、とは思いつつ、亮さんは上司の立場なのね、とも思った。
先日、『俺にも興味持ってくれ』と言われたが、自分の事をあまり話さない人なので、聞かれたくないのかと思って私も聞いてこなかった。
言ってくれれば私もそこから話し広げられるのになぁ・・・
あ~・・・、そこを超えて『俺に興味持て』って事なのかしら、と腑に落ちた所で、
「しずか!」
マークシティの大エスカレーター横の通りから、満面の笑みの亮さんがやってきた。
「お待たせ!ごめんね。遅れて。」
「ううん、お疲れ様。」
「行こうか。」
「!!」
さりげなく手を繋いで来て、そこに気を取られていたらこめかみにキスをされた。
「誰も俺達見てないから。」
前も聞いたな!と思いつつ、頬をふくらませ抗議の目線を上機嫌な彼に送った。
「そういう、かわいいむくれ方すると口にするけど?」
「ひゃっ!」
息がかかる程の耳元で小さく囁かれた。
「もうほんとに止めて!」
「ごめんって、行こ。」
ごめん、と言うも顔が笑っている。この前仲直りしたからって調子乗りすぎ!
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「しずか、もつ鍋好きなんだ?」
「大、好き。」
マークシティのすぐ近くにあるもつ鍋屋に入り、爛々ともつ鍋メニューを見ている私に、意外と言う様な疑問をぶつけてきた。
今日は私が事前にお店の予約をしていた。このお店は人気店なので予約をしないと難しい。
「パスタとか、洋風な物好きだと思ってたけど。」
「それも好きだけど、お鍋とか和食の方が好きだよ。」
「ふーん・・・」
亮さんが用意してくれる普段の食事は基本、パスタ等の1品料理だ。プラスでサラダ位。
美味しいからもちろん食べるんだけど、自分が用意した食事の分野より好きな物が私にあると知って拗ねたのかもしれない。
「亮さんのゴハンもちゃんと美味しいし、好きだからね?」
目線を彼に向けて、懸念しているだろう事を伝えた。
「えっ?!あ、うん・・・ありがとう。」
ありゃ、顔少し赤くなった。
「何で照れるの?」
「別に照れてない。」
ちょっとだけ拗ねてるし、顔まだ少し赤いから照れてると思うんだけど。
「ふーん。良いけど。ね!スタンダードのもつ鍋で良い?」
「しずかの食べたいのにして良いよ。」
「わかった!お願いしまーす!!」
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「へぇ、一緒に見に行った時のチームは3位だったんだ?すごいね?」
「うーん、選手達は当然優勝目指してたし、途中かなり良かったから残念。でも、3位でも私はすごいと思うけど!」
先々週、宣言された通り、先日の3連休は会えなかった。
「あ~・・・ぷりっぷりのもつ、おいし♡」
「ほんと、美味い。しずか明日肌プルプルなんじゃない?」
「そおかなぁ?そうだと嬉しいな。」
ほんとはそのプルプルになった肌に触れたいが週初めで今日は泊まりじゃない、残念だ。
土日はラグビーの試合の大詰めだったらしく、2日間とも見に行ったしずかが興奮して、その時の様子をもつ鍋を挟みながら話している。
相変わらず、俺以外の事への興味と言うか、熱意がすごい。
キラキラした目をして、決勝の接戦の模様を説明してくれた。
「観てる側もねぇ、疲れるんだよ!」
「そっか、そっか、良かったね。」
「適当!」
決して、そんなつもりはなかったが、相槌の様になってしまい、しずかにむくれられた。
「ところで、しずかさん。」
「何?」
もつ鍋をそろそろ完食か、というタイミングでしずかに予定を聞いた。
「週末は?今度こそ家来てくれるよね?」
「また・・・うん、行くよ。」
「金曜から家おいでよ。」
先週会えなかった分、しずかをたっぷり堪能したい。
「日曜まで亮さん家にいるって事?長いよ!」
何言ってるんだ?!って顔してるな~・・・
ちょっと予想してたけど、実際言われると悲しい。
「やっと週末ゆっくり出来るんだから。1日だけにして。」
「は?先週会うの我慢してたんだから、今週こそ時間作ってよ。」
週末ゆっくり出来る、何て言葉に反応してしまった。俺との時間も大事だろ。
「家の事とか疎かになってるから日帰りとかにさせて欲しい。」
「ダメ。」
「いや!」
「何でだよ・・・」
さすがに、ここまで拒否されては項垂れるしかない。
そりゃあ、家に来たら期待はするけど、それ以前にしずかと一緒に過ごしたい。
今までの俺の行動から、特にアッチ方面があまり信用されていないので自業自得ではあるんだけど・・・
「う・・・」
俺のしょぼくれた姿を見てか、しずかが何やら葛藤している。
「う、うう・・・わかった・・・」
肯定の言葉が出てきて、顔を上げて期待の目でしずかを見つめた。
「間取って、金曜泊まりに行くから、土曜の夕方前には帰して欲しい。」
「え~」
「これ以上は譲歩しません!!」
ポメラニアンが出たな。可愛すぎて思わず笑ってしまった。
「フハっ!!わかったよ・・・譲歩してくれてありがとう。」
しずかを見つめたまま、テーブルの上の彼女の手を握った。
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「あ、言うの忘れてた。」
食事と支払いを終え、地下の店舗から上がり道路へ出た所で、何かを思い出した様にしずかが話し出した。
「ん?」
「あのね、この前告白されました。でもちゃんと断ったからね。一応、報告と思って。」
「は?」
先日、喧嘩した際『私も他に好きな人出来るまでは・・・』と言っていた。
『好きなヤツなんて作らせない!!』と豪語したが、その可能性が現実として浮上し、思わず不機嫌になってしまった。
「え、何で告白なんかされてるの?」
「は?何でって、知らないよ。私その人じゃないんだし。」
俺の不機嫌にしずかも不機嫌で返して来る。
「しずかに隙がありすぎるんだよ。」
「ないよ、そんなの。ちゃんと断ったんだから良いじゃない。突っかかって来ないでよ。」
やはりしずかは自分の事ちゃんとわかってない。
俺がいない場所でのしずかの交友関係が不安過ぎる。
「・・・指輪買う。」
「え?」
「しずかに指輪着けてもらう。」
「・・・X‘masの時いらないって言った。今3つも指輪着けてるんだからこれで充分。」
「左手の薬指に着けてないから男寄ってくるんだ。」
「関係ないよ。」
「ある。」
駅に向かいながらも俺達は言い争いを続けていた。
「男避けの指輪って事?」
「そう。」
「尚更いらない。」
「何でだよ!」
いらないと言われて、強く言葉が出てしまった。だが、彼女はこれくらいでは怯まない。
「婚約指輪だったら受け取るかもしれないけど?!」
真っすぐ、強い目で俺を射貫く。
「あ・・・」
「ほら!本来の意味忘れてた。ただの嫉妬で無駄使いしないで。」
「無駄使いって・・・」
「もうダメ!この話しお終い!駅着いたよ。私帰れなくなる。」
食事したもつ鍋屋が駅からも近かったので、言い争いしている内に改札口手前まで着いてしまっていた。
「帰れなくても・・・家泊まれば良いんだし・・・」
「・・・じゃぁまた金曜日にね!」
俺の言葉を無視して、しずかは改札を通ってしまった。
もつ鍋屋さんの名前忘れたんです(*´Д`)
今(夏)行ったらもつ鍋屋空いてるかな~食べたいな。
あ、次話は明後日公開です、少しお待ち下さい(__)ペコリ




