表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人で幸せになるために  作者: 新浜ナナ
第一章
27/88

第27話 お互いの懸念 後編

 お互いの感触を確かめる様に抱き合い、泣いて、少し経った。



「・・・お互い、誤解してたみたいだね。」

「ちゃんと話し合おうって、付き合った最初に言ってたのにな・・・て、あ!」

「何?」

「外デートが嫌なのはさ、しずかが他の男に欲情されるのが嫌なのよ。」

「・・・私外歩いただけで欲情されるような危ない子なの?」

 訝し気な表情をし俺を見上げる。


「いや~・・・前散々エッチした後、外食事行った時、そこの店の従業員がしずかに欲情しててさ~」

「っ!!それ私のせいじゃないじゃない!!しかもあの時欲情されたお仕置きとかって・・・!」

 顔を真っ赤にしたしずかが枕で思いっきり俺をはたく。

 そう、あの時お仕置きと称して食事から帰ってすぐまた悪戯をしたんだった。



 しずかが怒ってベッドから出て行こうとするので慌てて腕を引く。

 俺の膝の上、と言うか足の間にすとんと腰を落とした彼女を後ろから抱きしめ肩に顔をうずめた。


「ごめんって・・・全部俺のせいだし、わがままです。徐々にさ、外でもデートしよ?」

 耳元で囁いたので大人しくなった。

 しずかの急所は知っている。



「わかったけど・・・腰に硬いの当たってるのは何?」

「え?!いやこれは男の生理現象だから!」

「起きてからしばらく経つのに?」

「ほんとだって!決してエロい事がしたくてこうなってるわけじゃ・・・あれ?」

 顔を覗き込んだら口が尖ってた。


「う・そ!起きた時のはまじで生理現象だったけど、しずかと密着してたらエッチしたくなってこうなった!何だよ~俺がエロい事したくないって言ったらむくれるって。」

 しずかのほっぺを横からむにむにした。

 柔らかいなぁ。

 顔も赤くさせて、やっぱり俺の彼女は可愛い。


「・・・キスは?セーフ?」

「軽いやつのなら・・・」

「ん、わかった・・・」

 しずかの顎に手をかけ軽く、でも長いキスをした。






 ********************


「あのね・・・」

「うん。」

 朝食を終えた俺達は、いつもの様にソファへ移動しまったりしている。


 俺の足の間にしずかが座り、その腰をギュっと抱え頭部に何度もキスをしている所に、しずかが何かを言いかけた。


「どうした?」

 と言いつつも頭やこめかみ、耳へのキスを俺は止めない。

 もしかしたらこの行為の事かもしれないが、触れるのはOKとお許しを頂いているので文句は言わせない、と思っている。



「あの、ごめんなんだけど。」

「うん?」

 さすがに行為を止めてしずかの顔を覗き込んだ。


「来週の3連休会えません。」

「えっ・・・・・・」

 仲直りして今めちゃめちゃラブラブしてるのに『会えない』、と言われて時間(とき)が止まった。



「土日がラグビーの3位決定戦と決勝戦で、月曜日が仕事なの。休日出勤で。」

「そ、うなんだ・・・」

 項垂れているのが見えなくてもわかったのだろう、右手をそろそろと上に上げ、俺の頭に触れた。

「ごめんね。」

 よしよし、と手が左右する。



「あ!じゃぁ平日は?」

 へたしたら2週間近く会えない可能性に焦り、仕事終わりを提案してみたが、ダメだった。


「年明けで忙しいから来週は無理だよ。亮さんの所だって忙しいんじゃないの?」

「しずかに会えるならどうとでも仕事終わらせるんだよ。」

「えっ、そ、そうなんだ・・・」

 耳が赤くなって照れたのがわかる。

 美味しそうに思えて耳の上部を唇で食んだ。


「ひゃっ!ちょっと・・・それはダメ。」

「何でだよ。」

「ダメなの!」

 理由を言ってくれなかったので若干納得は出来ないが、良くてダメ、と言ってる時と、本当にダメ、な時は大体わかる。


 これは本当にダメな方だと悟り、諦めた。



「だからね、」

「うん?」

 もう一度しずかの顔を覗き込む。


「連休明けの火曜日、仕事終わりに食事行こう?」

 俺の方へとしずかも顔を上げ、にこやかに提案をする。


「あ、泊まらないよ!次の日も仕事なんだから。」

 釘を刺されたが、しずかからちゃんとデートの提案をされて、すごく嬉しくなった。

 破顔したら、照れてしまった様でまた顔を赤くし、ゆっくりと目を閉じた。


(お・・・)

 振り向いたしずかの頬に手をかけ、俺も目を閉じ唇を近付けた。








 ********************


「ご飯おいしかったね。」

 いつもなら、ランチも作るか出前にしていた所、さすがに外、駅まで出て食事をした。

 帰りに少し駅ビル内を見たりして、外デートっぽい事もする。


 服を見たり、雑貨を見たり、その度しずかがクルクルと表情を変えるのを見て、ああ、俺の我儘で外へ行かなかった代わりにこういう表情を見逃していたんだな、と反省した。



「うん・・・」

 駅ビルで楽しそうにしていた彼女がまた元気がなくなってきている事に気付く。


「どうした?」

 玄関を上がりリビング手前で立ち止まる彼女の顔を覗き込む。


「おっと!」

 急にハグ、と言うか突進してきて俺に抱き着いたので一瞬だけグラついた。

 力強く俺に抱き着くしずかの頭を優しく撫でる。


 すると彼女は俺の胸で頭をグリグリし出した。


「フハっ!何だよ甘えん坊め。」

 そう言うと、しずかがそろりと俺を見上げた。


「あのさ、」

「うん?」

「送ってくれるまで時間あるよね?」

「あるね。」


 一体どうしたんだろう、と不思議に思っていたら、視線を逸らし、耳まで真っ赤にしたしずかがとんでもない事を言い出した。


「昨日・・・我慢させちゃったから・・・家に送ってくれるまでの間・・・・・好き、にして良いよ?」

「ぐはっ!」

 な、何を言い・・・!!


「嫌・・・?」

「あのね!男に好きにして良いよ、何て言っちゃダメ!!」

「亮さんにしか言わないもん。」

「もん、かわい・・・じゃなくて!そんな事言われたら手加減できなくなる!」

 そんなセリフの後に目を潤ませ、顔を赤くされたら期待してしまうじゃないか!


「え、明日仕事だから加減してほしい・・・あ、あと痛いのと怖いのはいや。」

「意外と注文あるな・・・わかった、昨日の事気遣って言ってくれたのは嬉しいけど、もう俺にも言っちゃダメだよ?手加減出来るか・・・自信ないから」

 しずかをきつく抱き締めた。


 心臓の音が早鐘の様だ。俺も、しずかも。








 ********************


「好きにして良い」と言われその通り好きにし、気付いたら外がとっぷりと暗くなっていた。

 本当に調子に乗り過ぎた。加減出来なかった。反省している。


 この後しずかを自宅まで送り、戻ってきたらかなり遅くなるので、夜はそのまましずかの家に泊まる事にした。

 もちろん、朝車を置いてすぐ出勤出来る様、支度もしてだ。








「はい、到着!お疲れ様でした!」

「「グー!!」」

 しずかの家の玄関に着くなり二人のお腹が鳴った。


「お腹すいちゃった。」

「そうだよなぁ。大分遅いけど、少し腹に入れておいた方が良いな。何かある?」

「あるよ~。お豆腐とフリーズドライのお味噌汁でも良い?」

「充分。そしたら俺やるから明日の準備しちゃいな。」

「亮さん優しい。好き。」

「・・・・ちょいちょいそう言う事言うよね。まぁ嬉しいから良いけど。」






「布団の横にソファベッドのベッド部分置いて良い?一緒に寝たいんだ。」

「ん・・・良いよ。」

 顔が赤くなっているしずかに、

「ふっ、さすがにもうしないって。俺も明日仕事だし。キスだけしたら寝ようか?」

 と安心させる様に言った。



 灯りを消して、俺の右腕と布団にくるまれながらしずかが言った。

「亮さんいっぱい優しいから大好き・・・」

「おいー・・・あ、もう寝ちゃったか。俺も大好きだよ。チュっ。お休み。」

 好き好き言われたらまた我慢出来なくなる、と文句を言おうと思ったら、体力の限界に来ていたのだろう、車中での睡眠では足りなかった様ですぐに寝入ってしまった。

 そんなしずかのおでこにキスを落とし、俺も目を閉じた。




 昨晩はどうなる事かと思った。

 でも、朝お互いの気持ちをぶつけ合ったおかげで、恋人同士として何か一歩前進した気がする。




 まだ付きあって2か月経ってないんだよなぁ。

 何だか濃い時間を過ごしているなとぼんやり思いながら、俺も眠りに落ちていった。






一件落着したと思いました?うふふ、まだ揉め事あるんです。( *´艸`)悪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ