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二人で幸せになるために  作者: 新浜ナナ
第一章
16/88

第16話 女子4人も集まれば、かしましい 後編

 女子忘年会で私が最近悩んでいた事を話したら、

 全員一致で

「「「本命!!」」」

 だった。


 理由として、

 1・セフレなら遠くなくても家まで送らない。

 2・セフレなら食事代全部払わない

 3・X‘masデートがちゃんと計画的で彼女を喜ばせようとしている。セフレにはしない。そもそもX’mas等のイベントに会う事自体しない

 4・付き合った日をちゃんと覚えていて一緒にいようとした

 5・無理強いはしていない

 6・キスが多くて愛されてる感がある

 との事だった。


 5と6はその場にいないから3人の意見は甚だ疑問なんだけども。



 回数の事まで白状させられて、聞いてきたクセにちゃんと答えたら

「しずしずの彼氏は人間・・・?」

 と言われてしまった。



 大きな声で話しているつもりはないが、狭い店内なのでたまに聞こえるらしく、注文を取りに来た店主=友達が苦笑いしている。


 真子ちゃんがかいつまんで、本命かセフレかの意見を彼にも聞くと、「多分本命」と返ってきた。

「多分て何だよ!」と真子ちゃんが問い詰めるが、

「俺はその人の普段の人柄知らないし、体だけが目当てならどうとでも優しく接する事が出来るやつもいるから断定はしない。」

 との事だった。

 貴重な男性の意見はやっぱり女子達とは少し違う。


「しずか。」

「うん?何?」

「ちゃんと自分で見極めろよ。」

「あー、うん、そうね。ちゃんとわかってるよ。」

 彼が自分で見極めろ、と言ったのは女子達の意見に流されるな、と言う事だと思う。


 10年来の付き合いがあるので、ほとんど家族に近い。

 時々こうやって心配してくれる。


 私が答えたら「頑張れ!」と笑って厨房へ戻った。



「ねぇねぇ、タイプじゃないけど、イケメンなんでしょ?写真無いのぉ~?」


 最初の出会いの説明でタイプじゃないイケメンと説明したけど、今は超格好良いと思っている。

 しかも『遅刻しない』はモロ私のタイプだ。



 そうだ・・・タイプなのに、何で私こんな悩んでたんだろう。

 エッチの頻度くらい多目に見てあげるべきなのかもしれない。

 見た目はともかく、ゆりにも指摘された『時間を大切にしている』人がこの先現れるかわからない。



「しずかちゃん?」

 写真無いの?と美咲ちゃんに言われたのにフリーズしてしまった。


「あ、ごめん、写真撮った事ない。」

「はー?!!!」

「X‘masも?!」

 真子ちゃんは信じられないと声を上げ、ゆりもびっくりしている。


「私のスマホには入ってない。彼のスマホで一緒に撮ったのはあるけど。」

「今すぐ!彼氏君に写真送ってもらいなさい!!」


「えー・・・」

 昨日食事の時気まずくなったままなんだよなぁ。


 そう言うと、

「こっちが普通にしてれば向こうも大丈夫だから。」

 と珍しく真子ちゃんが優しく諭してくれた。


「普通なら女子が写真撮りたがるよね。しずかその辺普通じゃないから私達も忘れてたけど、彼は『俺と写真撮りたがらないな』、とか思ってるかもよ?」

「あー、あと付き合って1か月を忘れてるってのはないね。」

「ないねぇ~」

 ぐっ・・・それは私も負い目あるのよ・・・



 彼女達からお小言を言われつつ、アプリでやり取りしようとしてたら、

「電話しなさい!」

 と迫力を増した真子ちゃんに言われてしまう。



 あきらめて彼に電話をする。

 今出ないで!とちょっとだけ祈ったが、ものの数コールで彼が出た。


『しずか!!』

 慌てて電話を取った事が電話の向こうから窺える。

 ガタガタっと何かがぶつかった音が聞こえた。


「あ、亮さん。」

 すご、すぐ出たじゃん、と近くで真子ちゃんが驚いている。


『どうした・・・?』

 しまった。昨日の今日で、何を話せば良いのか。

 とりあえず、握られた手を思い切り振りほどいて睨んだ事を謝ろうと思いついた。


「あの・・・昨日、ごめんね。可愛くない態度取って。」

『いや、俺も・・・昨日は食事だけだって話ししてたのに約束破ろうして悪かった』

「ううん・・・・・」

 何か泣きそうになってきた。


 言葉が詰まった所で、ゆりが、写真!写真!と言っている。

 あ、そうだった。


「あのさ、X‘masの時に撮ってくれた写真送ってくれる?」

『うん?構わないよ。あの、大晦日だけどさ、何時頃行って良いの?』

「ん~・・・16()時以降かな?当日早めに連絡するよ。」

『うん、わかった。じゃぁ、おやすみ・・・チュッ』

『ツー、ツー、ツー』


「めっちゃ早く電話出てくれたじゃん。セフレなら放っておくだろうし、昨日気まずかったから今日1日電話気にしてたのかもよ?・・・しずか?」

 ゆりに問われたが、私はフリーズしたままだった。


「顔真っ赤にしちゃって。電話の最後で愛してるーとか、キスの音とかしたんでしょ?」

 ここにもエスパーが。


「え、図星?もう本命だから大丈夫だってばぁ~」

 と美咲ちゃんにまでからかわれた。



 電話を切ってすぐ、

『ピンポン』

 短い通知音が鳴った。


『ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、』

「え、ちょっと鳴りすぎじゃない?」

 引き気味の真子ちゃんが言う。


『ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、』

「怖い怖い怖い、どんだけ彼氏写真撮ってるのよ。」

 ゆりも引き始めた。


「とにかく早くしずかちゃんの要望に応えたいんだねえ~」

 美咲ちゃんも呆れモードだ。



 通知音が収まった所で写真を確認する。

「・・・しずかちゃんをこんなに撮ってる人がセフレですかねぇ~。」

「しずしずばっかじゃん、好きじゃなきゃこんなに撮らないでしょ。」

「て言うか二人の写真はー?」


 いつ撮られたのかわからないのもあったが、最後に送られてきた写真から追うと、鎌倉のランチの辺りからスタートしていた。

 今の所私しか写っていない。これは・・・恥ずかしい!

 彼氏が浮かれて彼女を撮った写真に見える!


 上にスクロールして確認して行ったら、イルミネーションをバックにして自撮りした二人の姿の写真が出てきた。



「「「めっちゃイケメンじゃん・・・」」」

 初めて彼の顔が写った写真を見て3人が声を揃えた。

 そうなんだ?亮さんやっぱり万人受けタイプのイケメンなんだね。


 と、誇らしげに最後の写真まで到達したら、亮さんが私の頬にキスをしている写真が現れた。


「!!!」

 そう言えば、自撮りしてる時ほっぺにチューされてた!


 女子飲み会のノリで写真を送る指令を出されていると、つゆにも思わない亮さんはしっかりその写真も送ってきていた。


 キスは頬なのに、表情がその夜玄関でされた激しいキスと同じだった。そういう時の亮さんは、女性から見てもとても色っぽくてドキドキしちゃうんだ。


「きゃー!!!やばい、やばい、彼氏エロい!!」

「・・・色気のある人だねぇ~」

「悩み解決ね?」


 3人に大分弄ばれた気がする・・・





女子4人の飲み会なんて荒れる気しかないですよね。(あれそんな事ない?)

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