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二人で幸せになるために  作者: 新浜ナナ
第一章
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第1話 付き合って初めてのデート

新シリーズというか続編始めました。

完結済みの2作品にブクマ&評価頂きありがとうございます♡

終わってからも読んで頂けるの大変嬉しいです。

活動報告よりこちらの方が伝わるかなと思い前書きにてお礼申し上げました。

長々とすみません。では本編をどうぞ♪

『明日、仕事終わりにどこかで食事しよう』


 日曜日に付き合い始めた彼、亮から連絡が来た。

(一昨日会ったばかりなんだけど・・・)


 週末デートや下手したら2週間に1回会うくらいのお付き合いしかしてこなかったしずかは戸惑う。

(付き合い始めたばかりだと、会いたいものなのかな?私も会いたいから何も問題はないんだけど)


『はーい』

 と返事し、すぐに『また明日連絡する。』

 と返信が来た。



(明日、おしゃれしよっと。)

 しずかはウキウキしその後の仕事を頑張った。



 ********************


『はーい』

 って何だ、かわいいな!


 一昨日付き合い始めた彼女しずかは少し南島の血が入っていそうな目鼻立ちがはっきりした顔立ちをしている。

 どちらかと言えば美人系だが、自分に見せるしぐさや表情がとても可愛らしい。



 彼女の体調不良(生理痛)が原因で自分の家に泊まり、送ったついでにしずかの家に泊まり、で付き合う事になった。つい先日の11月の3連休の出来事だ。

 自分から告白するつもりだったが、看病を負い目に感じてほしくなくてまたの機会にしよう・・・なんて思っていたらしずかに先に告白されてしまった。

 結果、自分から「付き合って?」と言い直して返事をさせる形をとったが、情けない・・・と思った。



 この時、付き合う前だったが、キスは済ませた。

 ほんとはもっと先に進みたかったが、なんせ彼女は体調が悪かった。無理強いが出来ない。

 自分の家に泊めた時もしずかの家に泊まった時も文字通りの『添い寝』で留まった。俺はその時頑張った・・・我慢する事を・・・!



 抱き締めた時のふっくらと柔らかい体の感触やサラサラの髪、香り、甘える声 (と俺は思っている)を思い出したら、早くも会いたくなってしまった。



 早めに連絡しておくと当日でも飲みの誘いは受ける事が多い、と以前聞いていたが念の為『明日』にした。

 早くもがっつかれている、とは思われたくなかった。




 ********************


「急に誘って大丈夫だった?」

「うん、ちゃんと前日に連絡してくれたからむしろありがたかったよ。それに・・・」

「うん?」

「亮さんに会いたかったからお誘い嬉しかった。」

「!!!」

 めっちゃはにかんでる・・・・・・かわいい。



「おいしそー!!あ、これ前食べておいしかったやつだ。」

 メニューの写真を見てしずかが興奮している。

 今日は秩父宮ラグビー場と神宮球場の近くにある居酒屋に来ている。しずかが前に行った事があって、また行きたいと言ったのでこの店に決定した。


「北海道の食材を使った創作和食ってだけでもう、おいしい!ってわかるよな。」

「うん!」



 ホッケやとうきびとキタアカリのジャガバタコーン、枝豆、だし巻き卵を注文したら先に頼んでいたドリンクが運ばれてきた。

 俺はビール、しずかはレモンサワーだ。


「「かんぱーい」」


「ふふふ。」

「どした?」

「ジャケット納品したら関係終わっちゃうのかと思ってたからこうしてまた会えて嬉しいの。」

「俺もしずかと付き合えて嬉しいよ。」

 自分から言い出したのに俺の言葉を聞いてしずかが顔を赤らめた。

(照れてる様子もかわいいなあ)

 告白する直前しずかが急にデレ始めて以来、ちょいちょいデレる様になった。

 ビールを持つ手ごしに見える彼女は本来の自分のタイプとは真逆だ。スレンダーな美人系を好んでいたが、しずかはぽっちゃりのかわいい系だ。いや、微笑んだ程度だと美人に見えるから『かわいい』の評価は自分に見せる姿の為だ。



 スポーツバーで出会い、彼女が服を作れる事を偶然聞き、たまたまラフなジャケットをオーダーしようとしていたタイミングだったので思い切って彼女へオーダーする事にした。


 必然的に会う回数が増える。

 最初は、目も胸も尻も大きくエロい体だな、なんて失礼な事を思っていただけだったが、ジャケット作りを通して、時間を大切にする所や、意見をはっきりと言う芯の強さ、屈託のない笑顔にどんどん惹かれていった。


 正直自分は女性にモテる方だと思っている。愛想良く対応すれば向こうから近寄ってくる。彼女がいない時期もそんなに開かないくらい女性には困っていなかった。

 なので、好奇心で手に入れてみようか、としずかに軽くアプローチしてみたものの、自分に全く興味が向いていない事に気付いた時は愕然とした。


 彼女は俺が着ているオーダーメイドのスーツにしか興味がなかった。


「亮さん、今日のスーツも恰好良いね。三つ揃えもやっぱり作ってたんだ。」

 こんな風にスーツの事は良く褒めてくれる。スーツの事は、だ。


「スーツだけ?」

「え?亮さんも恰好良いよ。」

 面倒くさそうに言ったな・・・

 流れる様に出てくる言葉はきっと言い慣れている。

 大方、昔付き合った男にも似た様な事を言われ同じ対応をしていたのだろう。

 少し虚しくなった。


「既製のスーツだとやっぱり胸入らない?」

 普通の女性はこんな事聞かない。やはり服作りを知っているからなのだろう。

「入らない事はないけどパッツパツになるかも。」

「そっか、胸筋あるだけでも変わるんだねぇ。」


 体が衰えない程度にと筋トレをしているつもりだったが、他の男性より多少胸筋と腕が発達してしまった。

 せっかく恰好良く見える様になったし、わざわざ元の体型に戻す事はないかと筋トレを続けたので、既存のスーツでは見栄えが悪くなってしまった。

 その為数年前からスーツをオーダーする事になった。


 新入社員ならともかく、ある程度稼ぎも上がっている所だったので問題は無い。あと副収入もあるしな。

 自分の体に添う服がこんなに心地良いとは思わなかった。


 しずかに作ってもらったのはスーツではなくジャケットだけだ。裏地も無いので出番はかなり先だろう。




「あ、そうだ。今週の土日、空けといてね。」

 今日の本題だ。


「え、土曜日ラグビーだけど。終わってからで良い?」

 だし巻き卵を箸に取りながら彼女が答えた。


「また・・・いや、ごめん、うん。もちろん終わってからで良いよ。」

 しずかはラグビーが大好きだ。出会ったスポーツバーもラグビーを主に扱っているバーだった。


 ラグビー>亮なのが、納得いかないが、付き合う前からの彼女の趣味なのであまり口うるさく言えない。

 言わないと思うが、ラグビー行くのをやめさせたら、「じゃぁ別れる。」と言い出しかねないと思い、少し我慢している。

「会えない」じゃなく、その後会おうとしてくれているんだから、良しとしなくてはならない。



 胸筋を鍛えているから、傍から見れば亮も細マッチョな体格をしているのだが、彼女のしずかはそれよりもっと、それこそゴリラみたいな体格のマッチョが好きだ。


 以前一緒にラグビーの試合を観に行った時うっとりした目で選手を見ていたので、あのしずかは見たくない、と思いあれ以来一緒に試合を観に行っていない。


「一緒に行こうよ。」

「ううん、良いよ。楽しんできて?」

「せっかく観戦仲間出来たと思ったのに・・・」

「仲間じゃないでしょ?今は彼氏。」

「うん・・・」

 立場をわからせる為に敢えて彼氏と伝えたらまた照れてしまった。

 照れ、とデレの表情を見るのがたまらなく好きだ。



「土日って事は亮さん()に泊まり?」

「そうだよ、嫌?」

「嫌じゃないけど・・・」

 伏し目がちで返答に困っている。

 目的が明らかなので困惑しているのだろう。付き合うってなった時に「今度は添い寝じゃ済まないから。」と言った事も覚えている為の反応だと思う。


「試合終わった後観戦仲間のおじさん達と軽く飲みがあるから行けるのは19時過ぎちゃうかも。」

「おじさんだけ?」

 おじさんとは言え男だ。飲むと調子に乗るおっさんもいるから女性がしずかだけなら行かせたくない。


「ううん、(みどり)ちゃんも一緒。」

「みどりちゃん?」


「あ~、亮さんと一緒に観に行った時は翠ちゃんの推しチームが別会場で試合だったから会えなかったね、そう言えば。今度紹介するね。良く一緒に試合観るのは翠ちゃんだよ。」

「そうなんだ。」

 観戦仲間が男ばっかりだったらどうしようかと思っていた。

 今までの彼女に対して執着心は皆無だったが、しずかに対しては色々気になってしまう。




「そろそろ行こうか。」

「うん。」

 食事が済んだので、パーテーションがかかっている半個室から席を立とうとした彼女の頭を引き寄せて軽く唇に触れた。柔らかい。

「亮さんっ。ここお店だよ?」

 そう顔を赤くして亮を咎める。


「大丈夫。パーテーションあるし、一瞬だし。」

「もう・・・」



 反応が毎回初々しく土日を楽しみにしていた。



三つ揃え=いわゆるスリーピースです。ジャケット・ベスト・スラックスのセットの総称です。



初回は説明会でした!

R15で大丈夫なはず。

今後も配慮して投稿しますが、ヒヤヒヤします(;´∀`)

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