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部屋と宇宙ノミと私  作者: しいたけ零
9/11

(9)ノミと宅配便と私

 人類は掃除機と布団乾燥機を持っている。


 だが、しかし。


「だぁーっはっはっはっはっ!」


 人間の2次元創作を数珠土産(ずずみや)ハルミと一緒に見ているうちに覚えた悪役笑いを全miniたちの脳内に響かせ、©*@«(ピンハネ)は宣言した。


「大量殺戮兵器など、恐るるに(あら)ず! 我々のスーツの敵ではないわ……っ!」


「「「おーーーーっ!」」」


 そこここで、勝利の跳躍を決めるminiたち。

 彼らの大切な卵も掃除機で吸いとられてしまったが、もともと卵殻はスーツの素材になるほど、丈夫で耐熱性に優れたものである。

 きっとゴミ処理場あたりで孵化し、立派な戦士に育つに違いない。


「我らに失うものなど無し!」


「「「 Y  E  S  !!」」」


「さ あ 、 逆 襲 だ ……!」


「「「 Y E A A A A H !!」」」


 テンション高く跳び上がり、数珠土産(ずずみや) × 和樹の隠れリア充カップルと、気の毒な猫に襲いかかる。


「あっ、痛いッ……」 「うっ、痒いいー!」 「ニャーッ!」


 身体のあちこちをボリボリと掻くふたりと一匹を眺めつつ、©*@«(ピンハネ)は気分よくアクロバティック宙返りを披露した。


「はーっはっはっはっ! 苦しめ苦しめ……!」


「「ご立派です!」」 「「やりましたね!」」 各々0.1mmの脳内で、©*@«(ピンハネ)を誉め讃える部下たち。


「これで、¤*≅¶(パンチラ)様も浮かばれますね……!」


「……ああ、そうだな!」


 適当に調子を合わせつつ、©*@«(ピンハネ)は脳みその片隅でひっそりと思った。




 ――― すっかり、忘れていた。 ―――




 .:º*¿¤*§º*ゝ.:




 リア充寸前のカップル vs 新型ノミ ――― 人によってはどちらも撲滅対象にしかならないだろう2大勢力の戦いは、ついに、最終を迎えようとしていた。


「こんにちはー クロネコヤ○トでーす、あ、ハンコいりません!」


「こんにちはー 佐〇急便でーす、あ、ハンコいりません!」


「こんにちはー 〇帽でーす、あ、ハンコいりません!」


 ってワケで、ついに、ネット通販で買った各種殺虫剤が数珠土産(ずずみや)宅に届いたのである……!


和樹(かず)ちゃん……!」 「ハルちゃん……!」


 決意も新たに鼻と口をマスクで覆い、見つめあってうなずく、ふたり。


「「いざ、出陣……!」」


 手に思い思いの化学兵器を持ち、散布していく。


「必殺! スミス○ン粉剤!」


「ノミがいなくなるスプレー! ソープの香り!」


「奥義! バイオケ○カル……っ!」


「合体奥義※! ノミコロリ……っ!」


 ※ 実は全然、合体していません。あくまで全年齢対象なので悪しからずご了承ください。 ※


「はぁ、はぁ、はぁ……こんなに燃えたの、久しぶり……」


「ああ……最後まで……やりきったな……」


 殺虫剤を部屋中に散布し終え、はぁはぁと荒い息を吐きつつ、数珠土産(ずずみや)と和樹。

 汗ばんだ身体を抱きしめあい、お互いの健闘を讃える。


 さて、次はいよいよ。


「最 終 兵 器 だ …… !」


 汚部屋に置いて約3時間でノミ・ダニすっきり (当社調べ) 。


 その名は 『バル○ン』 である。



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― 新着の感想 ―
[一言] >合体奥義※! ノミコロリ……っ! しゃぁぁあ!!www >〇ルサン あれはね、あとが大変 ( ˘ω˘) 今は違うのかな?w
[一言] ※実は全然、合体していません。 誰も心配してなさそうな注釈にクスリとなりました^^ そして、来るか来るかと期待してたら、やっぱり来たバ〇サン! はたして、この戦いに終止符は打たれるのか!?
[一言] フオオオオオ!!!www 遂に最終決戦!!www 俄然盛り上がってきたあああ!!!www
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