アルカとロイド。
「ではまずお着替えしましょうか」
マイアがそう服を脱がしにかかった。
「はいばんざーい」
言われるままに両手をあげる。
えいっとワンピースが脱がされる。
「ああ、脇に内出血しちゃってますね、痛みますか? アルカ様」
そう胸の脇をさするマイア。
……大丈夫だ、マイア、だ。
「だいじょうぶだ、マイア」
「お薬をお持ちしましょうね」
と、ロッテ。
「お願いしますロッテ様、わたしはこのままお身体をお拭きしますね」
「ええ、お願い」
ロッテはそのまま薬を取りに退出した。マイアはフカフカのタオルでボクの? いや、アルカ様の身体を拭いている。
うう、くすぐったい。
……我慢しろ。すぐに終わる。
ぐねん、と胸の下も拭いてマイア、
「うつ伏せになってくださいね」
と、ベッドをはたいて。
ボクはそのままうつ伏せて。
あれ?
この感触、なんだか覚えがあるような。
ベッドに胸が当たる感触。ぎゅうっと潰れる感じ。
なんだか覚えがあるような気がする?
……ん?
なんだろう。アルカ様の記憶?
……んー、どうだろうな。
そのままマイアに背中おしり脚まで拭いてもらった所でロッテが戻って来た。
仰向けになって改めて身体をみると、あちこちに青あざが付いている。
……くそっ。勇者め、今度会ったらただじゃおかない。
ああ、でもアルカ様? 完全に負けてましたよね?
……口惜しいがな。
「さあ、お薬をお持ちしましたよ」
ロッテが持って来たのは澄んだ青色のハイポーション? なかなか高価でボクはまだ一回しか見たことのないお薬で。
あ、ひゃ!
マイアがそれを並々と手のひらに注ぎ、そのままボクの身体中に塗りたくった。
……我慢しろ? よ。
うう……。
そして。ボワんと身体が光ったと思うとあれだけ酷かった青あざが跡形もなく消えていた。
流石! ハイポーションの効き目って凄いんだ!
……そうだろうそうだろう。あのポーションにはあたしの魔力が込めてあるからな。
アルカ様って回復もできるの?
……う、いや、魔力はあたしのなのは間違いないって話。あたし自身は回復よりも攻撃が得意だからな。
あは。そっか。
なんだかアルカ様、かわいい。
……なんだと?
あは。ごめんなさいアルカ様。でも、なんだかアルカ様ってやっぱり、ね。
……まあ、いい。そうだな。これからよろしくな、ロイド。
はい。よろしくお願いします。アルカさま。