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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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17-1 学園からの呼び出し

皆様、あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


引き続きソージュ視点です。

1発目からあまり明るくない内容になってしまいました。

ジバンリン歴52年5月19日


Side ソージュ


朝、学園に行くと、他学年なのか今まで会ったことのない教師から呼び出しを受けた。

なんだろう。

先日のゴブリン騒動の時に休んだ分は申請が出されていたはずだし、他に特に問題は起こしていないはずなんだけど。


「ソージュ君だね。

聞いたところによると君は今学園ダンジョンの46階に行っているそうだな」

「はい」

「他の学生の協力を受けて途中の階層を飛ばしたとも聞いたが間違いないかね」


うーん、45階層にリーンさんを助けに行ったときは、ケイとミラさんの協力を受けたし、45階の攻略にはリーンさんの協力を受けたのは間違いない。


「はい、間違いありません。

あの……それが何か」

「何か、じゃない。

そんな不正が罷り通ると思っているのか」

「不正だったのですか?」

「当たり前だ。

実力も伴わない者が、他人の力で本来ありえない成果を上げている。

これを不正と言わずになんだというのだ」

「はぁ」


世渡り上手って言ったら怒られるかな。怒られるんだろうな。

あ、これって一昨日リーンさんが言ってた学生会長が絡んでるんだろうか。

ただ、そんないつも通りの顔をしていたのが悪かったんだろう。

教師の顔が憤っていた。


「まったく反省していないようだな。

いいか。どうやってリーン君に取り入ったかは知らないが、このままでは彼女を含め何らかの処分を行わないといけなくなる。

それは君も本望ではないだろう」

「そう、ですね」


なぜリーンさんまで処分の対象になるのかはさっぱり分からないけど、リーンさんに迷惑が掛かるのは避けないとね。

その為にも、今回の件が不正じゃないことを証明しないと。


「追って沙汰は出すが、まずは君のダンジョンへの出入りは禁止だ」

「あの」

「なんだ。話は以上だ。講義室に戻りたまえ」

「いえ、先ほどのお話で1点間違いがありましたので、その間違いを証明すると共にこの話を白紙に戻す機会を下さい」

「間違い?先ほど自分で認めたばかりじゃないか。何を言っているんだ」

「先ほど認めたのは、46階層に行くのに他の人の協力を受けた、というところだけです。

実力を伴わないのに他人の力であり得ない成果を上げた、というところは別です。

つまりは1階層から46階層に行ける実力があればよろしいのですよね」

「まあ、そうだな。

だが無理なのだろう。だからリーン君の力を借りて46階層に行っているのだろう」

「ああ、そこから誤解があるのですね。

僕は45階層に向かうのにリーンさんの力は借りていません。

そもそも46階層に行くメリットって、敵の強さがちょうど良いことだけですし」


僕としては、蟷螂の連続斬撃を捌きながら矢のように飛んでくる蜂の一撃をかわし続ける、それが

良い鍛錬になりそうだったから今後も通いたいだけだ。

学園にとって深い階層に潜ることがどんな価値があるのかなんて知らないし興味もない。

だから学園ダンジョンの出入り禁止になるのも実はたいした問題ではないんだよね。

唯一、リーンさんにも問題が波及することだけがネックだ。


「ですから、一度1階層から入り直して46階層まで走り抜けて見せましょう。

何か僕が不正を犯さずに各階層を通ったことを証明する方法はありますか?」

「……本当にやる気なのか。

Aランク以上に渡している個人専用の帰還魔道具には通った階層情報を記録する機能があるからそれを使えば大丈夫だが。

今の2年Sランクのエラーザ君も1年かけて35階層だというのに」

「では、まずは今週1週間の成果を見て、行けそうかどうかを見て頂くということで如何でしょうか」

「……分かった。魔道具はダンジョン受付に連絡をしておくので受け取っていくように。

いつから行くかね」

「では今日の午後から始めます」

「そうか。だが無理はするなよ。私も別に無理に罰すると言っている訳ではないからな」

「はい、ありがとうございます。では失礼します」


さてと、ちょっと面倒だけど、これも良い訓練になると思っておこう。

ただ、リーンさんが聞いたら怒りそうだな。



エラーザ学生会長

「1年のソージュという生徒が上級生の力を借りて46階層に行っていると聞きました。

実力の伴っていない階層に行かせていては、いつ一緒に居る生徒も危険に巻き込まれるか分からないですし、止めるべきではないでしょうか」

という直談判をしに行ったとかなんとか。


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