3-2 入学試験1日目 基礎能力テスト
よろしくお願いします。
いつの間にかブックマークと評価を頂けている。
ありがとうございます!!
騒動が収まったのを見て、周りの人達も解散していった。
そんな中、件の獣人の2人が僕の方に挨拶をしてきてくれた。
「先程は助けに出てくれてありがとう」
「ありがとうございます」
「いえ、僕は何もしていないですよ」
「俺はケイ。こっちは幼馴染のミラだ」
「ミラと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「僕はソージュです、よろしく」
挨拶をしながら握手を交わす。
「っと、余りここで長話も出来ないか。急ぎ試験会場に向かうとしよう」
「うん。ケイとミラさんも頑張ってね」
「はい。ソージュ様もご健闘をお祈りしております」
そう言ってお互いの試験会場に別れる。
僕の試験会場は第10講義室だ。
講義室は100人くらいは入れる広さだ。
実際に入学したらここで講義を受けられるのだろう。
「えっと、10-Dは、ここか」
指定された席で待っていると、試験官と思われる人が入室して試験用紙と筆記具を配っていく。
すごい、ちゃんとした白い紙だ。
「チャイムと同時に試験を始めてください。
無いとは思いますが、カンニングなどの不正行為が見つかった場合、即時失格となります」
キーン コーン カーン コーン♪
その音と同時に一斉に問題用紙を広げる。
えっと、名前を書いてっと。
『第一問:現在確認されている種族について、知っているものを列挙せよ』
えっと、大地人、エルフ族、蜥蜴族、森犬族、森狐族……
と、書ききれないや。
『第二問:第1問で回答した種族のうち、1つについて、その詳細を述べよ』
う、どれにしよう。エルフ族でいいかな。
「エルフ族:多くは大陸南西のエルフの森にて集落を構え……」
……
…………
………………
『第五十問:本学園は誰の力で創設されたか答えよ』
これは、確かこっちだよね。
「大陸に生きる全ての力によるもの」
残り時間は15分か。
記述問題について追記しておくかな。
キーン コーン カーン コーン♪
「そこまで。各自解答用紙を裏返し、一番左の人から順に右の人に渡し、受け取った人は自分の分を上に重ねて、右の人に渡していってください。
この後は基礎体力に移ります。動きやすい格好に着替え、準備の出来た人から第一運動場に移動してください。更衣室の場所は……」
動きやすい格好って、僕は普段からこの格好だからこのままで良いよね。
言われたとおり第一運動場に向かうと、そこにはまだ3人しか来ていなかった。
一人は試験官の先生みたいだ。あとの2人は。
「あ、ケイとミラさん。早いね」
「む、ソージュか。お前もそのまま来たんだな」
「まあ、見ての通り普段からこの格好で動き回っているからね」
「私達も実戦に出る際にはこの上に武具をつけるのみです」
なるほど。確かに2人とも実用的な格好だ。
と、そこで試験官の人が声を掛けてきた。
「よし、今年直ぐに移動してきた受験者は君達3人だけのようだ。
先に君達の試験を始めよう。といってもやることは単純、ずばり持久力テストだ。
君達にはこれからこの運動場を一番外側の線に沿って走ってもらう。
ただし、1周する度に、そこに置いてある錘の入った袋を1つ追加していく。
制限時間は1時間だ。また、もう無理だと思ったところで申告してくれても構わない。
最終的な錘の数で判定させてもらう。
それでは位置について。よーい、スタート!」
その掛け声に合わせて僕達は走り始めた。
最初は3人並んで走っていたけど、ペース的には、ミラさん ≦ ケイ < 僕になるようだ。
「ソージュ。俺達に気を遣わずに先に行くといい。俺達は俺達のペースで行く」
「うん。分かった」
さて、1時間くらいなら全力疾走でも余裕だよね。
……そして1時間後。
「よし、君達はそこまでだ。
えっと、ミラさんが7個。ケイ君が10個。ソージュ君は……32個か。
これで今日の試験は終了だ。
明日と明後日の2日間で剣術試験と魔術試験を行う。
時間帯については正面口に張り出してあるから確認してから帰ってくれ」
「「「はい、ありがとうございました」」」
そうして僕達の試験1日目は終わった。
1日目は結構いい成績なんじゃないかな。
ただ、問題は明日以降だ。
基礎という意味ではソージュは英才教育に近いスパルタ教育を受けて育っています。
公正を期すために、試験官は試験結果についてはまだ何も言いません。
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無事に1日目を終えたソージュ達。
問題は2日目、3日目の科目だ。
次回:入学試験2日目 剣術テスト