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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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15-2 ダンジョンに行こう

よろしくお願いします。


ダンジョンの内容、どうしようかと考えてましたが、ひとまずここに落ち着きました。

放課後になり、ダンジョン前に集合した私とそーくん。

そのそーくんの左腕には、以前の負荷魔道具とはまた違う何かが装着されていた。


「そーくん。その左腕のそれは何?」

「え、ああ。これは最新式の魔道具です。

今までの負荷も数段向上させつつ、籠手としての防御力も備えた逸品らしいですよ」

「はあ、あの先生もどこを目指しているのか謎よね」

「まあまあ。僕としては良い鍛錬になるからありがたいですよ。

さ、それより早速ダンジョンに行くとしましょう」

「そうね」


受付で帰還用の魔道具を受け取って、ダンジョン入口にある転移陣に向かう。

この転移陣を使うことで、今まで向こうから開通させた転移陣のところまで飛べる。


「何階層に行こうか?」

「一番深いところでいいんじゃないですか?」

「えっと、それって46階だけど、大丈夫かな」

「まあ、無理だったら逃げ帰ってきましょう」




そんな軽いノリで私達は学園ダンジョン46階層にやってきた。

そこは、見渡す限りの草原。気温は初夏くらいで暑すぎず過ごし易い。

空を見上げれば、青空の中に所々に雲が見える。


「ダンジョンの中だなんて、信じられない光景ですね」

「うん、私も何も知らずにここに連れて来られたら、外だって思っちゃうかな。

ダンジョンの中なのに空があるし、太陽まであるしね」


この学園ダンジョンは5ないし10階層ごとにテーマ?が異なる。

45階層は砂漠だったから、きっと41~45階層が砂漠フィールドだったんだと思う。

私が以前踏破していた28階層はジャングルだったし。

ダンジョンを誰が作ったのかは分からないけど、ここに潜るだけでありとあらゆる環境を体験できるみたい。


「さて、問題はどんな魔物がいるか、なんだけど」

「……いませんね。

あ、いや。あれがそうでしょうか」


そーくんが指差した先。

そこには黒い雲みたいなのが、地上2mくらいのところを浮かんでいた。

ううん。浮かんでるんじゃなくて飛んでるんだわ。


「そーくん。あれは虫の大群みたいよ」

「ですね。そしてこっちに気付いたみたいですよ」


言いながらアイテム袋から木剣を取り出したそーくんが、一歩前に出ながら群れから離れて飛んできた1匹を叩き落した。


「これは、蜂?」

「蜂ですね。全長10センチの。

そして今の1匹は偵察だったみたいですね。

一気に来ましたよ!」

「きゃっ」


咄嗟に魔法壁を展開して自分とそーくんを守る。

蜂の魔物は1匹1匹はそれほど強くは無いみたいで、次々と魔法壁に体当たりをしてくるけど突破される心配はなさそう。


「ふぅ。ひとまずこれで安心だけど、これじゃ身動き取れないね」

「ええ。でも蜂の魔物で良かったですね」

「え、なんで?」

「だってリーンさんの魔法と相性が良いじゃないですか」

「??」


私の魔法って言うと、氷雪系の魔法よね。

蜂に良く効くのかしら。


「ものは試しで、この一帯の気温をぐっと下げてみて貰っても良いですか?」

「分かったわ。『氷雪大地(ツンドラ)』」


私を中心に気温が下がっていく。

すると、目に見えて魔物の動きが鈍って、ついには力なく墜落していく。


「え、こんなに簡単に倒せるの?」

「こいつらに蜂の性質が残ってて良かったですね。

蜂って急激な気温の変動に弱いんですよ。

両親と蜂蜜取りをしに行った時は、蜂の巣を一度凍らせて、巣にいる蜂を永眠させてから巣を回収するって事を良くやってました」

「なるほどね」


今までは1匹1匹、氷の礫を当てて倒していたから、数が多い虫系の魔物って苦手だったんだけど、こういう戦い方もあったのね。

それにこれなら。


「そーくん。私はここで魔力制御の特訓をしようと思うんだけどいいかな。

こうして広範囲に作用させ続ける魔法って魔力運用の良い練習になりそうなの」

「はい。僕も当分ここでトレーニングで良さそうです。

蜂もそうですけど、他にも良い特訓相手がいるみたいですし」


そう言って魔法壁の外に出るそーくんの視線の先。

私にはまだ何がいるのか分からないんだけど、そーくんには何かが見えているみたい。



蜂って繊細な生き物らしいです。

ちなみにリアルで蜂の巣を凍らせて蜂蜜を採取する、なんて方法は取れません。今のところ。

巣ごと、そっと冷凍庫に入れれば出来るかな?出来たら薬で殺すことなく蜂の巣ゲットですね!!

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