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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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15-1 帰ってきた日常

よろしくお願いします。


ようやくリーンさん視点に帰ってきました。

そして前話までとの温度差が激しいのでご注意を。

ジバンリン暦52年5月16日


Side リーン


目を覚ますと天井が見える。

それとフカフカのベッドと窓から差し込む朝日を浴びると、ああ帰ってきたんだなって思う。


それにしても、この2日間はあまりにも濃厚だったなぁ。

最初街を出るときには、ちょっとデートのついでのお使い程度の気分だったのに、まさか災害級の事件に巻き込まれるとは思いもよらなかった。

学園に居る間には遭遇したことのない危機の連続だったし、改めて自分の魔力制御がまだまだなんだなって痛感させられた。

特に慌てた時の魔力のブレが酷かった。

それが改善出来れば、あの決闘まがいの場面でもゴブリンジェネラルに遅れを取らずに済んだかもしれない。


っと、準備して学園に行かないとね。

朝の支度をして寮を出る。

私の寮から学園までは歩いて10分ほど。

これもAランク以上の特権らしい。


「おはよう」

「あ、おはよう。リーンさん」


クラスメイトの女の子に挨拶をしながらいつもの席に向かう。

ん?さっき挨拶した子が別の子と一緒にこっちに来たわね。

何かあったかしら。


「ねえねえリーンさん。聞いたわよ。

昨日お休みしたかと思えば、実は災害級のクエストに参加してたんですって?」

「凄いわよねぇ。まだ学生だっていうのに。

これならこの学園初の冒険者ランクA生徒の誕生、なんてこともありえそうね!」


そうはしゃぎながら話しかけてくるふたり。

その声にクラス中がこっちを注目しているのが分かる。


「えっ、もしかして昨日の件ってもう噂になってるの?」

「もちろんよ。一昨日の夜から冒険者ギルドは上へ下への大騒動ですもの。

一応私も冒険者ギルドには登録しているし、Cランク以上向け緊急クエストとして発行されていたわよ」


あ、なるほど。それなら知られていても不思議ではないわね。

ただ1つ付け加えるとしたら。


「元は私というより、1年のソージュ君が発行したクエストよ。

向こうでも私よりも彼の方が活躍していたのよ」


そういうと、2人はきょとんとした後笑い出した。


「またまたぁ」

「ソージュ君ってあれでしょ?

リーンさんお気に入りの男の子。

でも彼って剣も魔法も使えない学園Eランクなんでしょ。

そんな子が災害級クエストで役に立つわけ無いって」

「そうそう。まあリーンさんが彼を応援したいって気持ちは分からなくは無いけどね」

「むぅ」


そうなんだよね。

これが学園でのそーくんの評価なんだよね。

前の事件をきっかけに表立って悪口を聞くことは少なくなったけど、やっぱりキチンと評価してほしいなって思うのよね。

その辺り、そーくん自身はどう考えているんだろう。

今日のお昼休みにでも聞いてみようかな。


……


「僕のEランクの評価、ですか。

別に気にしなくても良いですよ。

多少ランクが上がっても、剣術や魔術の講義が受けられるようになるくらいしかメリットは無いですし」


お弁当を食べながら極々あっさりと、そーくんは答える。


「うーん、そう言われるとそうなんだけどね。

でもやっぱり私としては、そーくんの凄いところを皆に知って貰いたいというか」

「僕はリーンさんやケイ達が分かってくれてるだけで十分満足ですよ。

それにほら。万が一、僕が凄いってなって皆からちやほやされたら、こうしてリーンさんとゆっくりご飯が食べられなくなるかも知れませんよ」

「そ、それは嫌!」

「ふふっ。なので僕は今のままで良いですよ。

それより今日の放課後からダンジョンに潜ろうかと思うんですけど、予定はどうですか?」

「うん、大丈夫よ。よし、そうと決まれば栄養摂っておかないとね」


そう言って私はそーくんお手製のミートボールにフォークを突き刺した。



事件が無ければ学生はこれくらいまったりしているものですよね。

時々、学園=お昼休み になって来てる気がしますが、学園なんてお昼休みくらいしか楽しみないですよね(おい)


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