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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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14-C 防衛戦と新たな決意

よろしくお願いします。


ミラさん視点で前回の続きになります。

Side ミラ


ソージュ様の救援要請を受けて村にたどり着いた時、

ゴブリンの大軍を魔法壁『ウォール』で食い止めている冒険者の方々がいました。


(流石、熟練の技という所ですね)


広範囲に展開された魔法壁。高さ2メートル、幅は100メートル近い半円。

私であれば1時間と持たないであろうそれを、数人掛りとはいえ魔力効率を高め強度を調整することで4時間も保たせられると言う。


「ミラ、上から行くぞ!」

「っ、はい!!」


考察を行っていた頭を切り替え、魔弾の魔力を練り上げる。

更に跳躍で魔法壁を飛び越えるケイ様の後に続いて跳ぶ。

今の私達が跳躍を行えば、その頂点は4メートル程に達する。

上昇が止まる寸前。

私は眼下を睨み付け、弾弓を構える。

狙うはゴブリンファイターやコマンダーなど、通常のゴブリンより頭ふたつみっつ飛び出している個体。


「やぁっ!」


ひゅんひゅんひゅんひゅんっ


連続で打ち出した4発は見事頭に命中したものの、即死させられたのは2匹だけ。

私もまだまだ魔力の収束が甘いですね。

落下先の地上には、先に降りたケイ様が空間を作ってくださっている。

ありがとうございます。


「続けて行くぞ」

「はい」


さらに跳躍と射撃を3度繰り返す。

さすがのゴブリンも、これを受けてこちらを危険視したようで、一部が標的を村から私達に切り替えたようだ。

これで魔法壁への負担も大きく下がるだろう。


「ケイ様。私達を狙い出したゴブリンを引き連れて、撹乱を行いましょう」

「そうだな。ならば俺が道を作る。ミラは露払いを頼む」

「お任せを。ケイ様の後ろは私がお守り致します」


ケイ様が防衛用の平盾から突撃用の盾へと切り替え、突撃を開始する。

その後ろにピタリと付いて行きながら、両サイドを短刀で切り裂き牽制していく。


そうして、西へ東へ何度か駆け抜けた頃。

空に魔法弾が打ち上げられた。

あれは、確か撤退の合図ですね。

魔法壁は……まだ無事のようです。

ならば援軍が到着したから退けということでしょうか。


「はぁ、はぁ、はぁ。ケイ様、信号弾が。一度戻り体勢を整えましょう」

「ふぅ、はぁ。ああ、分かった。東側から離脱するぞ」


私達は応答の魔法弾を上空に打ち上げ、戦場を大回りして村に戻りました。

そこには30人からなる冒険者達が防衛線を張っていた。

無事に救援が間に合ったようです。


「おう、無事に戻ったか。よかった。

お前達が奴らを撹乱してくれたお陰で何とか持ち堪えれた。礼を言う」


そう言って水筒を渡してくれるのは、魔法壁を張っていた冒険者たち。

その方々と一緒に一時後ろに下がって休息と治療を行います。


「そういえば、私達が来る前に居たという冒険者は、ソージュ様とリーン様でしょうか」

「ああ、確かそう名乗っていたな。やっぱり知り合いだったか」

「はい。それでお2人は今どちらに居られるか分かりますか?」

「恐らくは南の山だ。元々はあそこでゴブリンが大量発生したのがきっかけだったからな。

ゴブリンキングが居るならそこだろうと言って、敵の遊撃部隊を倒しながら向かっていったはずだ。

無事ならこの襲撃が始まる頃には戻れるって話だが、何かあったのか、遅れているだけなのか」

「ふむ、ひとまず連絡を取ってみるか」


ケイ様が懐から共鳴石を取り出して、ソージュ様に連絡を取ろうとした時。

ゴブリン達の後方が騒がしくなった。

ああ、あれは恐らくソージュ様達が来られたのでしょう。


「ふむ。来たようだな」

「はい。そのようですね」


そこからは防衛に回っていた冒険者の方々も一気に攻勢に出て、無事にゴブリンの殲滅に成功しました。

そして向こうから来るのはソージュ様とリーン様ですね。

おふたりとも傷だらけの酷い姿でした。

相当な激戦を繰り広げて来られたのでしょう。


お互いの健闘を称え合った後、おふたりには先に戻って休んで頂くことにしました。

私達もかなり疲労が溜まっていましたが、それでもソージュ様達が為したことを見ておくべきだと見ておくべきだと思い、ケイ様と共に村の西へと向かいました。


「……これを、ソージュ1人でやったというのか」

「……いずれも急所を一突きするか、首の骨を折るかして倒しておりますね」


そこには100匹近いゴブリンコマンダーの死体が残されていました。


「……ミラ。お前ならこれと同じことが出来ると思うか?」

「いいえ。ケイ様に守って頂いてなんとか、といったところでしょうか」

「俺もだ。ミラの援護なしでは押し潰されるだろう」


悔しいという思いが無いと言ったら嘘になりますが、それよりも、私達も早くその高みに行くのだという決意が漲ります。


「戻ったら特訓だな」

「はい。お供いたします」


それから南の山にも向かってみましたが、そちらでは特に収穫はありませんでした。

なので私達も後のことは応援に来てくださった皆様に任せて学園へと戻ることに致します。



ケイとミラさんはふたりでひとつって感じで活動しています。

ソージュ達が回避盾と魔法なら、ケイ達は壁盾と弓という配役。

その内突撃アタッカーが増える予定です(3章かなぁ)。

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