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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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14-7 合流そして

よろしくお願いします。

Side ソージュ


『そーくん』


僕は全力で森を走っていた。

あの男に三度切りかかられた時、咄嗟に腕でガードしたお陰で助かった。

と言うのも両手に付けていた負荷魔道具。

あれが防具の代わりになって、ちょっと深めに切られた程度で済んだ。

更には魔道具が故障してくれたので、一気に体が軽くなって逃げきれた。


『そーくん、お願い』


共鳴石は作動していないのに、リーンさんの声が聞こえる。

酷く悲痛な声だ。急がないと。


『お願い、来ないで(たすけて)


はい、今行きます。

だからそれまで耐えてください!

走りながらアイテム袋から拳大の魔石を取り出して自分の血を塗り付ける。


見えた!!

僕の視線の先では、ちょうどゴブリンジェネラルに掴みかかられようとしているリーンさんが居た。

やらせるか!

僕は走る勢いそのままに、手に持っていた魔石を全力で投げる。


ヒュッ、ドカッ!!


魔石は内包した魔力を爆発させて、ゴブリンジェネラルの頭を吹き飛ばした。


「遅くなりました、リーンさん」

「そーくん」


良かった。

かなり疲弊しているみたいだけど、命に別状は無さそうだ。

僕は奥に居るゴブリンキングに一度だけ視線を送ってから、目の前のもう一匹のゴブリンジェネラルに向き直る。


「さて、よくも僕のリーンさんを傷つけてくれたな。

落とし前はきっちりつけて貰おうか」

「ガルゥ。ウガァ!!」


ゴブリンジェネラル……長いな。ゴブリンGでいいや。

ゴブリンGが放ってくる右ストレートを右前方に一歩踏み出して交わす。

さらに掴みかかろうとしてきた左手の手首を払いつつ脇を掻い潜って後ろに回り込みつつ、逆に首と左肘を捕まえて引き落とすようにして体勢を崩させる。

そうするとGはぐるっと回るようにして倒れてくるので、すかさず脇に一撃入れつつ投げ飛ばす。


「ゴガッ」


体格的に二周り大きいGが宙を舞う。

そして頭から投げ落とされた所に首筋への一撃を入れて息の根を止める。


「ふぅ」

「す、すごい」

「まぁ格闘技は小さいころから父に教え込まれて来ましたから」


感心してくれるリーンさんに答えつつ、ゴブリンキングを見る。


「トンダジャマガハイッタモノダ」

「キョウザダナ、マッタク」


そう言って見物を止めて、立ち上がるキング2匹。

さて、どうしようか。

流石にキングはGのようにはいかないだろう。

それにリーンさんを守りながらと考えると2匹同時は厳しい。

あ、昔本で読んだあれが使えるかも。

僕はさも何でもない風にキング達に話しかけた。


「なあ、ゴブリンキングって言うのはゴブリンの王様だよな」

「ア"、ナニヲイッテイル」

「アタリマエダ」

「じゃあさ」


そう口にして2匹を交互に指差す。


「どっちの方が偉いんだ?」

「ナンダソンナコト」

「キマッテルダロ」

「「オレサマダ!!」」


顔を見合わせるキング2匹。


「オイ、バカイッテンジャネエ」

「オマエコソ」


にらみ合う2匹。

うん、馬鹿でよかった。

ならもう一息爆弾を投下してみようかな。


「どっちの方が強いんだろうね」

「「オレサマダ。ア"ア"ッ!!」」


手四つに掴み合って、額をぶつけ合う2匹。

よし、完全に僕らが意識の外に出たね。

それを見計らって、僕はリーンさんに近づく。


「リーンさん、動けますか?」

「うん、何とかね。でも、ごめんなさい。

魔力も底をついてるし、今の私じゃ戦力にならないかも」

「大丈夫です。さあ、なら立って。

あいつらが喧嘩している内に、気付かれないように逃げますよ」

「って、逃げるの!?」

「しー、ほら行きますよ」

「う、うん」


リーンさんに手を貸して、そっとその場を離れる。

広場から森に入った後は急いで走りぬける。


後ろから怒鳴り声が聞こえてきた。

きっと僕らが居なくなったことに気が付かれたな。


「そーくん、村まで逃げ切れる?」

「いえ、それだと村が壊滅して終わりです。

それより、ここに来る間にいい場所を見つけたので、そこで迎え撃ちます」


そうして僕達は後ろから追ってくるゴブリン達の足音を聞きながら、走り続けた。



ソージュの使った投げ技は、合気道の入り身投げのようなものです。

そして助けに来たと思ったら逃げ出す主人公。


さて、ゴブリンキング2匹をどうやって倒すのか。

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