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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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14-5 リーン襲撃

よろしくお願いします。


学園が恋しい今日この頃

「ゴブリンを倒したら彼と学園に戻るんだ」

とフラグってみる。


「それで『あの人』について教えてもらえるかしら」


私は足を氷で釘付けにされた男達に声を掛ける。


「ば、化け物かあんた!」

「ひぃぃ!し、しらねえよ」

「た、助けてくれ!!」

「イタイイタイイタイッ!」


はぁ。これで本当に冒険者なのかしら。

魔法に対する耐性が全く無いし、痛みや恐怖に対する耐性も無いのね。

足止めにと思って撃ったアイスニードルで、文字通り釘付けになっちゃったし。

でも、さっきの発言といい、容赦する必要はないわよね。


「もう一度聞くわ。

『あの人』について知っていることを話なさい」

「し、知らねえんだよ。一昨日村でばったり会っただけなんだ。

その時に、他の冒険者に絡んで追い返して欲しいって金を渡されただけなんだ」


なにその怪しい依頼。

これから犯罪を犯しますよって言ってるようなものじゃない。

私なら幾ら積まれても、受けないわね、そんな話。


「その男の見た目は?」

「身長180センチくらいの細身の男だ。

黒髪に黒服で真っ黒だった。それしかわからねえ。

なぁいいだろ。正直に答えたんだ。助けてくれよ」

「……そうね。これ以上聞いても無駄みたいね」


私は質問するのを止めて、南の山を見上げる。

ゴブリンだけでも大変なのに、更に危険そうな人物がいるのね。

今の状態で会うのは危険か。

出会わずに済めば良いんだけど。


「な、おい。頼むよ。

この氷何とかしてくれよ」

「安心して。その氷は1時間もすれば溶けて消えるわ。

村もすぐそこだし、冒険者なら自力で何とかすることね」

「あ、おい。待ってくれ!」



喚く男達を無視して、私は再び南へと移動を再開する。

彼らの面倒は『呼び寄せ(・・・・)の鈴』に呼ばれたゴブリン達に任せましょう。

上手くすれば村に行くゴブリンの1割くらいは逸れてくれるかもしれないし。


さて、とんだ足止めを食っちゃった。

そーくんはもう山に入っているだろうか。

と、ちょうどその時、そーくんから連絡が入った。

良かった。そーくんの方も大丈夫そうね。



山の手前の森に入ると、ゴブリンとの遭遇頻度が上がった。

時間と体力を温存したいから、気付かれずにいける場合はスルーするけど、所々にいるゴブリンスカウトには見つかってしまう。


「ゲギャギャ!!」

「ギャッギャッ!」


スカウトは敵を見つけたら仲間を呼ぶ習性がある。

気が付けば近くにいたゴブリンファイターが5匹集まってきていた。


「魔力は極力温存しないとね」


ここから先、ファイターやコマンダーくらいは身体強化と武器エンチャントで乗り切ろう。

そう思って剣を抜き飛び掛る。

まずはスカウトを倒す!


「やぁっ!」

「グギ……ギ?」


私の一撃が見事スカウトの首筋を切り裂く。

傷口は血を噴出すことなく凍り付き、その周りまで凍りつかせて絶命させる。


「はっ」


続けざまにファイター達を仕留めていく。

ふぅ。極力騒がれる前に倒してみたけど、増援は……大丈夫ね。

なら先を急ぎましょう。



さてと。

山間部に辿り着いたんだけど、変ね。

この辺りだと思うんだけど、さっきからゴブリンの姿を全然見かけなくなった。

もしかして入れ違いになった?

もしくは、行き過ぎたのか。いえ、それだと全然見かけない理由にはならないわね。

そうして探索を続けると、開けた場所を見つけた。

幾つか木の枝を利用した掘っ立て小屋っぽい物も見える。


(あそこがゴブリン達のコロニーかしら)


調査を開始する前に、そーくんに連絡ね。


『そーくん』

『……』

『聞こえる?そーくん』

『……』


あれ?

返事が無い。

もしかして、なにかあったのかな。


……ッ!?

後ろから強烈な殺気を背後に感じて、慌てて前に飛び出しつつ、後ろを振り返る。

って、うそ。囲まれてる!?


後ろに居たのはゴブリンコマンダー、いえ、更に上位のジェネラルが2匹。

左右にもスカウト、ファイター、コマンダーが数匹ずつと勢ぞろいだ。

まさか誘い込まれたのね。

そして最悪なことに、広場の奥から巨大な影が出てきた。


「……うそ、でしょ」

「グガガ。マッテイレバ、エモノガクルトイワレテイタガ」

「グフフ。ナルホド、イキノヨサソウナメスダ」


出てきたのはゴブリンキング。それも2匹。

疲弊した今の状態じゃ、勝てる見込みは無いかもしれない。


(……そーくん)


前半と後半の落差が激しい。

どこかのヒロインが1対1なら勝てるなんて言うから2匹に増えたゴブリンキング。

なお、ナンパ冒険者チームは騙されて持たされた鈴のお陰で、ゴブリンに美味しく召し上がられています。

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