表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
69/270

13-5 意見交換

よろしくお願いします。


しまった、この期におよんで突然童話などを書いていたために夜が間に合わないかも。

https://ncode.syosetu.com/n6160fe/


というか、イチャラブがどんどん遠ざかっていく。

村に戻ると、別方向から一戦終えたらしい冒険者のおじさん達が見えた。


「おう、その様子だと問題なく片付いたみたいだな」

「はい。そちらにも襲撃があったんですね」

「まあな。ま、詳しくは飯でも食いながら話そう」

「そうですね」


連れ立って先程の酒場へと入っていく。


「お、おかえりなさい。

お怪我はありませんか?」

「ええ、大丈夫です」

「すぐに食事をお持ちします」

「お願いします」


酒場のマスターに食事を頼んでテーブルに着く。

全員が座ったのを見て、向こうのリーダーが話始めた。


「改めて『大地の牙』のリーダーをやってるグルンだ。

単刀直入に聞くが、どう思う?」

「少なすぎ、ですね」

「え?」


あれで少なすぎ?

そーくん、どういうこと?


「やっぱりそう思うか」

「はぁ?」


グルンさんもそーくんとどう意見みたいだけど、他の人は驚いてる。


「ねぇ、そーくん。

私たちの方だけでも200匹以上居たよね。あれで少なかったの?」

「うん。

ゴブリンが200匹も居たら1割の20匹位は、上位のゴブリンファイターとかが居てもおかしくないですよね。

でもあの場に居たのは、ゴブリンファイターとコマンダーが1匹ずつだけでした」

「俺達の方もだ。ゴブリンが50匹も居たのに、ファイターが1匹。これはどう考えてもおかしい」


なるほど。

言われてみれば、以前ゴブリンの巣を殲滅するクエストを受けた時は1ランク2ランク上位のゴブリンがそれなりの数居たわね。


「ということは、今回の襲撃って……」

「うん。小手調べか、もしくは」

「一回攻めて『これだけ倒したんだから次は当分先だろう』と油断させておいてドカンと襲撃してくるか、だな。

早ければ今夜、夜明け前って所か」

「そうですね」


そーくんと、グルンさんでまるで答え合わせをしていくように話が進んでいく。

でも、ちょっと待ってほしい。


「ねぇ、相手はゴブリンよね。

ゴブリンってそんなに組織だって計画的に行動する魔物だっけ」


私の知ってるゴブリンってもっと散発的に活動するイメージが強い。

これじゃあまるで、どこかの軍隊を相手にしているようだわ。

私の投げかけた疑問に対して、そーくんもグルンさんも神妙な顔で頷いてくれる。


「そうだ、嬢ちゃん。

普通のゴブリンならこんな組織だった動きはしねえ。

かなり上級まで進化したゴブリンが居るのか、誰かが入れ知恵していやがる奴が居るのか。

ゴブリンキングが居たら俺達だけじゃ押し潰されて終わりだ。

むしろあっという間にここを突破して学園都市まで雪崩れ込む可能性だってありやがる。

だから、お前達ふたりは今すぐ村を出て学園都市に救援を呼んできてくれねえか」

「それは!」


私たちを逃がしてグルンさん達が犠牲になって魔物の足止めをするってこと!?

どうしよう。

確かにゴブリンキングが居るとしたら普通のゴブリンだけで1000は越える。

遊撃ならまだしも、村を守りながらははっきり言って無理だ。

でもこの人達を見捨てる選択もしたくない。

いっそのこと私たちでゴブリンキングを討てれば勝機はあるだろうか。


「そーくん」

「うん」


そーくんを見れば力強く頷いてくれた。


「グルンさん。

私たちで森に入って上位のゴブリン達を倒してきます。

上手く行けばゴブリンキングも。

だから私たちが戻って来るまで村をお願いします」

「いや待て。逸る気持ちは分かるが、みすみすお前達若者を犬死にさせるわけにはいかねえ。

ゴブリン200匹を倒した実力は認めるが、

ここは冒険者の先輩として、俺の意見を聞いてもらう」


そう言ってCランクの冒険者カードを見せてくれるグルンさん。

ギルドの規定で、緊急時には上位ランクの冒険者が指揮権を主張することが出来る。

でも。

私達もグルンさんに習って冒険者カードを出す。Bランクの。


「はっ?お前達Bランクなのか、その年で!

はぁ~マリアッジ学園ってのは凄げえな。

分かったよ。好きにしてくれ。

そうすると、俺らの中で誰が伝令に行くか決めないとな」

「それなんですけど、救援は既に頼んであります」


そーくんは胸元から共鳴石を取り出して見せる。


「学園の友人に頼んで、冒険者ギルドに掛け合ってもらえるようにお願いしました。

早ければ明日の昼頃には早馬で数十人が駆けつけてくれる筈です。

それまで、何とか耐えてください。

僕らは一旦村の東西に分かれて出ます。

リーンさんは東側をお願いします。

それでもしゴブリンの軍団が潜んでいた場合、赤い炎の魔法を空に打ち上げて合図をお願いします。

ゴブリンが見つからなければ白い光の魔法で。

グルンさん達はその炎の合図があった場合、村人を避難させてゴブリンの襲撃に備えてください。

僕らはその後、ゴブリンの居る居ないに関わらず、少し大回りしながら南に向って今回の首謀者を討ちに行きます。

村の南に布陣しているであろうゴブリン達に気付かれることなく行ければ御の字ですね」

「なるほど。お前たちで東西を蹴散らしてくれるなら、残りは南だけに集中出来るって訳だ」

「もちろん多少の討ち漏らしは出ると思いますので、油断はしないでくださいね」

「ああ、分かってるさ」

「じゃあ、リーンさん。行きましょうか。

グルンさん。ご武運を」

「ああ。これが終わったら学園都市に戻って盛大に打ち上げと行こうや」


私達は握手を交わして酒場を後にした。



ゴブリンの生態として、30匹くらいまでは通常ゴブリンのみ。

それ以上の大きな群れになる際に、上位のゴブリンファイターなどに進化する個体が出てきます。

ソージュとリーンさんの作戦は下のような形です。

(ゴ=ゴブリン)


ゴ ← 村 → ゴ

↓   ↑   ↓

↓   ゴ   ↓

↓       ↓

→ ゴ本陣 ←



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ