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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第2章:Sランクの私と彼
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13-2 これもデートの一種?

よろしくお願いします。


節の切り替わり以外は基本的に視点は前のままになります。

なので今回もリーンさん視点です。

放課後。

そーくんと2人で冒険者ギルドを訪れた。

今日はケイ君、ミラちゃんとは別行動だ。


掲示板を見ると常設の魔物討伐や素材採集依頼のほか、街の人達からの依頼も幾つか掲載されている。

去年までは、この街の人達からの依頼ってほとんど無かったんだよね。

前に受付の人に聞いたら「ソージュ様の活躍の成果です」って言われたわ。

その時は何のこと?って思ったけど、先月からそーくん達と活動していてよく分かった。


そーくんってば、行く先々で助けてしまうの。

自分では手が回らないところは、周りの人に協力してもらったり、ギルドに依頼を出したり。

ちなみに、そーくんの出す依頼は報酬額はかなり安めで、高くても安宿に1泊出来る程度。

その代わり、付帯事項に『○○店のランチ1回無料』とか『限定の○○サービス』とかが付いてるから、けっこう人気があるみたい。

それを見て街の人達も真似をし出したらしい。

結果として今まで接点の無かった街の人達が交流する機会が増えて、街の治安も良くなったらしい。


「それで、そーくん。今日はどんな依頼を受けるの?」

「うん。ブラッドベリーの採取は夜明け前がお勧めなんです。

なので、日暮れまでに終わるものか、森に向かいながら出来る依頼にしましょう。

という事なんですけど、何か良い依頼はありますか?」


そーくんは、私に答えた流れで、受付に声を掛けていた。


「いつもありがとうございます、ソージュ様。

そうですね……今若干急ぎの依頼としては、少し遠いのですが、南の山間部でゴブリンが増えており、駆除をお願いしたいというものがあります。

近隣の村に被害が出始めているのと、上位種も確認されていますので、もしかしたら大き目のコロニーが形成されている危険もあります。

このまま放置しますと、村が滅ぼされる危険もあるということで、既に何組かの冒険者様が被害の出ている村に向かわれています。

ですので、出来ましたらお2人にはコロニーの調査またはその殲滅をお願いしたいのですが如何でしょうか」


ゴブリンか。あいつらって何処からとも無く幾らでも沸いてくるのよね。

3ヶ月前にも1度、数を減らしに行ったのにまた増えたのね。

さて問題は。


「この距離だと日帰りって訳には行かないわね」

「そうですね。コロニーを見つけて殲滅するなら、まる2日は見た方が良いでしょうね」

「……あれ?」


おかしいな。私の目には片道で2日くらいの距離に見えるんだけど。

前に行った時もそれくらい掛かったよね。

その考えを肯定するように受付の人も助け舟を出してくれた。


「ソージュ様。こちら、近隣の村まで馬車で2日掛かります。

さらに山間部に入ってコロニーを見つけ殲滅するのに、規模にもよりますが、2日~4日は見た方が良いと思われます。

お受け頂けるのであれば、8日分の活動費を前払いでお渡し致します」


やっぱりそうよね。

ちなみに活動費を前払いしてくれるのはBランク冒険者の特権なの。

Bランク以上になるにはギルドとの信用関係も必要になるから、先払いでも持ち逃げされる心配は無いって事ね。


「うーむ、1週間以上学園を休むと学業に支障が出るので避けたいですね。

でも村の人が危険なら次の休みまでは待てないか。

リーンさん。

受けるとすると今週の講義を休むことになるんですけど、大丈夫ですか?」


ただ、受付の人の言葉を聞いても、そーくんの時間感覚は変わらなかったみたい。

……そーくんが行けるっていうなら、それを信じてみるしかないか。

そして、これはもうそーくんの中では行くことが確定してるっぽい。

なら私の答えも決まったも同然だ。


「ええ、大丈夫よ。

学園の方には申請を出しておけば特に問題もないし。

そんな訳で、学園への連絡をお願いしても良いかしら」

「はい、確かに承りました。

それではこちらが依頼書になります。

無事のお帰りをお待ちしております」


そうして連れ立って冒険者ギルドを後にする。

あ~あ、折角のブラッドベリー狩りがゴブリン狩りになっちゃった。それだけ心残りね。

そんな私の心の内を知ってか、そーくんがこう言った。


「さっさとゴブリンを倒して、帰りに沢山ブラッドベリーを採ってきましょうね」

「!!そうね。帰りはブラッドベリーね♪」



おっかしいな~気軽なデートを予定してたら、気軽なゴブリン退治に切り替わったぞ。


なお、学園側の制度として、ギルドの依頼などは申請を出せば課外実習として認められます。

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