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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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12-B 学園を守護するもの

よろしくお願いします。


閑話2話目。

今回は学園の世界樹の視点です。

ジバンリン暦52年


Side 学園の精霊


生まれは50年ちょっと前。

お母様、エルフの森の世界樹から株分けされてお父様の魔力で育ててもらった。

普通、私達自然界に生きる精霊って自然から魔力を吸って成長するの。

でも私は1年という短い間だったけど、お父様の魔力で満たされた空間で子供時代を過ごした。


そのお陰かな。

よく風の精霊には雰囲気が人間っぽいねって言われるの。

あ、お父様は人間っぽい人。見た目は大地人って呼ばれる種族と同じだから多分人間。

世界を救った勇者様だって呼ばれてたけど、お父様自身はその呼び方はちょっと嫌だったみたい。


お父様は世界を救った後、私をこの地に植えた。


『これからここに学園を創るから、ここに来た人たちが元気いっぱいに幸せを謳歌出来る様に見守ってあげて』


そう言っていたわ。

お父様はそれから忙しそうに走り回っていたから、なかなか会いに来てはくれなくなったけど、

それでも時々隙を見ては私のところに来てくれたわ。

その度に手を当てて凄い量の魔力を送ってくれたっけ。


それから20年は特に大きな問題もなく楽しい毎日を過ごしていたのだけど、ある時、お父様が来られてこう言ったの。


『遠くの世界からはるばる救いを求めてきた人たちが居るから、ちょっと言ってくるね』


そして次元転移魔法を発動させてどこかへと旅立って行ったわ。

それっきり、まだ帰ってきてはいないの。


ただ、それから10年くらいした後、この地にも大変な事が起きたの。

どこかでお父様が助けに来てくれるかもしれない、なんて期待もあったけど、みんなと話し合って、自分たちで解決に乗り出したの。

その結果、無事に何とか乗り切ったんだけど、ちょこっと世界が混ぜこぜになってしまったの。

とは言っても、ほとんどの人が気が付いていないみたいなんだけど。

でもま、これはこれで楽しいから良いわよね。


そうして気が付けば20年くらいが過ぎてたわ。

もう私の事を知っている人は数える程ね。

でも良いの。

世界樹っていうのはその地に生きる者たちを優しく見守ってあげる存在なんだよって、お母さまも言ってたから。

いつかはこの学園に来る人たちを私の子供って思える日が来るのかな。




3月10日


「リーンリーン♪ (こんにちは~~♪)」


あら、めずらしい。

私と同じ種族の精霊()が来たのね。

しかもこの感じ。

懐かしいお母様とお父様の匂いがするわ。


「チリンチリン♪(こんにちは、あなたはどこから来たの?)」

「(私はジル。マスターのソージュ様を守護する精霊武器なの)」

「(そう。あら?あなたのマスターは魔力が無いのね)」

「(うん。だから普段はマスターの中に居るの)」

「(なら今度遊びに来て。あなたが顕現出来る程度の魔力で良ければ渡せると思うわ)」

「(いいの? ありがとうなの。でも今はマスターが忙しいからまた今度なの)」

「(ええ、いつでも待っているわ)」


ふふっ、楽しくなりそうね。


5月8日


それにしても、ジルのマスターは面白い子ね。

寮に入ったかと思ったら突然シルキーと契約を取り付けてくるし、学園の空地を耕して薬草畑を作っちゃうし。

いつの間にか学園全体が少しずつあの子に影響を受け始めているわね。

昨日の一件もそう。

彼らも、あの子を巻き込まなければ、もう一つの方は成功したはずなのよね。

(まぁ、私とフレイさんが介入しなければの話だけど)

もしかしたらお父様の域に手が届くかもしれないわ。

今後も見守らせてもらいましょうね。

学園都市で起きている出来事であれば、だいたい知っている学園の守護精霊です。

ただ、自ら積極的に介入することはしない為、一部の人以外には認知されていません。


次回から第2章に入っていく訳ですが、

書きたい話は色々あるのですが、どう構成していこうかと考え中です。

(まぁ結局はソージュ君もリーンさんも好き勝手動いてくれるのですけどね)

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