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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
62/270

12-4 始まる僕と彼女の関係

よろしくお願いします。


本日3話目ラスト!


朝。

第2男子寮の食堂はちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。


「ちょ、なんでリーン先輩がいるんだ?」

「さあな。でも朝から眼福だしいいだろ」

「やっぱ綺麗だよな、リーン先輩」

「なんか昨日騒いでた連中がいたじゃん。その関係じゃね?」


そんな感じでみんなワイワイ話しつつも、朝は時間の過ぎるのが早いので、朝の支度に向かっていく。

そして学園に行くと、今日は朝から全校集会だということで、講堂へと集められた。

まぁ、十中八九、昨日の件だろう。



講堂に行くといつもの様に、学年ごと、そしてランクごとに整列する。

もちろん僕は一番後ろの壁際の特等席だ。……椅子は無いけど。

大体の生徒がそろったところで、壇上に壮年の男性(確か学園長だったかな)があがった。


「えー、皆さん、お静かに。

本日みなさんの貴重な時間を割いて集まってもらった理由を説明します。

既にご存知の人も居るでしょうが。

昨日、一部の生徒が、特定の生徒に対して悪意ある行動を取りました。

また学園保有の魔道具の持ち出し、悪用も確認されています。

更には洗脳魔道具の使用の痕跡も見受けられています。こちらは目下調査中です。

これらに伴い、幸い大きなけが人も出ませんでしたので、主犯格の学生数名は昨日の内に自主退学しています。


ですが、皆さん。

1つ覚えて置いていただきたい。

当学園のランク制度は、多種多様な生徒を、その能力にあった教育を施す為に設けられたものです。

決して貴貧を示すものでも、上下関係をつけて偉ぶったり貶めたりするものでもありません。


他者を見下したり羨む暇があるのであれば、一歩でも自分が前進することに注力して頂きたい。

この学園は皆さんの成長の為にあるのですから」



そう締めくくって壇上を降りる学園長。

これで終わりかなって思ったところで、リーンさんが壇上に上がった。

教師陣もざわついている所から、想定外のことっぽいな。


「突然失礼します。2年のリーン・バルディスです。

今回の件、私にも色々ありましたので、この場をお借りしてお伝えさせてください。

昨日の騒動と時を同じくして、私の方にも罠が仕掛けられました。

幸い、友人の助けもあって、こうして無事に戻ってくることが出来ましたが、


『次は無いと思いなさい』」


穏やかに話していたリーンさんから、一瞬にして殺気が迸った。

バタッと誰かが倒れるような音がしたが、気にせずリーンさんは話し続ける。


「それと、私はこの度、1年ソージュ・ライオネル君とパートナー契約を結びました。

もし、昨日のように彼を傷付けようとする者たちが居た場合、私が全力で排除します。

これは彼だけでなく、彼の大切な友人も含んだものだと思っておいて下さい」


そうしてリーンさんが壇上から降りる。

会場内はかなり騒然となったが集会はそのまま解散となった。



昼休み。

午前の授業終了のチャイムが鳴り終わると同時に、リーンさんが僕の教室にやってきた。


「ソージュ君。お昼行こう!さあ、早く早く」


一瞬、今朝の話に信憑性を持たせるためのパフォーマンスなのかとも思ったけど、リーンさんのこの目は、単純にお弁当が待ちきれなかったときの顔だ。

ただ、リーンさんを連れ立って歩くと目立つわけで、そこかしこで僕らを見て噂をしている人たちが居る。

幸いリーンさんが楽しそうにしているお陰で、その噂の内容も好意的なものが多かった気がする。



いつもの大樹のある中庭に行き、早速お弁当を取り出す僕達。


「そうだ、折角パートナーになったんだから呼び方も変えてみようよ。

ソージュ君のことは『そーくん』って呼ぶのはどうかな。

かわいくていいと思うんだけど」

「あははっ、はい。それで大丈夫ですよ。

ただリーンさんの方は、リーンさんのままにしておきますね」

「えぇ?そーくんなら、別に呼び捨てでも良いよ」

「いや、それは何と言うかほら、恥ずかしいというか」

「まあまあ、一回呼んでみて、ほらほら」

「えっと、じゃ、じゃあ。……り、リーン……」

「わ、わわっ!!?」


言った僕も、言われたリーンさんも真っ赤になってしまった。


「あはは、やっぱり、当分はリーンさんのままで」

「う、うん。そうだね。ちょっとその見つめられて名前呼ばれるのはインパクトありすぎたよ」

「ですね。さ、お弁当が冷めないうちに食べましょう」

「うん、そうだね」


ちょっと強引に話題を変えてしまった。

こういうのはまた追々、だよね。

そんなことを思いながら、リーンさんと仲良くお弁当を食べるのだった。


そうしてリーンさんパワーにより全校生徒公認のパートナー(カップル?)になりました。


これにて第1章終了となります。

ここまでお付き合いありがとうございました。

もし宜しければ、下の評価ボタンをポチポチしていただけると嬉しいです。


この後は(多分)閑話を挟んで第2章へと移ります。

第2章はリーン編をお送りする予定です。(どういう内容にするかは真っ白ですが)



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