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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
6/270

2-A マリアッジ学園都市の人々 その1

よろしくお願いします。

今回はソージュを取り巻く人達の視点です。


長くなったので2回に分けてお送りします。


第1章の間は、書き溜めゼロでお送りしますので、一日に複数回投稿したり、逆にゼロだったりします。

ジバンリン暦52年3月1日


Side マリアッジ学園都市 南門



俺は南門の門番を勤めるダンカ。27歳独身だ。


この時期は毎年、学園への入学希望者が大勢やってくる。

今年が初という子供もいれば、3年目の子供も居る。

8割方は金のある貴族のボンボンだ。

そういう馬鹿なガキは毎年何度か問題を起こすから要注意だ。

まあ、それも今日が最終日。

何事もなく終わってくれれば良いが。


「ついた~~」


お、あれは今年が初めての子供だな。

だいぶ年季の入った旅装束を着ている。

おっと、周りの視線に押されて列に並んだみたいだ。


ふっ、若いな。

あ、いや、俺もまだまだ若い。


「次の人」

「はい」

「お、さっきの子か。身分証は持っているかい?」

「えっと、これで大丈夫ですか?」


そう言って渡してきたのは冒険者カードだった。

ほぅ、まだ若いのにちゃんと冒険者として活動しているのか。

あれ?このカードは……


「すまないが、どこか1項目表示して貰えるかい?」

「はい、これで良いですか?」


冒険者カードには通常、名前のみが表示されている。

登録された本人が魔力を通すことで、他の非表示になっていた項目を表示することが出来る。


氏名:ソージュ・ライオネル

HP:53/53

MP:1/72

****


なるほど、さっきまで見えなかったHPとMPの欄が見えるようになった。

確かにこのカードはこの子のものだという証拠だ。


「手間を取らせて悪かったね。もう通っても良いよ。それと、

ようこそ、マリアッジ学園都市へ」


俺はここに初めて来た人全員に伝える言葉を口にして、この小さな冒険者を歓迎した。


「ありがとうございます。

ところで、学園の入試を受けるにはどこに行けば良いのでしょうか」

「ああ、それなら……」


俺の説明を聞いた後、彼は門を潜りぬけて行った。

恐らく彼は近いうちに、この街の有名人になるだろう。



####


Side マリアッジ学園 入学願書受付会場


初めまして、パルマです。

今日は臨時でマリアッジ学園の入学願書の受付をやっています。


今年も既に規定の1000人を越える応募がありました。

そして今日が申し込みの最終日です。

今年は去年のリーンさんのような逸材が現れるでしょうか。

試験当日が今から楽しみです。


ただ、時々勘違いして来られる子供や親御さんが居るのは事実です。

ここマリアッジ学園はいかなる身分や権力にも屈しない場だというのに「○○公爵の子供だ」などと偉ぶる方や、賄賂を渡そうとされる方がいます。

その方々にはしっかりと事務所奥でご説明(・・・)をさせて頂くのですが、正直疲れます。

はぁぁ。


「次の方」

「はい」


あら。珍しく実用性重視の装備を身に付けた少年です。


「高等科への受験を希望という事でお間違いないですね」

「はい、そうです」

「ようこそマリアッジ学園へ」


しっかりと礼儀を教え込まれた振る舞い。強い意志を秘めた瞳。驕らない態度。どれも好感が持てます。

もしかしたら今年一番の逸材になるかもしれないですね。


「それではこちらにご自身のお名前と、試験費用の10万ジンの提出をお願いします」

「えっ、10万、ですか?」


費用の額に驚いているようです。

きっとここに来るのに精いっぱいで、お金まで気が回らなかったのね。

ああ、やっぱり。

きちんと礼をして出て行きました。

また来年来てくれれば良いけれど。


そう思った2時間後。

なんとまたあの子がやってきました。

しかもこの短期間で10万ジンを工面してきたようです。


もしかしたら、この子は私の予想を超える凄い子なのかもしれません。

名前は「ソージュ・ライオネル」。覚えておきましょう。

ソージュの知らない所で、彼への評価は高いです。

本人は気付いていないですが。


########


門番、学園の入試受付、そして、

冒険者ギルドから見たソージュはというと……


次回:マリアッジ学園都市の人々 その2


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