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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
58/270

11-6 Eランクの僕に出来ること

よろしくお願いします。

これまでの伏線でなんとか話は繋がる、はず。


そして評価入れていただいた皆さん、ありがとうございます!!

空間転移を終えて、僕の目に入ってきた光景は、一面の砂と焼け付く太陽だった。気温も40度を超えているだろう。

これは、確か砂漠って呼ばれる地形だ。


ダンジョンの中には、特定の階層がまるで屋外のような場所があるってお父さんが言っていた。

お母さんも以前、突然氷雪地帯の階層に出て大変だったって笑ってたな。


だからここもダンジョンの中だとは思うんだけど。

……リーンさんはどこだろう。

てっきりすぐ近くに転移するかと思ったけど、見える範囲にあるのは砂ばかりだ。


ピィィーーーー!!


上空から鳥の鳴き声が響く。

見上げれば先程の太陽がこちらに向かって飛んで来ているところだった。

って、この階層は太陽が魔物なのか!?


まずいな。

もし万が一、リーンさんがこの近くに居るのだとしたら、ここで攻撃を受ける訳にはいかない。

僕は急ぎその場を移動しつつ、魔物の姿を確認する。



近くまで来たそれは、まさに太陽の様に熱と光を放つ巨大な鳥だった。

直視するのも大変なんだけど、こんな魔物とどう戦えばいいんだろう。

ひとまず魔物の突撃を横に跳んで避けて、続いて打ち出されてくる炎弾も避ける。


幸い魔物の攻撃は十分対処できるレベルだ。

まあ、今のところ様子見なのかもしれないけど。


この程度でリーンさんがやられるとは思えないから無事だとは思うんだけど。

共鳴石の反応からして、少なくともリーンさんの共鳴石は近くにあるようだ。


『リーンさん。聞こえたら返事してください』

『・・・・・・っ』


あ!!今うめき声みたいなのが返ってきた。

なら少なくともリーンさんは共鳴石を持ったままなんだ。

それなら共鳴石のリンク先を辿れば・・・・・・向こうの岩場か!


そうと分かれば、まずは岩場から大きく離れるように移動する。


「付いて来てくれよ」


その願いが通じた訳ではないと思うけど、鳥の魔物も僕を追って岩場から離れた。

よし。

十分離れたところで立ち止まり、魔物を見上げる。


ピィィーーーー!!


向こうも、僕が逃げるのを諦めたと見たのか一声鳴くと急降下して突撃を仕掛けてきた。

ぶつかる寸前に、全力で地面を蹴って飛び出す。後ろで地面が爆発したように砂を巻き上げたけど、丁度良いし無視だ。

そのまま気配を消して走れば、魔物は僕の姿を見失ったようだ。

そのままリーンさんが居るであろう岩場に駆け込む。


リーンさんは・・・・・・いた!

岩の陰、何とか日陰になっているところに倒れこんでいた。

意識は、無いか。

目立った外傷は無いけれど、顔色も悪いし、呼吸も小さくぐったりしている。

この暑さなのに汗1つかいていない所を見ると脱水症状も起こしているのだろう。


どうする。

アイテム袋に回復ポーションも入っているけど、病気には効かないはずだ。

……うん、今は緊急事態だし、あれしかないか。


僕は覚悟を決めると、手首をリーンさんの口元に持っていく。

ナイフを取り出してその手首を一気に切り裂き、流れ出た血をリーンさんの口に送り込む。


ドク、ドク、ドクッ……

ゴクッゴクッゴクッ……


よかった。

少なくともちゃんと飲んでくれてるみたいだ。


お母さんの種族は魔血族って呼ばれる、血が万病に効くと言われている種族だ。

その血が半分僕の中にも流れている。

だから万病とまではいかないまでも、今のリーンさんの回復くらいは出来ると思うんだけど、どうだろう。

少なくとも味は、以前お弁当の隠し味に入れたときは美味しいって言ってくれてたけど。


そう考えていたところで「かぷっ」って僕の手首が噛まれた。リーンさんに。


「え!?リーンさん、気が付いたの?」

「チューゴクゴクゴク」


いや、意識は戻ってないみたいだ。

無意識で口元にやってた手首に噛み付いたみたい。


「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」


いやいや、すごい勢いで飲んでますね。

そんなに喉が渇いてたんだろうか。

って、あーまずいな。一気に血が減って意識が朦朧としてきた。


「リーンさーん。ギブギブ。もう限界です」


肩をタップすると飲むのを止めてくれた。

腕を引き戻して、自分で回復ポーションを飲みつつ、リーンさんを見る。

よかった。さっきとは打って変わって顔色も良くなって呼吸も穏やかになっている。

これなら後は意識が戻れば大丈夫だろう。


……と、一難差ってまた一難か。

さっきの魔物がこっちに来たみたいだ。


きっと全快のリーンさんならこの魔物にも勝てるはずだ。

だからリーンさんが目覚めるまで時間を稼ごう。

僕は貧血でふらつく意識に鞭打って囮になるために足に力を込めた。


しれっと料理の調味料に自分の血を使っているソージュなのです。

以前のお弁当回で滋養強壮に良いものと言っていたのはここに繋がります。ここまで長かった。

ちなみに、動物の血液は加熱(無毒化)処理されて調味料や薬として使われるのは、この世界では一般的です。

まぁ自分の血を料理に使う人は早々居ませんが。


###########


無事にリーンの救助に間に合ったソージュ。

ふらつくソージュに代わり、リーンが魔物へと立ち向かう。


次回:夢に見た味



余談:

最初から自分で読み直してみると、文章が荒いですね(汗)

いつか清書できればと思いつつ、今はとにかく前進あるのみで書かせて頂いています。

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