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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
54/270

11-2 まずは目の前の問題から

よろしくお願いします。


もう少しだけ汚い言葉遣いが続きます。


リーンさん、どうしたんだろう。

リーンさんの実力を考えると早々やられるとは思わないけれど、もしかしたら僕の方には雑魚を送って、リーンさんに凄腕の暗殺者とかを送ったのかもしれない。


あと、この人たち、僕が連絡を取り終わるまで待っててくれたみたいなんだけど、なんなんだろう。

馬鹿なのかな。

と思ったらようやく動き出した。


「Eランクごときが共鳴石を持っているとは驚いた。

だがこれで自分の置かれている状況がよく分かっただろう」

「大人しくしてりゃ命までは取らないかもな」

「まあ、その共鳴石やアイテム袋は置いてってもらうがな」


そう言いながら僕を取り囲む男達はざっと100人といったところか。

その内、胸にバッジをつけているのは30人くらい。

学生じゃない人たちはどうやって入り込んだんだろう。

まあ、それは今はどうでもいいや。


「ねえ、状況が把握しきれなかったから、のんびりしている暇が無いんだ。

邪魔をするなら容赦出来ないから、消えてくれないかな」


そう言いながら、少しだけ殺気を放つ。


「うっ、なんだこいつ」

「なんなんだ、本当にEランクなのか!?」

「なななんだよ。ただのコケオドシだろ」


僕の殺気を受けてひるんだのは4割か。って学生がほどんどか。情けないなぁ。

ただ、後ろの方でこそこそ動いている人がいるな。


「おい、例の魔道具の準備はまだか」

「もう少し。よし、出来た。起動するぞ」


その声を合図に、僕と男達を囲むように結界が張られた。

……?

今の所、特に何も感じないけど、これは何の結界だろう。


「へっ。この結界が何か分からないか。

所詮まともに講義も受けられないEランクだな。

これは制限結界だ。

この結界内では剣しか使えないし魔法も抑制される。

本来は剣術の試験で使うものだが、こっそり拝借してきたのさ」


わざわざ解説してくれる、後ろで偉そうにしてる男子学生A(仮)。

ただそれって、僕に何かデメリットがあるんだろうか。


「分かってないって顔だな。

つまり剣が使えないお前は、この結界の中では一切の武器が封じられたって事なんだよ」


ニヤニヤしながら、男達が剣を構える。

うーん、どっからどう見ても真剣だ。殺す気まんまんじゃないか。

それにみんなは勘違いしているみたいだ。


「えっと、1つ訂正しておくと、僕は一切の剣が使えない訳じゃない。例外はあるんだよ」


そう言ってアイテム袋から木剣を取り出す。


「ぎははははっ。なんだよそれ。

格好付けておいて、木剣とか。

馬鹿じゃねえの」


おかしい。笑われてしまった。

まぁいっか。説明する時間も勿体ないしこのまま通らせて貰おう。


僕が一歩前に出ると、笑うのを止めて正面に居た学生ふたりが斬りかかって来た。


「うらぁ」

「くたばれEランク!」


えぇっと。剣術の講義ってなに教えてるんだろう。

剣筋が雑だし腰が入ってないし連携も出来てない。

こんなんじゃウサギも満足に切れないんじゃないかな。

バッジを見れば剣術Cランク。

はぁ、まあいっか。

僕は半歩前に出て、前に来た少年の手首を袈裟斬りに打ち、返す刀で側頭部を小突く。


「ぐげっ」


変な声を出しつつ倒れる少年。

更に一歩前に出て次の少年の、なぜかがら空きの脇腹に剣を当てて押す(・・・・・)


「ぐふっ」


押された少年は取り囲んでいた人垣まで吹き飛んだ。


「おい、なんだ今の」

「一瞬でふたりやられたぞ」

「本当にEランクなのか?」

「ぐっ、くそ。かまわないから、全員で一斉に切りかかれ!!」

「「おうっ!!」」


男子学生Aの声に合わせて、全員が前後左右から襲い掛かってくる。

お互いの位置取りとか全然考えてないな。

僕は一気に前に出て正面の男の腕を掴んで引き倒しつつ、反動で更に前に行く。

更に前に居た男も同様に引き倒していけば、囲いの外へと抜け出していた。

ただ。


「うぎゃっ」

「いてぇ」

「てめぇ、何しやがる」

「突然俺の前に出てきたお前が悪いんだろ」

「なんだと」


長物を持った集団が1箇所に突撃していけば、同士討ちが起きて当たり前だ。

それが連携の取れていない者どうしなら尚更だ。


さて、そいつらが団子状態になっているうちに、後ろで指示を出していた男子学生Aと向き直る。

彼がこの集団のリーダーと見ていいだろうか。


「ひぁ、く、くるな!」


僕が剣を向けると、さっきまでの威勢が消えて、後退りだした。

ん?さっき地面に設置してた魔道具とは別に何か持っているな。

嫌な感じがするし破壊させてもらおう。


「はっ」


男子学生Aの手ごと木剣で殴って魔道具を落とさせる。

更に落ちた魔道具に対して思いっきり木剣を振り下ろした。


「バキッ!!」という音と主に魔道具に罅が入る。


そして、次の瞬間。

魔道具に封じ込められていた魔力が大爆発を起こしたのだった。


発動後、手を放すと爆発するトラップ。証拠隠滅も兼ねた魔道具でした。

何の魔道具だったかは、次回に。


#########


無事に囲いを抜けるも魔道具の爆発に巻き込まれたソージュ。

一方その頃、ケイ達の身にも悪意の手が差し伸べられていた。


次回:その頃、ケイ達は

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