表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
53/270

11-1 平穏の終わりは突然に

よろしくお願いします。


予告どおり、起承転結の転になります。

ほんわかムードからは離れますのでご注意を。

ジバンリン暦52年5月7日


午後の剣術の講義の時間。

僕はいつものように講義の代わりに学園の一角で畑を耕して薬草を育てていた。

この1ヶ月で、最初はただの荒地だったところから、ようやく畑らしくなってきた。


あ、そうそう。

先日の図書館での一件のお陰で、僕とリーンさんの調べ物はかなり前進した。

僕が借りてきた書物には、勇者(ジン)様が学園を創設した後に出会ってきた、迫害されたりして絶滅の危機にある種族についての話が載っていた。

その中には、僕のお母さんの血筋の『魔血族』に関するものや、他にも吸血鬼と間違えられた『吸血族』や、獣人族も一部は魔獣と間違えられていた事なども載っていた。

ジン様はそれらの人を影ながら支援し、彼らと共存できる方法を模索していたようだ。


また、リーンさんによると、空間転移は世界樹と密接な関係があることが分かった。

何でも、世界樹は様々な世界に存在し、それらは特殊なネットワークで繋がっているらしい。

それを使って、世界樹経由で異世界を行き来できるとか。

世界樹か……本当は僕にもっと力があればすぐにでも協力できるんだけど、それは無いものねだりか。

今は冒険者ギルドを介して、エルフの森と親交のある人を探してもらっている。



キーンコーンカーンコーン♪


午後の講義終了のチャイムが聞こえてきた。

さぁ、今日は図書館で調べ物をする日だ。今日は基礎についての書物があれば読ませてもらおう。

そんなことを考えながら、畑を後にして図書館へと向かった。


っと……あれ、なんだこれ?

普段、図書館までの道はほとんど人は居ないんだけど、複数の、いや大勢の人の気配があるな。

嫌な予感しかしないけど、避けて行くには大回りになりすぎるし。

仕方ない、そのまま良くか。


「止まれぇ、そこのEランク」

「てめぇ、最近随分調子に乗ってるみたいじゃねえか」

「ちょっとツラ貸せや、オイ」

「ネタは上がってるんだよ。大人しく付いてこいや」

「貴様の悪事もここまでだ!」


そう言いながらぞろぞろと現れる男達。

明らかに学生じゃないだろって言いたくなる人が大半だな。

どうしよう。退いてくれって言っても無駄だよな。


「えっと、この後用事があるので、また今度にしてください」

「あ"あ"!!てめぇの意見なんて聞いてねんだよ」

「Eランクが誰の許可を得て喋ってるんだゴラ」

「罪人の分際で粋がってんじゃねえよ」


やっぱ無駄だったか。

それとよく聞くと煽ってるのはガラの悪い、学生っぽくない人たちだな。

どこから集めてきたんだろう。

って、それはいいや。

問題は上手く避けて行ったとしても、図書館まで付いてこられたら皆の迷惑になるよね。

教師に助けを求めたら何とかなるだろうか。

そう思ってチラッと校舎のほうを見やる。


「ハッ。助けを求めようったって無駄だぞ」

「お前の寄生先にも手は回ってるからな。こっちには来れないぞ」

「ついでにお前の部屋も今頃グシャグシャだからな。ここにお前の居場所はねえんだ。分かったか」

「……はぁ!?」


いま、なんていった?

寄生先って、もしかしてリーンさんか、ケイ達のことか?

部屋の方はキーヌが居るはずだけど大丈夫だろうか。

僕はこっそり後ろ手に共鳴石を取り出して連絡を取ってみた。


『リーンさん、聞こえますか』

『……』


反応なし……って、まさかリーンさんがこいつらにどうこうされたって言うのか!?


『ケイ、ミラさん。そっちは無事?』

『む、ソージュか。こちらは少々面倒なことになっているが、大した問題ではない』

『こちらは私達だけで十分対処可能です。

ですが、いま連絡してきたと言うことは、そちらも何か起きているということでございますね』


良かった。ケイ達は無事みたいだ。

ただ、こいつらの言うとおり、何かが起きては居るんだな。


『うん。僕の方も何とかなると思う。

ただ、リーンさんと連絡が取れないんだ』

『何!?早々リーンさんをどうにか出来るとも思えんが』

『罠でも張られたのでしょうか』

『分からないけど、兎に角まずは目の前の問題を解決して合流しよう』

『心得た』

『お気をつけて』


さて、後はキーヌの方か。


『キーヌ、そっちは無事?』

『はい、旦那様。不審な輩が下の扉を開けようとしておりましたので、鍵を掛け封鎖して置きました。

もし鍵をこじ開けて進入してきた場合、撃退してもよろしいでしょうか』

『うん、出来るだけ寮が傷まない方法でお願い。

あと、出来れば寮母のルーメさんに救援をお願いしておいて』

『畏まりました』


よし、キーヌの方もきっと大丈夫だと信じよう。

ルーメさんもああ見えてかなり強いみたいだし。

いま一番心配なのは連絡の取れないリーンさんだ!


そんな訳で、問題勃発です。


余談ですが、ソージュの畑は学園側に許可は取得済みです。


#########


そしてリーンとの連絡が付かない事に焦るソージュ。

目の前に立ちはだかる男達を蹴散らして、リーンの元へ急げ。


次回:まずは目の前の問題から


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ