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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
52/270

10-B 嫉妬と噂と

よろしくお願いします。

次話の為の種火回です。


根暗な話になるので、さくっと行きたい。

けど、綺麗なだけでは物語は成り立たないんですよね。

ジバンリン暦52年5月5日


Side ****


「おい聞いたか」

「ああ。あの野郎、昨日もリーン様と一緒に居たらしいな」

「くっそ~。Eランクがふざけやがって」

「リーン様もどうしてあんな奴と一緒に居るんだ!?」

「……もしかしたら、何か弱みでも握られてるんじゃないのか?」

「ああ!ありうるな。というか、それ以外の理由なんてねえだろ」

「うわぁ、クズだとは思ったけどそこまでかよ」

「許せねえな」

「ただ噂だけど、今度あいつを追い出す計画が進んでいるってさ」

「まじか。それなら是非俺も参加したいわ」

「でも学園にばれたらヤバいんじゃないの?」

「いや、学園側の教師も何人か参加してるって話だぞ」

「なら、やりたい放題だな」

「とはいってもおおっぴらにやると文句を言う奴も居るかもしれないからな。

やるなら、あいつが1人になってるところで一気に実行に移すそうだ」

「分かった。詳しい話が分かったらまた教えてくれ」


そんな声が学園のあちらこちらで聞こえてくる。

また、学園の外でも。


「おい、あれ見ろよ」

「あん?あぁ、Eランクじゃん。何やってるんだ?」

「店番?なに。金がなくてアルバイトとかか?」

「なんか冒険者ギルドのクエストの一環って聞いたけど?」

「いやいや。どう見ても冒険者関係無いじゃん」

「何でも同学年の人とかを巻き込んで何かしてるみたいだぞ」

「何、借金でも背負わされてるの?」

「もしくは弱み握ってこき使ってるのかも」

「うわっ、最低だな」

「もしそうなら俺達でこの学園都市から追い出してやろうぜ」

「あ、それいいな。あんなやつこの学園の汚点でしかないしな」

「街の人だって声掛けたら協力してくれるんじゃねえか?」

「そうだな。特にギルドの強面に力を借りられたら百人力だな」

「俺の知り合いの冒険者が明日帰ってくる筈だから頼んでみるよ」

「おう、じゃあよろしくな」


そしてもう1つ。


「ねえねえ、聞いた?」

「あ、もしかしてあれ?」

「そう。『氷結の聖女』が下級生を下僕のように扱ってるって」

「うわ、やっぱそうなんだ。最低ね」

「全く、すこし皆からチヤホヤされたからっていい気になりすぎなのよ」

「きっと、みんなあの女の普段のすまし顔の裏を知らないのよね~」

「ちょっと魔法が得意だからって、そんなのがこの学園のトップクラスに居るなんて許せないわよね」

「何とかして引きずり降ろせないかしら」

「あ、それなんだけど、先日面白い話を聞いたわ」

「え、なになに?」

「実は……」



…………



某所

日中だというのにカーテンを厚く締め切った室内に、小さな蝋燭が1つ揺らめいていた。

室内には男性と思われる影が2つ。


「状況は?」

「はい。計画は順調に進み、いつでも実行に移せます。

むしろ勝手に動かないように抑える方が大変かもしれません」

「例の魔道具は?」

「そちらも動作テストも済んでおります」

「よろしい。では決行は明後日7日にしましょう」

「畏まりました」

「ふっ。それにしてもあの人も耄碌したものだ。自分から弱点を作ったのだから。

まあ、彼らには我らの悲願の為に犠牲になってもらいましょう。

それにしても彼女にもあんな弱点があったとはね。ふふふっ。

さあ、それでは次の仕掛けも準備しておきましょう」

「はっ。そちらもお任せください」


そうして1つの影は音も無く部屋から消えていった。

ただの噂話にちょっと方向性を与えると、一気に信憑性が増したり、過激になったりします。


###########


そして悪意ある噂話は実際の行動となってソージュ達に襲い掛かる。


次回:平穏の終わりは突然に

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