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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
50/270

10-5 秘密の書斎

よろしくお願いします。


前作の小話が違和感無く伝わると良いのですが。

前作はこちら。気になってくださった方はどうぞお読みくださいませ。

https://ncode.syosetu.com/n8388ez/


そして、区切り的に今日も3話投稿。

うぐっ。みんなの期待(評価)に応える為に頑張ります。

その部屋は書庫というよりも、書斎と呼んだ方がしっくりくる部屋だった。

本棚の奥には執務机とサイドテーブルがあり、この部屋の主がそこで仕事をしていたことが伺える。

また、所々に観葉植物が置かれ、左奥には休憩できる喫茶スペースもある。

って、図書館の部屋にしては広すぎないかな!!

リーンさんの方を見ると、リーンさんも同じことを思ったみたいだ。


「多分この部屋、空間魔法で拡張されているんだわ」

「はい、その通りです」

「「!!?」」


部屋の奥から声が聞こえてきた。

声のした方を見れば、肌も髪も緑色の女性が立っていた。


「ようこそ。久しぶりのお客様。

私はこの部屋の管理を任されている、ライリと申します」

「あ、こんにちは。僕はソージュ・ライオネルです」

「リーン・バルディスです」

「はい。お2人がここに訪れたのは、マスターの書物を閲覧する為ですね。

であれば、まずはこちらを読むのをお勧めします。

どうぞあちらの椅子に座ってお読みください」


そう言ってライリさんは1冊の本を渡してくれた。

マスターっていうのは、この部屋の主、つまり勇者様のことだろうか。


リーンさんと一緒に勧められた椅子に座り、まずは表紙を見る。

タイトルは『自伝1 ジン・バンリ』とだけ。この『ジン・バンリ』というのが著者つまり勇者様の名前なのだろう。

表紙を開くと一言こう書かれていた。


『幸せになりたければ、それを掴み取る力を身につける必要がある』


2ページ目からはありがたい事に目次が書かれていた。

 はじめに

 第1章 異世界

  第1章その1 異世界召喚

  第1章その2 最初の仲間

  第1章その3 エリー・ライオネルとの出会い

  ……

 第2章 竜の山

 第3章 エルフの森

 ……

 最終章 魔王降臨

  ……


「どうやらこれは勇者様……ジン様が魔王を討伐した所までの事が書かれているようね」


リーンさんが何か言っていたが、僕は別の所に意識を奪われていた。


「エリー・ライオネル……お婆ちゃんの名前だ」


さっきの司書のフレイさんが言っていたのはこの事だったんだろう。

お婆ちゃんは勇者様=ジン様と密接な関係があるようだ。

それと、フレイさんの名前も2章に出ている。

あの人も只者では無いと思っていたけど、やっぱり凄い人だったんだ。



僕達は震える手でページを捲りながら、夢中になって本を読み進めた。

内容は「とんでもないことを、さも何でも無いように書いた」ものだった。

『異世界召喚』『ドラゴンとの邂逅』『世界樹の救助』など、どれもそれ1つで本が書けてしまいそうな内容が数十ページに纏められている。


そして、僕達が知りたかった『時空転移』についても少しだけ書かれていた。

それによると、ジン様は最初、世界樹の精霊の力を借りて空間転移、時空転移を行っていて、自力で出来るようになったのはかなり後になってからのようだ。

また、魔力のパスを繋げる必要があるとか。


「……世界樹、か」

「この本にもあるように、世界樹はエルフの森の奥地にあるのよね。

ただ、エルフの森は外縁部は交流が盛んだけど、今でも奥地は聖地として極限られた人しか入れないはずよ」

「でもそれだけ分かれば、後はどうすればエルフの森に行けるかを調べれば良さそうですね」

「ええ。そうね」


と、そこへ僕らが一区切り付いたのを見てライリさんが声を掛けてきた。


「失礼します。

もう図書館の閉館の時間を過ぎていますので、そろそろ退出をお願いします。

写本で良ければお貸しすることも出来ますよ」

「それなら僕は希少種族に関する書物があればお願いします」

「私は転移魔法についてもっと詳しく書かれたものがあればお願いしたいわ」

「畏まりました。少々お待ちください」


そうしてライリさんは本棚から1冊ずつ見繕って僕達に貸してくれた。

お礼を言って部屋を出ると、既に外は真っ暗になっていた。

フレイさん、ライリさんのお話はサイドストーリーにて。

夢中になるとあっという間に時間は過ぎていきますよね。


次回からサイドストーリーを2話入れてから、11節に入ります。

「図書館でのひととき」「嫉妬と噂」の予定。


#########


学園の図書館。そこは知識と記憶の眠る場所。

そしてそこを守護する女性。


次回:図書館でのひととき

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