表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
5/270

2-2 お金を準備しよう

よろしくお願いします。


気が付くと貧弱主人公からは離れていきますね。

さて、どうしようか。


冒険者ギルドで手持ちの素材を売れば10万に届く、よね。

バザーで売ればもっと高値で売れることもあるけど、そちらは時間までに買い手が付かなければアウトだ。

だから今回は冒険者ギルドに行こう。



冒険者ギルドは、建物自体は他の街とそれほど違いはなかった。

ただ中に居る人達は、若い人が多いみたいだ。

……あ、そっか。

学園の生徒か卒業生が混じってるんだ、きっと。

これなら子供の僕一人でも大丈夫だね。


えっと、まずは受付カウンターだ。

活動拠点を変える際には冒険者カードの更新を行うのがギルドの慣わしなんだ。


「すみません」

「はい」

「冒険者カードの更新をお願いします」

「えっ!?あ、はい。少々お待ち下さい」


僕の提示したカードを見て、一瞬驚いた顔をする受付のお姉さん。


「お待たせしました。ソージュ・ライオネル様。

さっそく今日から活動されますか?

宜しければご希望のクエストを確認致しますが」

「いえ、今日は急ぎの用がありますので、素材の買い取りだけお願いします」

「畏まりました。それでは買取カウンターへお巡り下さい」

「はい、ありがとうございます」


案内されたカウンターに向かうと、50代のおじさんが居た。

片足が義足になってる所から、元は冒険者だったのかもしれない。


「いらっしゃい。で、買取して欲しいものをこのカウンターに出してくれ」

「はい。あ、その前に買取価格表を見せて貰えますか?」

「……」

「……」

「ふんっ。なんでぇ。何処かの貴族がお忍びで遊びに来たって訳じゃ無さそうだな」


僕の全身をギロッと見た後、価格早見表を見せてくれる。

……なるほど、一般的な傷薬のレス草なんかは他より安いな。

魔物の素材で安いのはこの辺りか。

よし。


「おじさん。パイル草とペンネ草、ホイの実は幾らで買い取ってくれますか?」

「ふんっ。状態にも寄るが、パイル草は1房500、ペンネ草なら700、ホイの実は5粒で300ってところだ。

全く食えねえガキだ」

「ありがとうございます」


ちなみに、さっきの3つはどれも価格表には載っていない。

つまりは中々出回らない品=高額買取品だって事を意味している。


「それならまずは、パイル草を20、ペンネ草を10、ホイの実を50粒お願いします」

「ほお、これは……」


僕がアイテム袋から出した素材を確認して、おじさんが唸り声を上げる。


「採取方法は文句なし。鮮度も上々だ。これなら2割増しで買い取ろう」

「ありがとうございます。それと……」

「まだあるのか」

「はい。グレイハウンドが血抜きだけした状態であるのですが買い取り出来ますか?」

「グレイハウンドか。買い取り出来るのは主に皮だ。傷だらけならただ同然だ。無傷で1頭8000って所だな」

「良かった。なら10頭お願いします」


そう言って、頭部の無くなったグレイハウンドを10頭、買取台に載せる。


「……お前さん、ウォーハンマー使いか。

どれも胴体には傷ひとつ付いてねえ」

「えっと、似たようなものです」


実際には籠手で殴ったんだけど。


「まあいい。これなら10頭で85000でどうだ。

さっきの薬草と合わせれば10万は越えるぞ」


そう言ってニヤッと笑うおじさん。

あれ、気付かれてたのか。


「よく分かりましたね」

「そりゃあな。この時期、これだけの虎の子を出して金を捻出しようとする子供なんて、学園の試験費用を作りに来たと相場は決まってるからな」

「そういう意味では、お前は合格だ。

これだけの素材を用意できて、交渉も出来ると来てやがる。

万が一落ちたとしても、冒険者として普通に食って行けるぜ」


買い取り代金を出しながらサムズアップしてくれる。

僕はお金の入った袋を受け取って中身を確認する。


1、2、3……10、11。


「あれ、おじさん。1000ジン多いよ」

「ふっ、それは俺からの餞別だ」

「!ありがとう、おじさん」

「いいって。ほら、さっさと行って申し込みしてこい」

「はいっ」


僕はもう一度だけおじさんに礼をして、ギルドを後にした。

そうして、無事に入試の申請は出来るのだった。


そんな訳で入試費用の捻出は出来ました。

でも授業料とか生活費は別なんですよね。

稼げるのかな。


#########


ソージュがマリアッジ学園に着いてから、

出会った大人たちの反応は……


次回:マリアッジ学園都市の人々

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ