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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
49/270

10-4 図書館へ

よろしくお願いします。


ブックマークが順調に増えてる。

皆さまありがとうございます!!

あとは評価が増えてランキング入りしたら感動で泣けますね。

ジバンリン暦52年5月4日


4月の末から本格的に僕らの活動は開始した。

まずは週6日の内、2日は一緒に冒険者ギルドで活動し、2日は図書館や街で調べ物をする日と決めた。

残りの2日はフリーだ。もっとも、フリーの日も何かしら活動はしているんだけどね。


冒険者活動は、その日の内に終わるものであれば、賞金額や難易度に関係なく受けていった。

そう聞くと安くて難しいクエストなんじゃないかって思うかもしれないけど、ほとんどの場合、街のお手伝いだ。

荷物運びや空き家の清掃、建物の修繕、大工や畑仕事の手伝いなどなど。

きっと冒険者っぽくないから敬遠されてるんじゃないかって思う。

これらは確かに安いし達成してもギルドの評価は小さいんだけど、それ以上のメリットとして、街の人達と仲良くなり易い。

結果として、勇者様についての聞き込みもしやすくなった、と思う。

あとは、よく差し入れをもらえるようになったのがちょっと嬉しい。


調べ物については、僕とリーンさんが主に図書館で図書館で調べ物をして、ケイとミラさんには街で聞き込みをしてもらっている。

こちらも、聞き込みついでに世間話をしていたら盛り上がって、じゃあ今度これをお願いしようかな、と新規のクエストを獲得できているようだ。

ただ図書館の方は資料が膨大で玉石混交な為に、選り分けるだけで一苦労だ。

何かアプローチを変えた方が良いのかもしれない。


あとこれらとは別にちょっと気になるのは周りからの視線だ。

先日話に挙がっていた、リーンさんのファンの人達だろうか。

日に日に視線が剣呑なものになっている気がする。

もしかしたら近いうちに何か起きるかもしれないな。




そんな心配もしつつ、今日も放課後、図書館前でリーンさんと待ち合わせていた。


「お待たせ、ソージュ君」

「こんにちは、リーンさん。じゃあ、行きましょうか」


そう言って2人で連れだって図書館へと入る。

と、受付を通り過ぎる所で、待っている間に考えていた事をリーンさんに話してみた。


「アプローチを変える?」

「はい。例えば僕たち以外の誰か、図書館に詳しい人に相談してみるのはどうでしょう」

「あ、それいいかも。というか、なんで気が付かなかったんだろうね」

「図書館に詳しい人で一番に思いつくのは、司書さん、でしょうか」

「そうね。ちょっと聞いてみましょう」


そうして僕たちは受付で案内をしてくれている司書さんに声を掛けた。


「あの、すみません」

「はい、なんでしょうか」


僕の声を聞いて振り向いた女性は、何というか凄い威厳というか風格を感じさせる雰囲気の人だった。


「えっと、勇者様に関する本を探しているんですが」


と、そこまで言った所で、若干、司書さんの顔が曇った?

これってもしかして……。


「あ、すみません。55年前に魔王を倒して、この学園を創られた方についての本を探しているのですが」


そう言い直すと、曇ってた表情が明るくなった。

やっぱり。この人は喫茶店のマスターと同じで勇者様と面識がある方なのかもしれないな。


「あの方についての書籍はたくさんありますよ。

具体的にどのような内容のものをお探しか聞いてもよろしいですか?」

「はい。探しているのは、時間、空間、転移などの魔法に関する書物と、後は基礎というスキルに関する書物、希少種族に関する書物です」

「また難しいものを探しているのね。

……あら?あらあら。なるほど。ふふっ、そうなのね。

いいわ。2人ともこちらへ来て」


んん?途中から司書さんの雰囲気が変わったけど、何だったんだろう。

よく分からないけど、とにかく図書館の奥へと向かう司書さんに僕たちは付いて行った。

そして、重厚な扉の前に辿り着いた。


「いいですか。この扉は登録した人しか通れない仕組みになっています。

今からお2人を登録しますので、扉の好きな所に手を当ててください」


言われたとおりに僕たちは扉に手を当てた。

それを見て司書さんが何かを唱えたかと思ったら一瞬扉が光った。


「はい。これでもうお2人は通れるようになりましたよ。

この扉の奥に、あなた方の求める書物が見つかると思います」

「「あ、ありがとうございます」」

「では私はこれで。また何か困ったことがあったらいつでも声を掛けてください」


そう言って戻ろうとする司書さんを呼び止めた。


「あの!なんでここまでしてくれたのですか?」

「あなたの血にその資格があったから。と言っても分かりませんね。

私の名はフレイと言います。きっとあなたのお婆様は私のお友達だからです。

そうですね。その書庫の中を探すと、あなたのお婆様の名前が見つかるかもしれませんよ」


綺麗な礼をして司書のフレイさんは去って行ってしまった。

おばあちゃんと僕の血って、どういう意味だったんだろう。

と、そこで僕の服が引っ張られた。


「ソージュ君。中に入ってみましょう。

さっきの話が本当なら、中で調べれば分かるはずよ」

「うん、そうだね。行こう」


そうして僕たちは扉に手を当てて押しあけ……って通り抜けるのか。

抜けた先はぼんやりと明るい本棚だらけの部屋だった。


周りから見ると図書館デートを週2でやってるようにしか見えません。

本人たちは無頓着ですが。


########


司書さんに教えて貰った書庫には、かつての英雄が書き残した書物が積み上げられていた。


次回:秘密の書斎



予告:11節から起承転結の転になります。ほのぼのから遠ざかりますのでご注意下さい。

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