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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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10-1 噂話

よろしくお願いします。


ジバンリン歴52年4月26日


決闘のあった翌日。

その日は今まで以上の視線を感じていた。

いつもはEランクに対する蔑みのような見下したものが大半だったんだけど、今日のは一歩間違えれば殺意に似た敵意を感じる。

一瞬、先日のニックキン先輩かとも思ったけど、そうでもないようだ。


「ふむ、それは嫉妬の類いだろうな」

「嫉妬?」


昼休み、ケイを呼び出して相談してみたところ、そんな答えが返って来た。


「ああ。考えてもみろ。2年Sランクで外見も性格も非の打ちどころがなく『氷結の聖女』の2つ名で呼ばれる程の知名度のあるリーン先輩だ。俺のクラスにもファンだという奴は男女関係なく多い」

「確かに普段のリーンさんはキリッとしてて格好良いよね」

「そのリーン先輩と昨日あれだけ仲良くしているところを見せつけたのだ。仕方あるまい」

「見せつけたつもりはないんだけど。でも、うん。

原因が分かってスッキリしたよ。ありがとう」

「なに、気にするな。っと、そろそろ昼休みも終わりか。ではまた放課後にな」

「うん、ありがと」


そうなんだよね。

良く考えなくても、リーンさんって学園の有名人で、高嶺の花って言われる存在だ。

僕の中では、ご飯食べてる時のリーンさんの印象が強くて、格好いいよりも可愛いっていうイメージなんだけど。


教室への帰りがけにささやき声に注意をしてみたところ、確かにリーンさんの名前がちらちら聞こえて来た。

それと共に刺すような視線も感じる。

まあ、今のところ実害は無いからそのままで大丈夫かな。

疎外されるのは入学した時からだから今更だし。




そして放課後。

僕達4人は昨日と同じ喫茶店に集合していた。

ただ昨日と大きく違うのは、リーンさんとケイのご機嫌が斜めだ。


「まったく失礼よね。

『リーン君は付き合う相手をもっと選んだ方が良いんじゃないか』なんて。

大きなお世話よ」


リーンさんはそう言いながらリンコパイにフォークを突き刺す。


「ソージュ君のことをランクしか知らない癖に、皆勝手よね」

「確かに、俺達のクラスでもソージュのことを悪く言う輩は多いな。

まあ、そういう奴に限って大した実力も無い者が多いが」

「そう、そこよ! 文句があるなら一度ソージュ君と手合わせしてみなさいって言いたいわ」

「全くだ。奴らが100人集まってもソージュには敵うまい」

「仰ることは分かりますが、リーン様、ケイ様」


ミラさんがいつもの落ち着いた雰囲気で話し始める。

どんなに興奮していてもミラさんが話し始めるとつい耳を傾けてしまうのは彼女の凄いところだ。


「考え方を変えれば、ソージュ様の凄さをここに居る私達だけが独占している、というのは素敵なことではないでしょうか」


それを聞いて、ケイとリーンさんがハッとしてミラさんを見る。


「なるほど。俺達だけの特権か。そう考えると悪くない」

「それにもし、ソージュ様がSランクだったりしたら、他の大勢に揉みくちゃにされて、なかなか私達とこうしてお茶をする時間も取れなくなってしまいますよ」

「それはいや。ソージュ君のご飯は誰にも渡さないわ」


いや、リーンさん。

今は僕のご飯の話はしてないですから。


「なら今のままで宜しいのではないでしょうか」

「そうね。ソージュ君の事は私達だけの秘密にしましょう」

「うむ、異議なし」


ミラさんの提案のお陰で機嫌が直ったリーンさんはさっきと打って変わって、満足そうにパイを突き始めた。

よかった。これで今日集まった本題に入れそうだ。


サブタイトルだけだと何事!?って感じですが、まだ何も直接的被害はありません。

そしていつの間にか、リーンさんが食いしん坊キャラになってきたような(え、元から?)


#########


喫茶店に集まったソージュ達は、今後の活動方針について話し合うのだった。


次回:サークルでの活動を決めよう

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