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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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9-5 サークルを決めよう

よろしくお願いします。


さて、何サークルになるかで今後の方向性が変わるのですが。

先日のサークル説明会では横やりが入ったので、結局見学は全然出来ていない。

ここはまず学園の先輩のリーンさんの意見を聞くのがいいだろうね。


「リーンさんは何かサークルに入ってるんですか?」

「私?何も入ってないわよ」


誰よりも早くパイを食べ終えて、まったりお茶を飲んでいるリーンさん。

さっきのほんわかモードは解除されたみたいだ。


「あれ、そうなんですか。てっきりリーンさんはどのサークルからも引っ張りだこだと思ったんですけど」

「そうなんだけど、去年説明会を回った時にSランクだからとか、下心丸見えの勧誘が多くて、みんな断っちゃったの」

「なるほど。先日の我々もAランクだからと勧誘されていたな」

「あら。そう考えると、ソージュ様の入れるサークルは、もしかして無いのでしょうか」


言われてみれば確かに。

ランクで評価される今の学園の風土を考えると、ケイ達は兎も角、僕はどのサークルからも門前払いになる可能性が高そうだ。


「そっか。じゃあ、僕はサークルには入れないのか」

「それはちょっと許せないわね」

「そうだな。俺たちとしても友を蔑ろにするサークルなど願い下げだな」

「それならば私達で新たにサークルを立ち上げるのも良いのではないでしょうか」

「え?」


ミラさんの一言に驚く僕たち。

ただリーンさんとケイが驚いた理由は僕とは別だったみたい。


「それいいわね」

「流石ミラだ」

「恐れ入ります」

「ちょっと待って。サークルってそんなに簡単に創れるの?」

「大丈夫よ。学園からの援助を当てにしない非公式のサークルなんていくらでもあるしね」

「つまり俺たちでサークル、というかチームを結成するようなものだな」

「そうですわね。別に学園に囚われる必要もございませんし」

「ええ。なら決定ね!」


って、いつの間にかチーム結成で話が進んでしまった。

まあ、僕も嫌じゃないし、このメンバーなら楽しくなる予感がある。


「リーダーはソージュ君ね」

「え!?僕ですか?」

「うむ。そうだな。ソージュが妥当だろう」

「はい。私も異存はございません」


リーンさんの発案に全会一致で僕がリーダーになってしまった。

うーん、僕で務まるのかな。


「じゃあ、至らないところもあると思うのでフォローはよろしくお願いします」

「ええ。もちろん。一緒に頑張りましょう。

じゃあチーム結成を記念して改めて乾杯しましょうか」

「そうだな」

「はい」


そうして僕たちは改めてグラスを合わせるのだった。




カランカラーン♪

「ありがとうございました♪」


それから30分程談笑したあと、僕らは会計を済ませてお店を出た。

時刻は11時過ぎか。4月も後半になって大分日差しが強くなってきたな。

っと、その時。


「うっ」


僕の前にお店を出たリーンさんが、ふらっとよろめいた。

咄嗟に肩に手をやって抱き寄せる。



「おっと。大丈夫ですか、リーンさん」

「あ、ありがとう。ソージュ君。

日差しが強かったからちょっと立ち眩みをしただけで、もう大丈夫よ」


リーンさんの顔を覗き込むと、ちょっと顔色が良くないように見える。

さっきまで気が付かなかったけど、実は体調が悪かったんだろうか。

僕の心配顔に気が付いたのか、リーンさんが明るく振舞って手を振った。


「心配しないで。ちょっと体質的に日差しが苦手なの。

普段日中に外に出る時は帽子をかぶるようにしてたんだけど、油断したわ」


そう言いながらアイテム袋から普段良く被っている帽子を取り出して被った。

すると、少しだけ落ち着いたようだ。


「ふぅ。心配させてごめんなさい。もう大丈夫よ」

「はい。……ん?」


誰かがこっちを見ている?

敵意って程じゃないけど、あまり良くない相手みたいだな。


「リーンさん、寮に戻るなら僕も戻りたいので送りますよ」

「ふふっ、心配性ね。でもありがとう」

「はい、どういたしまして。

ケイ、ミラさん。僕ちょっとリーンさんを送っていくよ」

「分かった。気をつけてな」

「リーン様。お大事に」

「うん、じゃあまた」


リーンさんを連れて、学園へと戻る。

喫茶店の前で感じた視線は学園の手前に着くころには消えていた。


結局具体的な内容は先送りになりました。

一応次話以降で話し合います。


#########


決闘翌日から、ソージュに向けられる視線に変化が起きる。


次回:噂話


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