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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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9-4 打ち上げに行こう

よろしくお願いします

無事に決闘に勝った(?)僕たちは先生にお礼を言って控室に戻った。

そんな僕たちをケイ達が迎えてくれる。


「ただいま」

「お疲れさまでした」

「見事であった、と言いたいところなのだが、あれは一体何が起きていたのだ?」


だよね。

見てるだけだと分からないと思う。


「そうだろうと思って、先生から魔道具を借りてきたよ」

「あー、着ける前に言っておくけど、その魔道具は数百kgの負荷が全身に掛かるから、不用意に着けると最悪全身骨折よ」

「む、心得た」

「最大限の身体強化を掛けて挑みましょう」


リーンさんの注意を聞きながら僕たち3人は負荷魔道具を装着した。


「むぅ、なるほど。これはなかなか」

「しかも、動くと更に荷重が増すようでございますね」

「う、うん。これは日常生活は兎も角、戦闘は厳しいね」

「って、ソージュ君!? あなた、両手に着けて大丈夫なの??」

「な、なんとか」


元々左手に着けていたのに追加で右手にも着けてみたところ、倍以上の負荷がかかってる気がする。

まぁ、左手だけの時も1週間で慣れたし、これも1週間くらいで慣れるだろう。


「我々も負けてられぬな」

「はい。これが余裕になれば、かなりの成長が見込めますね」


ケイ達もこのまま付け続けるみたいだ。

あれ?もしかしなくても、さっきのニックキン先輩たちより、ケイ達の方が身体能力って意味では上みたいだ。


「さて、みんなこの後予定は空いてるかしら。

良かったら私のお気に入りの喫茶店で打ち上げしましょう。

そこのお店、ブラッドベリ―のパイがものすっごく美味しいのよ」


そのリーンさんの提案でみんなで喫茶店へ移動することになった。



カランカラーン♪


「いらっしゃいませ。喫茶『陽だまり』へようこそ♪

あっ、リーンさん、いつもありがとうございます。

あら?今日はソージュさんもご一緒なんですね」


この喫茶店の娘さんでウェイトレスをしているミーナちゃんが挨拶してくれる。

それを聞いてリーンさんが僕の方を振り向いた。


「ソージュ君もこのお店知ってたんだ。

流石、ブラッドベリ―あるところにソージュ君ありね」

「いえ、実はあのブラッドベリ―のパイのレシピを教えてくださったのがソージュさんなんですよ」

「ええ~そうだったのね。じゃあ、このお店の恩人だって言ってたのもソージュ君なのね」

「そうなんですよ」


と、そこでガールズトークが盛り上がろうとしたところでカウンター奥から声が掛った。


「ミーナ。盛り上がる前に皆さんを奥の席にご案内しなさい」

「はーい、お父さん。すみません。ついつい話し込んでしまいました。

さ、どうぞこちらへ」


ミーナのお父さんの声を受けて一番奥の席へと案内してくれる。

テーブルには、奥に僕とリーンさん、入口側にケイとミラさんが座った。

ミーナちゃんは全員分のドリンクを聞いてカウンターへと戻っていった。


「ソージュはいつからリーン先輩と知り合いだったんだ?」

「えっと、最初は入試の時だね。

あのケイ達が他の新入生に絡まれている時がリーンさんを初めて見た時で、

入試3日目に声を掛けて貰ってから偶然の出会いが重なった感じだね」

「そうね。待ち合わせして会ったのなんて今日を除けば1回しかないのに不思議ね」

「強いて言えば食べ物の趣味が合ったのが大きかったですね」

「ソージュ君、それを言ったら私が食いしん坊みたいじゃない」

「え、違ったんですか!?」

「違うよ~。失礼しちゃうな~」


そんな僕とリーンさんのやり取りを見て、ケイ達がポカンとしている。


「ふむ、ひとまず2人の仲が良いのはよく分かったな」

「ええ。リーン様の口調が変わっているのが何とも微笑ましいですね」

「はぅ」


口調のことを指摘され、赤くなるリーンさん。


「リーンさんは美味しいものを前にすると口調が変わりますよね」

「そうですね。うちでパイを食べている時のリーンさんはいつもこんな感じですよ」


注文したドリンクとブラッドベリ―のパイを1ホールまるまる持ってきた。

それを見たリーンさんはさっきまでいじられてたのを忘れたように目をキラキラさせていた。


「すごーい。1ホールまるまるなんて良いの!!」

「はい、お父さんがお出しして差し上げなさいって。

では早速切り分けますね」


ミーナちゃんが慣れた手つきでパイを8等分に切って2切ずつを小皿に分けていく。


「どうぞ召し上がれ」

「わぁありがとう。じゃあ早速頂きます! んぐんぐっ。おいし~」


リーンさんが電光石火で食べ始める。

あ、いや。もう食べ終えてる。はやいな~。

あと、フォークを咥えるのは行儀が悪いですよ。


「あー良かったら僕の分も食べますか?」

「いいの!?」

「はい、どうぞ」

「ありがと~。やっぱりソージュ君は良い人だよ~~」


僕がリーンさんの方にパイのお皿を送ると嬉々として受け取るリーンさん。

それを見てケイとミラさんが顔を見合わせている。


「……うむ、『氷結の聖女』のイメージがどんどん崩れていくな」

「きっとこうして餌付けされてしまったのでございますね」


いや、ミラさん。餌付けは酷いと思うよ。

って、何か忘れているような……あ、そうだ。


「そういえば、ケイ達はサークルどうするの?

結局あの先輩たちのせいで説明会ほとんど参加できなかったし」


そう、元はと言えばサークル説明会からこんなに話がそれたんだよね。


あれ、サークルの話まで進みませんでした。

喫茶店については次のサイドストーリーで。


########


大分回り道をしましたが、ようやくサークルを決めることになりました。


次回:サークルを決めよう

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