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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
40/270

8-B 体術教師は見た

よろしくお願いします。


サイドストーリー2話目です。

教師目線。

ジバンリン暦52年4月6日


Side ベイス


俺の名はベイス。

マリアッジ学園で主に基礎体術について教えている。

「基礎」だとか「体術」って聞くと馬鹿にする奴も居るが、戦場で最後に生き残るのは体力のある奴だ。

だから俺は入学したての生徒には徹底して体力づくりから始めさせる。



今年の俺の注目株は誰が何と言おうと7組のソージュ君だ。

どうやら剣術や魔術は空っきしでEランクになってしまったようだが、俺としては些細なことだ。

あの入試の時の光景は今でも覚えている。

錘を物ともせずに、まるで飛ぶように駆け抜けていた。

あれだけ見ればAランク冒険者だと言われても納得するだろう。


そんな彼だが、初日の基礎体術の講義でおかしなことがあった。

ただ走らせただけでは、彼には訓練にもならないと思って、最新型の負荷魔道具を渡したんだ。

荷重は最初は10kgだ。

そこから段々重くしていって耐えられるギリギリを攻めるつもりだった。

しかし、最初の10kgで限界だという。

その後の動きを見ても、確かに大変そうだ。


……入試の時に持った錘の方が断然重いはずなのにおかしい。

そう思って、魔道具を作った錬金課に問い合わせてみた。



「先日渡した負荷魔道具?ああ、もう3年の誰かで試しましたか。

どうですか。素晴らしいでしょう。

あれは僕の自信作なんですよ、フフフ」


めがねに指を当てて笑う錬金課の研究者。

俺こいつ苦手なんだよな。

なにより話が飛びすぎて分かりにくい。


「既存の負荷魔道具とはどう違うんだ?」

「全く別物と言うべきですね。

既存の負荷魔道具は、魔力を送ることで魔道具自体の重さを変化させる物でした。

ですが今回の負荷魔道具はあれ1つで全身に負荷を掛けることが可能なのです。

そうですね。

例えるなら、全身を鎖で雁字搦めにした状態です。

その鎖の部品1つ1つ従来の魔道具のように、記載しておいた負荷を使用者に掛けるのです。

あれ1つで全身余すところ無く鍛え上げられるのですよ!!

どうですか、画期的でしょう!!」


ちっ、マッドサイエンティストめ。

研究成果の話になると途端にテンションが上がりやがる。

って、ちょっと待て。


「おい。部品一つ一つにって言ったか。

じゃあ、この前のやつだと全身に掛かる荷重は何kgになるんだ?」

「そうですね。装着者の体格によって変動はしますが、静止している状態で200kg。

普通に動く分には1トンくらいでしょうな。最大5トンまで掛かる計算ですよ。

なに、身体強化に慣れた人ならそれくらい余裕でしょう」

「なっ!」


余裕でしょう、じゃねえよ。

100kg超える全身鎧も有りはするから、200kgでも文句は無いが、それは熟練の戦士の話だ。

新入生に掛ける負荷じゃないだろ。


……って、待て。

それを着けたソージュ君は無事だったよな。

翌日には普通に歩いてたように見えたし、たぶん200kgとか1トンとかは、いつもの理論値って奴なんだろう。

ま、普通の魔道具よりも負荷がきついってのが分かれば十分だ。



念のため、昨日のフィールド実習では様子を伺うことにしたのだが、やはり取り越し苦労だったようだ。

彼はダンジョン1階を気配を消してただ歩いていた。

その足取りは安定していて、魔道具による影響はなさそうだ。

それに俺でも一瞬目を離すと見失う気殺っぷりに、すぐ近くの生徒も魔物も気付いてすら居ない。

あれなら安心だな。

周りから飛んでくる流れ弾にもしっかり反応していたし。


また途中、魔物が1匹近づいていった事もあった。

従魔じゃないのに会話が成立してたようだがどうなってるんだ?

全く何処まで規格外なんだか。


まあ、とにかく。

彼の今後の成長が楽しみで仕方ないな。



重さについては、イメージで捉えてもらえれば。後日修正するかも。

ソージュに対してはEランクだから関わらない剣術教師、魔術教師と、ランク関係なく接して評価するそれ以外に別れます。


次回からまたソージュ視点に戻ります。


##########


学園生活も半月が経過しようというある日。

学園ではサークル説明会が開催される。


次回:サークル説明会が始まります

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