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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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8-2 学園ダンジョン1階

よろしくお願いします。


ダンジョン探索なのに、ほのぼのとした内容でお送りしています。

ダンジョンの入口の多くは洞窟の中や岩壁などに出来ていることが多く、淡く光を放つ入口は『門』と呼ばれている。

その門に触れることで向こう側が見えるようになり、移動できるようになる。


学園のダンジョンに入った僕の目に映ったのは、広大な草原だった。

その草原の中を2~6人で纏まった生徒達が何組も見て取れる。

また、振り返ると巨大な柱が立っていて、そこに外へと繋がるゲートが出来ていた。


「さて、どうしようかな」


今日は様子見ということなので次の階層に行く必要も無いだろう。

適当にみんなの邪魔にならないように見て周ろう。


そんな訳で気配を消しながら第1階層を周る。

えっと、出てくる魔物は……石頭ウサギか。

石頭ウサギは名前の通り、額に石が付いていて、ジャンプしたスピードを活かして頭突きをしてくる魔物だ。

角ウサギに比べて、刺されることも無く、頭突き以外にほとんど攻撃手段が無いから最弱の魔物の一体だ。

外の森では逃げ足が速く滅多に捕まらないが、ダンジョンの中では積極的に襲ってくるようだ。

ただ……


「ちっ、こいつちょこまかと」

「くそっ、抜かれた」

「え、ちょっと待って」

「くらえ『炎の矢』」

「ちょっ、あぶねぇ。こっちにあたる」


クラスメイトの動きは余りにもお粗末だった。

バッジを見たらCランク、Dランクだ。

きっと魔物と戦うこと自体が初めてな子も多いんだろう。

あの様子を見ると、魔物の攻撃よりも、他の人からの流れ弾の方が危ないかもしれないな。



「けっ、しけた魔物だな」

「『風刃』。全く。手ごたえがありませんね」


あっちはBランクペアか。

流石に実戦経験があるのか、1撃の元にあっさりと倒している。


「このままじゃ訓練にもならないからさっさと2階に行こうぜ」

「そうですね。そうしましょう」


そう言って入口とは別の柱のある方へと歩いていった。

辺りを見れば同じ様に奥へと向かう組がちらほらと見える。

Cランクの生徒も混じっているが、恐らく実戦経験があるんだろうな。



そうやって周りを眺めていたら、僕のところにも1匹石頭ウサギがやって来た。

この子、よく気配を消してる僕に気が付いたな。

よく見ると額の石もただの石じゃなくて磨き上げられたように綺麗だ。

きっと特殊固体なんだろう。


「チチッ!」


僕の方を見上げて鳴き声をあげるも、襲ってくる気配は無い。

ん~なんだろう。お腹が空いてるとか?

って、ダンジョンの魔物もお腹が空いたりするんだろうか。

試しにブラッドベリーをアイテム袋から1房取り出してウサギの前に置いてみる。


「チュ?チ、チチッ♪」


お、一瞬警戒したけど食べてくれた。

じゃあもう1房どうぞ。


「チチッ♪」


おぉ。ピョンピョンってジャンプしたあと、今度は器用に手で持った。

そして額の石が光ったかと思うと、ウサギは姿を消していた。

後には毛玉っぽいものが落ちてる。

あ、これって多分。


『うさぎのしっぽ:ウサギ系魔物の特殊な毛を加工して出来るお守り。所有者に幸運をもたらすと言われている(LCK+5)』


やっぱり。

ブラッドベリーのお礼にプレゼントしてくれたんだね。

ありがたく貰っておこう。


さて、後は特に見るものも無さそうだから、次の階層の入口だけ確認して帰ろう。

結局1体も魔物を倒してないけど、問題はないよね。


石頭ラビット(特殊固体)の出現条件

1.その日の内に1度も石頭ラビットを攻撃していないこと。

2.殺気を放っていないこと

3.石頭ラビット(特殊固体)に攻撃を加えたことがないこと。


石頭ラビット(特殊固体)は倒すと魔石の他に低確率で『うさぎのしっぽ』をドロップします。

出現条件3があるために、通常1人1回しかチャンスはありません。

倒す以外にも『うさぎのしっぽ』をドロップする方法はありますが、あまり知られていません。


#########


ダンジョンで1体も魔物を倒さずに出てきたソージュを見た周りの反応といえば。


次回:フィールド実習を終えて

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