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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
3/270

1-2 森を抜けて近道しよう

よろしくお願いします。

学園に辿り着けませんでした。


当分の間は不定期更新になります。

ジバンリン暦52年2月29日


僕は森の中を走り抜けていた。


「ここを抜ければ半日は短縮できる、はず!!」


突き出した根に飛び越え、クモの巣を避けて、枝を払いながら駆け抜ける。

時々、薬草やキノコを採取して、木の実を取って、角ウサギを追ってって、ちがうちがう。

先を急がないと。


商業都市を出て4日が経過した。

前の町の冒険者ギルドで確認したところ、マリアッジ学園まで、この森を抜ければもうちょっとのはずだ。

と、その時。耳元で鈴の音が聞こえた。


リリン♪リリン♪


これは森の精霊からのメッセージで、この先に魔物が多数いるらしい。

すぐに僕の気配探知にも魔物の気配が引っかかった。

これは……きっとゴブリンだな。かなりの数だ。


リン♪リン♪


迂回する手もあるけれど、続いて届いたメッセージを聞いて、このまま進む事を選択する。

どうやら誰かが襲われているらしい。

それなら助けてあげないと!


僕は気配を消して走りながら手頃な石を拾っていく。

そしてアイテム袋から投石用の(・・・・)手拭いを取り出す。

この手拭いは両端に紐を取り付けてあるんだ。


その片側に付いている紐の輪に親指を通しつつ、反対側に付いている紐を掴む。

そして拾った石をセットして布を回転させる。

後は狙いを付けて紐を離せば、普通に石を投げるより数倍の威力で石を飛ばせる。

魔法の使えない僕でも出来る、即席遠距離武器だ。


さて、ゴブリン達は……居た!

僕に気付かず、獲物を追いかけているようだ。

追いかけられている人の気配も確認出来たけど、まだ余裕はありそうだ。


それなら、僕は最後尾のゴブリン目掛けて石を投げた。


ヒュッ!ゴンッ!!


よし、見事頭にヒット。

当たったゴブリンは声を出す余裕もなく、その場に崩れ落ちた。

前を走っているゴブリンは、それに気付いていない。


ヒュッヒュッヒュッ!

ゴンッゴンッゴンッ!!


「ギャギャッ!」


さらに3匹倒したところで、ようやく異変に気が付いたようだ。

僕は見つからないように隠れて様子を伺う。

この時点で、残り20匹ほど。

まだ少し多いけど、何とかなる。

それに、これで狙われていた人が逃げ切れれば目的は達成だ。


と、思ったのに、逃げていた人の気配が止まった。

いや、むしろ近づいてくる?

そう思ったところで、魔力の波動を感じて咄嗟に伏せた。


「アイスエッジ!!」


その声が響くと共に、氷の矢がゴブリン達に降り注ぎ一網打尽にしていく。

一瞬にして、20匹いたゴブリンは壊滅していた。


「すごい」


倒れたゴブリンの元に、先ほど追われていた、そして魔法を放った人が現れた。


……女の子だ。


目深に帽子をかぶっているので、顔は分からないが、しきりに周囲を警戒しつつ、ゴブリンから魔石を回収している。

多分冒険者なのだろう。

魔物の討伐依頼で来ていたのかもしれない。

そう考えるとさっきまでの逃走も、魔物をおびき寄せるためだったのかもしれないな。

あれ?そう考えると僕は獲物を横取りしたことになるのか。

謝りに出た方が良いだろうか。


と、そんなことを考えている内に、魔石の回収が終わったのか、女の子は周囲を警戒しつつ、移動していった。

あの様子なら怒ってはいなさそうだ。むしろ突然出て行って驚かせる方が良くないかもしれない。

もし町で会う機会があればその時に謝ることにしよう。


僕は女の子にも気配が分かるようにわざと音を立てつつ、女の子が去っていった方向とは別の方に走り去った。

ある~日♪、森の中~♪、知らない人にあったら、悪い人かもしれない。

なので不用意な接触は避けた方が無難です。


########


無事に学園都市に辿り着いたソージュ。

だが、入試を受けるには多額の費用が必要だった。


次回:試験を受ける為にはお金が必要です


話の進行具合によって、後ほどタイトルが変わるかも。

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