49-3 ドラゴンの形をした魔物
いつもありがとうございます。
こっちが終わる頃に連載がピークになるように次作品を始めたはずが、終わるタイミングが追いつかれそうで困ってます。
リーンさんと若干場違いな挨拶を交わしながら、お互いが無事だったことを喜ぶ。
しかしリーンさんは再び空へと舞い上がったドラゴンを見てどこか焦った様な表情を浮かべた。
「あのドラゴン、まさか……」
「ん?リーンさんはあいつに見覚えがあるんですか?」
「ええ、間違いないわ。
そーくんには以前私が竜の山に言った時の話はしたよね?」
「はい、そこでレンさんに飛行魔法を教えてもらったんですよね」
「そうなんだけど、その前にね。
山の入口でドラゴンに襲われたの。気に入ったから俺の嫁になれって。
そのときの私はドラゴンに勝てるような状態じゃなかったから、絶体絶命のピンチになったんだけど、レンさんのお陰で何とか助かったの」
「なるほど。その時に襲ってきたドラゴンがあいつってことなんだね」
「そういうこと」
当時のことを思い出したのか、若干身震いするリーンさん。
そうか。
僕が居ない間に、リーンさんをね。
ふふふっ。竜の山のドラゴンなら加減しないとまずいかと思ってたけど、10回くらい殺しても大丈夫だよね。
「そ、そーくん?」
「リーンさん。僕ちょっとお説教に行ってきます。
と、その前にだいぶお疲れですよね。なのでまずは僕の血をどうぞ」
僕はドラゴンから意識を外さないようにしつつ、リーンさんに首筋をさらす。
リーンさんも若干周りが気になるようだけど、血液不足なのと、久しぶりの血の誘惑に惹かれてふらっと僕の首筋に噛み付いた。
「ちゅ~~~~~~~~~~~~~」
って、多い多い。
久しぶりなのは分かるけど、ダンジョンを攻略してパワーアップしたからなのか、以前よりも大量に飲まれてしまった。
まぁお陰で気分が落ち着いたからよしとするか。
血を飲み終わって、恍惚な表情を浮かべてるリーンさんの頭をぽんぽんって撫でてから離れた。
「じゃあ、行ってきます」
「うん、気をつけてね」
まるで散歩に出かけるかのような挨拶を交わして、僕はドラゴンに向き直ると一気に空を駆け上がった。
そしてドラゴンの顔の前で静止する。
「やぁ。僕のリーンさんがだいぶお世話になったみたいだね」
「グルルル」
あらま。召喚されたときの後遺症なのか、まともに話すことも出来なくなったのかな。
これじゃあ既にただの魔物と変わらないじゃないか。
「ガアッ!!」
ドラゴンは自分と同じ高さにいる僕が目障りだと言う様に叫ぶと、大量の火炎弾の魔法を生み出して僕に撃ち出した。
普通に空を飛んでいた場合、静止した状態から急加速するのは難しいのだけど。僕の場合、空中に足場を作って立っている状態だ。
故にジャンプする要領で縦横無尽に加速が出来るわけで、滅多やたらに撃ってきた魔法くらいなら余裕で避けれる。
どうやら言語能力だけじゃなく、戦闘センスも失われているのかもしれない。
これなら以前戦ったオーガのほうがまだましだ。
「ガアッ、ガアッ!!」
「うっさい」
「ギョガアア」
あごを下から殴り飛ばしてやると、舌でも噛んだのか予想以上に痛そうな呻き声をあげていた。
ほんとただブレスが撃てるだけの鈍重な砲台じゃないか。はぁ。
横を見ればワイバーン達もほとんどが討ち取られているようだし、こっちもさっさと終わらせるか。
そう思って僕は更に高く飛び上がった。
そして一気に急降下しつつ、リーンさんの登場のようにドラゴンの脳天へと全力の一撃をお見舞いしてあげた。
「ゴフッ」
もう叫ぶことすら無く地面へと墜落していくドラゴンを、僕もゆっくりと降りながら見送った。
って、確かあの場所って、さっき人族が生き埋めになったあたりか。……まさか、ね。
ズズ……ン。
地面に突き刺さるドラゴン。
その瞬間、地中から魔素が噴き出したかと思うと、ドラゴンを包み込んだ。
うわぁ。悪い予想は当たるというか、あれは絶対良くないことが起きるな。
僕はひとまずリーンさんの元へと降り立った。
「そーくん、あれはいったい何が起きてるんだろう」
「僕もよく分かってないですが、さっきあそこに今回の元凶とでも言うべき人族を埋めたんですよ。
その人たちが生きてて、再びドラゴンを操ろうとしているのかな。
……あ、いや、あれは逆ですね。地中から噴き出した魔素をあのドラゴン、食べてます」
ドラゴンを包み込んでいたかに見えた魔素は気が付けばドラゴンの口へと流れ込んでいっていた。
そうして、周囲の魔素を全て取り込んだドラゴンが理性を宿した目で僕達を見下ろすのだった。
雑魚キャラ臭の漂うドラゴンにはもうちょっとだけ頑張ってもらいます。
い、いじめじゃないですよ?




