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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
263/270

48-4 人族の王と召喚王女

投稿頻度が落ちて申し訳ないです。

がんばらないとソージュの出番がなくなりそうで(汗)

敵の代表2人を倒した所で、場違いな拍手の音が聞こえてきた。


「素晴らしい。いや、実に素晴らしい」

「ほんと。見事な当て馬っぷりね」


そう口にしたのは敵の残った代表2人。

どういうことだ?

まるで最初から負けさせる為に2人を嗾けたように聞こえるが。


「おや、何か不思議かい?

あの2人が私達を引き立てる為の前座だというのは分かり切っていた事じゃあないか。

もっとも、あの2人に君たちが負けるようなら、それはそれでさっさと世界を統一するだけなのだけどね」

「貴様。仲間では無かったのか!?」

「私にとって大切なのは私自身と、このヒメノだけさ。

あとは便利な駒と言ったところか。まぁあれの事は既に過去のものだ。

このショーはここからが本番さ」


言いながらステージに上がってくる2人。

見たところ特に武器も持っていないようだが、いったいどういう戦い方をするのか。

そう思っていたら、男の方が私達をみて、にやっと気味の悪い笑顔を作った。

そしてまた芝居がかった仕草を始めた。


「ふっ。どうやらそちらの君たちは人族のようじゃないか。

いけないなぁ。王たるこの私、オウジに歯向かおうなどと。万死に値する。

だがまぁ勇気をもってここに来たんだ。慈悲を与えて即殺すのは許してあげよう。

だから……跪け」

「何を言って、ぐっ」

「く、いったい」


オウジと名乗ったその男が跪けと言った瞬間、まるで上から岩でも押しつけられたかのような強力なプレッシャーがかかった。

まさか、これがあいつの能力だということか。

人族に強制して何かを行わせる能力。確かにそんなものがあれば人族の国では無敵だろう。

だが、私達は連合国の代表だ。たとえこの身に人族と同じ血が流れていようと屈する訳にはいかない。


「お兄様!」

「ああ!」


私達はなんとか気合で膝を折る事を免れた。

それを見たオウジの笑いが歪む。


「へぇ。私の勅命に抗うのか。

どうやら純粋な人族という訳ではないようだな」

「ん、ああ。そうだな。私達の祖父はこの世界の人族とは若干異なっていたと聞いている」

「でも、体調が万全な今でなんとか耐えているという状態のようだね。

そう言う人ほど、心身が屈服した時の反動は面白いものさ。見ものだね。

それにその状態ではまともに戦えまい。

さぁヒメノ。彼らに絶望を」

「はい」


ヒメノと呼ばれた女性がオウジから離れて手をすっと前に差し出した。

今度は何をする気だ?


「ふふんっ。さぁいらっしゃい。私の下僕。『龍王召喚』」


その言葉を発した瞬間、巨大な魔法陣が彼女の上に展開された。

って、なら何で手は前に出したんだ?

だが、そんな些細な疑問はすぐに考える暇がなくなった。

なぜなら、彼女の言葉通りその魔法陣からドラゴンが召喚されたのだから。


「さあ、龍王。私の下僕となりなさい」

『ギャオオオオ~~』


召喚されたドラゴンはヒメノを見て一鳴きすると羽根を羽ばたかせて上空へと舞い上がった。


「さあ。私の前に立ちはだかるゴミどもを消しておやりなさい!」

『グルルルル……』


彼女の指示を受けたのか、ドラゴンがこちらを向いて息を吸い始めた。って、


「まずい。ブレスが来るぞ!全員纏まって防壁を張れ!!」

「くっ、なんのこれしき」

「正気か奴ら。これでは奴ら共々消し炭になりかねんぞ」

「もしかしたら例の障壁をあのふたりも持っているのかもしれませんね」


私達4人が集まって防壁を展開したところで上空のドラゴンがブレスを放ってきた。


カッ!!


雪崩のような衝撃が襲って来るのを展開した防壁で何とか防いでいく。

しかし、一枚、また一枚と防壁が破られ、遂には私達は吹き飛ばされてしまうのだった。


そしてブレスの放射が終わった時。

ステージの上には人族の2人だけが立っていた。

観客席もそのほとんどが大破しており、残っているのは連合軍の座っていた範囲のみとなっていた。


「まったくあっけないものだ。しかし直撃してないとはいえ流石あちらのトップはしっかりガードしきったみたいだね」

「ええ。そうしないと、私達の勇姿を伝えるものが居なくなってしまいますもの。丁度良かったですわ」


2人が周りを見回して感想を言っていた所で、ガコっとステージだった石材が動き、下からエラーザ達が這い出てきた。


「皆無事か?」

「ええ、私は何とか。しかしふたりには無理をさせてしまったようですわ」


見れば多少怪我はしているが動けているエラーザ、エリュース兄妹と、それ以上にボロボロになって倒れているケイとミラの姿があった。





碌に動けなくなっているエル達を守る為に、ケイ達が身体を張って防ぎきりました。

ただ、未だにエル達に向けられている拘束は有効なわけで……

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