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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
261/270

48-2 決戦の舞台

遅くなりました。

というか、必死国の勇者(笑)のキャラ設定が悩ましい。

当て馬ルートで行こうか、雑魚キャラルートで行こうか。まさかの強キャラで行こうか。


なので、この後、少し投稿が遅くなる見込みです。

ジバンリン暦52年11月1日


国を代表しての決戦の日が来た。

私達は決戦の地として指定された人族の国と要塞の間にあるバルト荒原へとやってきていた。

その地は不毛の大地として有名で見渡す限り何も無いことで知られていたのだが。


「……なんだこれは」

「巨大な建物、なのでしょうね。いつの間に建造したのでしょう」


私達の目の前には高さ10メートル、幅数百メートルの外壁が曲面になっている謎の建物があった。

その入口に当たるところに人族の兵士が立っていて、案内をしているようだ。


「よく来たな、亜人族達よ。

今日の戦いに参加するものは右の入口から、観戦するものは左の入口から入れ」


横柄な態度の兵士の言葉に一瞬考える。

これは何かの罠であろうか。いや、間違いなく罠はあるだろう。

そもそも今回の決闘を言い出した事自体、何か裏があるとしか思えないのだから。

ただ、それでもここまで来たら行くしかないだろう。


「それでは行ってきます」

「ああ、気をつけてくれ。もしもの時は我々のことは気にしなくて良い。

全員自力で脱出できるだけの実力は持っているつもりだ」


共に来ていた各種族の代表と別れ、俺達は右の入口を通った。

暗い通路を100メートルほど歩いただろうか。

唐突に通路は終わりを告げ、視界が開けた。


「「わああああああぁぁぁぁぁ」」

「な、なんだ!?」


広場と思われる場所に出た瞬間、上がる歓声。

周囲を見回せば、中央に舞台があり、その周囲を階段状になった建物が囲っている。

そしてその建物の上には人人人。目を血走らせた人族がすし詰め状態で群がっていた。


「なるほど。ここは闘技場ということか」

「もしくは見世物小屋と言ったところでしょうね」

「見ろ、向かいから必死国の代表と思われる4人が出てきたぞ」

「見た目は普通の人間、私達と同年代のようでございますね」


向こうの代表は、派手な衣装の男女と、銀のプレートアーマーを着た剣士、マントと変な形の帽子を被り杖を持った魔法使いの4人だった。

前の2人はおおよそ戦いに来た装いではないが、どういう戦闘スタイルなのか。

とにかく俺達は用意されたステージの上に上がった。


全員がステージに上がると派手な男性が拡声魔法を使って話し始めた。


「諸君。今日は我々のために良く集まってくれた」

「「おおおおぉぉぉ!!」」


……いや、誰もお前の為に集まっている訳じゃないがな。

ただ必死国の盛り上がりは凄い。


「今日この舞台を用意したのは他でもない。

我々の華麗なる初陣を皆に見てもらうためだ」

「「きゃああぁぁぁぁぁ」」


……は?

まさかそんな事のために戦争を中断してこんな茶番を?

いったい人族の首脳陣は何を考えているんだ。

と、よく観客席を見れば、必死国代表の後ろの観客席でひと際目立ったところに王族と思われる煌びやかな衣装の一団が居た。

ただ、彼らも他の観客と一緒で目を血走らせている。

まさかここにいる全員、魅了の状態異常に陥っているんじゃないか?

そう考えれば色々と辻褄は合う。

つまり本気で彼らは自分達の見せ場を作りたかっただけなんだろう。


「……私がこの世界に降臨してから早1ヶ月。

なぜこの私が選ばれたのか、その答えが分かった。それは私がこの世界の王となり、世界を1つに纏める為に神に呼ばれたのだ」


と、まだ向こうの演説は続いていた。無駄に長いな。

それにしても、この世界に来たって事は異世界から召喚されたのか。

確かそう言った者は、異常なスキルを身に付けていると聞く。

それで必死国を掌握したというところだろうか。

お、ようやく演説が終わるようだ。


「さて、前口上はこれくらいにして、そろそろ余興へと移ろうか。

そうだな。同人数でと思ったが、それは少々大人気ないというものか。

ヒカル、ケンジ。2人だけで十分だろう。軽く相手をしてきてあげなさい」

「ふたりとも、いいところ見せてね♪」

「おう。待ってました」

「フフフッ。お任せください、マイプリンセス」


そう言って剣士と魔法使いの2人が前に出てくる。

どうやら手を抜いてくれるらしい。舐められたものだ。

驕り高ぶってることだけは早々に決まったんですけどね。

何とかしないとソージュ達が帰ってくる前に戦いが終わるw

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