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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
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48-1 決闘の申し込み

いつもありがとうございます。

人族側の視点を1話入れようかとも思いましたが、雑多な部分が多いので割愛します。

要塞攻略後。

南下するのはここまでということで、私達は東西の異人族の集落へ救援部隊を向かわせることになった。

もちろん、人族の動向を調査する為に複数の部隊を南へ展開している。


「では、我々は東の獣人族の集落を中心に回ってこよう」


そう言ったのは竜人族の戦士達。


「私たちは西の亜人、竜人族の集落を行ってきます」


こちらは獣人族の人たちだ。


「学園連合はこのまま要塞を確保し、それぞれからの避難民の受け入れが出来るように準備を進めましょう」


なぜこのような分担にしたかと言うと、これをきっかけに種族交流もしてしまおうという事になったからだ。

「奴らのせいで負担ばかりが増えるのでは面白くないからな」

というのが全員一致の見解だ。

連合軍の一番の強みは、打ち合わせから決定、作戦開始までの行動の早さだろう。

人族と違って利害を奪い合うようなことが無いのもあるのだろう。


会議終了後、気の早い種族は既に出立の準備を整えて要塞を出発している。

私達学園代表はこの要塞を拠点化しつつ、人族との交渉を進めていく予定だ。

と、見張り台の上に居るのはエルか。


「エル。そんなところで何をしているんだい?」

「あら、お兄様。それがソージュと連絡を取ろうとしているのですが繋がらないのです」

「ソージュというと、例のEランクの彼か」


私がそういうと妹はプッと小さく笑った。


「彼がEランクなら他の生徒は何ランクになるのでしょうね。

と、それは今はいいのです。

問題はソージュもリーン様もどちらも連絡が取れないのです。

こんなこと今まで1度としてなかったのですが」


「もちろんこの世界にいる間は」と謎の呟きと共に思案顔をする妹。

聞けば今回、たった2人で人族の国に潜入して魔道具の製造工場を破壊しに行ったとか。

なかなかに無茶をやっているらしい。

だがそれなら。


「敵に捕縛された可能性は?」

「無いとは言い切れませんが、あの2人は念話の使い手です。

私の共鳴石と違って他人に没収される心配もありません」

「なら殺されたか」

「縁起でもない事を言わないでください!」

「うっ、すまない。後考えられる事としては念話が届かない場所、例えば強力な結界内に閉じ込められている可能性はあるかもしれないな」

「そう、ですわね。

であればやはり。お兄様、私は2人を探しに出ようと思います」


そう言って足早に去ろうとする妹をあわてて追いかけた。


「ちょっと待ちなさい。探すといっても手がかりがないだろう」

「ええ、ですが待っていても事態は好転しませんわ。それに強力な助っ人を呼んでありますから」

「助っ人?」

「すまん、待たせたか」


要塞の入口まで出てきた所で2人の獣人が立っていた。


「いいえ。ケイさん、ミラさん。ナイスタイミングですわ」

「ご無沙汰しております。それで、準備の程は?」

「いつでも大丈夫ですわ」


ケイとミラ。いずれも1学年のAランクだったか。

先ほど名前の挙がったソージュ共々、よく妹と一緒に居たメンバーだな。

しかし、だからと言って、それほど状況が変わったとは思えないが、まさか。


「獣人族の嗅覚に頼ってソージュ達を探す、という訳ではないよな」

「いえ。まさにその通りですわ」

「ソージュの事だ。どうせ間抜けな罠に嵌って身動きが取れなくなっているのだろう」

「お2人が最後に訪れた町の情報は確認しています。そこから足跡を辿ればそう難しくはないでしょう」

「いやだがな。見た目から獣人族の君達では見つかれば即攻撃の対象になるぞ。

それなら私が行った方がよいのではないか?」

「何を仰います。お兄様は学園の生徒代表なのですからここを離れる訳にはいかないでしょう」


そうやって要塞の前で押し問答をしていたら、早馬がやって来た。

これは、人族の使者か?


その使者が持ってきた書状によって、すぐさま会議が開かれた。

妹達の出立もその内容を確認するまで待つように伝えておく。もしかしたら重要な情報があるかもしれないからな。

そして、書状の内容を要約すると、以下のような内容だった。


「一時的に侵略は止め、代わり代表同士の決闘を申し込む。

そちらが勝てば人族はこれ以上の侵略行為を行わないと誓う。

代わりに、人族が勝てばマリアッジ学園の譲渡を要求する。

なお、これを断るなら我々にはまだ万を超える魔道具がある。

これらが火を噴くことになるであろう」


相手に万を超える魔道具がある、というのは嘘とは言い切れない。

少なくとも相当数の魔道具がまだ残っているのは確かだろう。


「この期に及んで決闘とは」

「彼らとて何か勝算があっての事だとは思うが。何かの罠かもしれんな」

「決闘をしている間に裏で何かを仕掛けると言うのも考えられる」

「だが、この先も奴らと戦争を続けるのも得策ではあるまい」

「偵察の情報では確かに、まだ先日の数倍の軍隊が控えているという」

「奴らの強みは数だからな」

「……よし。この決闘、受けて立とうじゃないか」

「しかし、誰が代表として出る?互いに4人ずつという話だが」

「それなら私達が出ましょう!」


話の内容を聞いて私が手を上げた。


「君は確か学園の」

「はい。2年エラーザ・ミスリニアです。

聞けば負けた時には学園を譲渡しろとの話。

なら、学園生である私達が出るのが妥当でしょう。

私を含め、これらは一騎当千の猛者だと自認しています」


そう言って振り返れば、エル、ケイ、ミラの3人も力強く頷いた。

その姿を見て各地の代表達が顔を見合わせた。


「……ここは、次代の若者に未来を託すというのも一興ではないかね」

「そうですな。いつまでも上の者が面倒を見ていては下が育たないというのも事実」

「よかろう。君達に任せるとしよう。なに、失敗したとしても気にすることは無い。

奴らが横暴を働くようなら、改めて我ら総力を上げて潰しに掛かるだけだ」

「確かに。こちらが負けた場合、戦争をやめるとは一言もありませんからな」


そうして私達は連合軍の代表として決闘に臨む事になった。


「しかし、エルたちは良かったのか?

ソージュ達を探しに行きたいのではなかったのか?」

「ええ、勿論ですわ。ですが、先ほどお兄様の仰ったように私たちでは人族の地を自由に動き回ることは困難。

であれば、代表として堂々と乗り込んだほうが、早いというものですわ」

「なるほど。そういうことか」


その後、数度のやり取りを経て、決闘の日取りは早くも来月1日と決まった。


ソージュとリーンさんの帰還はもう少しお待ちください。

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