5-2 入学式とEランク
よろしくお願いします。
1話2000文字ではなかなか進まないですね。
リーンさんが本格的に出るまでまだ掛かります。
ケイとミラさんに続いて講堂へと移動する。
その途中、何人かの学生がこちら、正確には僕を見てヒソヒソと話をしているのが目についた。
「見ろよあれ。例のEランクだ」
「本当だわ。もうAランクの人に寄生してるのかしら」
「ハハッ。弱者は弱者なりに世渡り上手ってか」
あ、いつものあれか。
寮に入ってからずっと、学園の敷地内を歩くとそこかしこで聞こえて来た侮蔑の声。
しかも今度のはケイ達も巻き込んだ内容になっているな。
「ごめんな。変な噂流れてるみたいで」
「気にするな。どうせ他人を見下さないと自分を立てれない輩だ」
「そうですね。むしろこれでソージュ様が過ごしやすくなるのなら良いのではないでしょうか」
ケイとミラさんはどこ吹く風と言った感じだ。
正直ありがたい。
僕たちは講堂に入ってすぐの所で別れることになる。
「あっ、僕の待機場所はそこみたいだね」
「ふむ、本当に一人だけ離れているんだな」
「確かにこれは全体を俯瞰出来る特別席ですね」
「だね。あ、そうだ。AランクとEランクだと講義とか被らなさそうだし、今度僕の部屋に遊びに来て。
第2男子寮の屋根裏部屋。寮母さんに聞けば分かるから」
「ああ。次の休みにでも行くとしよう」
「そうですね。また3人で何かするのも楽しそうですね」
「うん、じゃあまた」
そうしてケイとミラさんが会場の最前列の席に移動するのを見送り、しばらくしてから入学式が始まった。
拡声魔法を使っているのか、司会の声は一番後ろの僕までもしっかり届くようだ。
「これより、マリアッジ学園入学式を開催いたします。
まず初めに、学園長より開催のご挨拶をして頂きます。
学園長、壇上へお願いいたします」
学園長は50代半ばといった雰囲気の筋骨隆々の男性だった。
ん?一瞬目が合ったような。気のせいかな。
「まずは新入生諸君。入学おめでとう。
……(中略)……
君たちが既成概念に捕われることなく、自由に学び、この世界をより良くする人材になってくれることを期待する。
改めて、入学おめでとう」
そう締めくくって壇上を下りて行く学園長。
その後、学園都市代表、学年主任などの挨拶、担任の紹介が続いた。
「続きまして在校生代表。2年エラーザ君」
「はい」
司会に呼ばれて16,7歳くらいの男性が壇上に立った。
身長180cm、金髪碧眼で、会場の至る所からため息のような声が聞こえて来た。
「新入生の皆さん。ご入学おめでとう。
私は本学園の2年Sランクであり、学生会長のエラーザ・ミスリニアだ。
この学園はDランクからSランクの、あ、これは失礼。今年はEランクも居るようだね。
兎に角、個人の能力によってランク分けされている訳だが、これは個々人の絶対評価だ。
つまりここに居る全員がAランク、Sランクでも良いという事だ。
だから、切磋琢磨してお互いにより高みを目指してほしい。
そして今年は妹のエリュースが入学している。
我が妹ながらSランクだ。兄としても鼻が高い。
容姿端麗、文武両道。まさに学生の鑑と言うべき存在だろう。
あぁまったく、今から悪い虫が付かないか気が気ではな、う"っ!?
まっ、待ってくれ、エル。僕をそんな目で見ないでくれ。
んっ、んん。失礼。
あー勘違いして欲しくないのは、この学園のランクは生まれなどには一切影響されないということだ。
種族しかり、家柄しかりだ。
全ては君たち自身の本質が問われることだろう。
この3年間でそれを磨きあげてくれることを期待する」
言ってることは恰好良い所もあったけど、一言で纏めると、シスコンだね。
「続きまして、新入生代表。エリュース・ミスリニアさん」
「はい!」
続いて壇上に上がったのは、金髪のウェーブが掛かったロングヘアが特徴の女の子だった。
さっきの学生会長の妹さんだね。
あれ?どこかで見たような気もするけど、どこだっただろう。
うーん、ダメだな。出てこないや。
ってそんなことを考えてたらスピーチは終わっていた。
「以上を持ちまして、入学式を終わります。
Sランクの生徒から順に退場しますので、アナウンスに従って退場をお願いします。
退場後は事前に連絡してある教室にて待機をお願いします」
入学式。既に遥か昔のことなので、こんなイメージでしょうか。
眠い部分はサクッと終わらせます。
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入学式も無事に終わり、ようやくクラス毎に教室に集まることになった。
ソージュとそのクラスメイトの反応は。
次回:入学式が終わって




