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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
259/270

47-3 要塞攻略戦

いつもありがとうございます。

軍を南に進めること1日。

必死軍の要塞が見えてきた。

流石に先の国境での敗戦は既に伝わっているらしく、要塞側は徹底抗戦の構えを見せている。

連合軍も要塞からの魔法が届かない位置で陣を張って作戦会議を開いていた。


「さて、どう攻めますかな」

「正面から正攻法で行けば相当な被害は覚悟せねばなるまいて」

「ならば皆が正面から圧力を掛けている間に我らが側面から突撃し、奴らに風穴を開けよう」

「いやいや、竜人族の皆さんは先の戦いでも頑張って頂きましたからな。

今度は我々にやらせてくだされ」

「ええ。直接戦闘は到底敵いませんが、搦め手とあれば私共でも十分お役に立ちますとも」


そう言って立ち上がったのは、森人族と獣人族。

獣人族は特に力の弱い種族が中心で動くようだ。


「今日の午前中に仕掛けます。

なので明日の朝には要塞の無力化をして見せましょう」

「もしそれまでに奴らが打って出てきた場合は、助力をよろしくお願いいたしまする」

「ほう。たった1日で。分かりました。それでは皆さんにお任せするとしましょう」


そうして会議は1時間ほどで終了した。



一方、人族の要塞では。

敗戦の連絡が来た日から延々と会議が行われていた。


「だから。先日の敗戦の責任は誰が取るのだ」

「馬鹿者。今はこれから攻めてくる敵への対策を考えるのが優先だろうが」

「いや、先日の戦いでは魔道具が不良品だったと聞くぞ。だからあんな物に頼ることには賛同しなかったのだ」

「全くこれだから頭の古い年寄りは」

「なんだと!?」

「止めろ。それに今回の件、スパイが紛れ込んでいたという情報もある」

「内通者が居るというのか。まさかゼーニ卿の手のものではなかろうな」

「何を根拠に。そういうショタコ卿だって、先日脱税の疑いをかけられたばかりだろう」

「それは冤罪だ。そもそも……」


脱線しつつ、時間ばかりが過ぎていってた。

その会議室に伝令が駆け込んでくる。


「ご報告致します!

敵軍から謎の飛翔体が飛んできております。いかが致しましょう」

「謎の飛翔体とはなんだ?報告は正確に行え!」

「はっ。その、たんぽぽの綿毛のようなもの、といいますか。

幾つか回収したところ、植物の種がついておりました」

「なんだそれは。

奴らめ。正面からでは勝てないからと言って嫌がらせでも始めたのか?

その綿毛によって毒が撒かれたりとかは無いんだな」

「はっ。そういったことは確認されていません。

各部署からも特に何の被害もないとのことです」

「なら捨て置け。どうせ奴らは無能の集まりだ。

我ら人族に勝てるはずがない」

「はっ、失礼致しました」


そう言って下がる伝令。

すぐに会議に戻った司令部の男達は先ほどの報告のことなど既に忘れ去っていた。



連合軍は要塞の風上から事の成り行きを見守っていた。


「プランA、プランB。共に順調です」

「よし、では我々は精々やつらの気を引いておくとするか。

挑発部隊、奴らの攻撃が届かない位置から奴らを馬鹿にしてやれ」

「了解しました」


指令を受けて、拡声器を持った数人が要塞へと近づく。


「人族っていうのもたいしたこと無いな」

「ああ。あんな所に隠れてないと碌に戦うことも出来ないんだろ」

「だっせーよなーー。プププーッ」


実に聞くに堪えない、幼稚な挑発だった。

まぁそれも仕方無いだろう。彼らはそもそも人を貶すことに慣れていないのだから。

ただ、それは人族にも言えた。あちらは自分達よりも下だと思っている存在に馬鹿にされるのに慣れていなかったのだ。


その為、一部の部隊が勝手に要塞を出て突撃してくる。

すると挑発部隊は下がり、代わりに屈強な種族が返り討ちにする。

そんなやりとりを何度かする内に、日が暮れていくのだった。


そして翌朝。

要塞内部は緑に包まれていた。

建物という建物が細い蔦に絡まれ、道路どころか室内にまで謎の植物が発生していた。


「くそっ、なんだこれは。

まさか奴らの攻撃なのか?まったく変な嫌がらせしやがっ」


そう言って草を払いのけようとした男が、突然地面に倒れた。


「おい、どうしたって、なんだこいつは」


助けに駆け寄った男は、今まさに花が咲こうとしている草に肩を掴まれて(・・・・・・)絶句した。

そしてそのまま首に絡みついた蔦によって引き吊り倒され、1人目の男同様、大地の肥やしとなるのだった。

それを草の陰から観察する影があった。


「作戦は順調。僕達は正門を開けに行こう」

「うん」


そう話し合っているのは狸族とモグラ族の青年達。

彼らは昨日、人族が空の綿毛に気を取られている内に要塞内部へと侵入を果たしていたのだった。

そして狸族が人族に化けて正門の操作室に向かう。


「伝令!要塞内部に謎の植物が発生。

その為、全軍をあげて打って出ることになった。

至急正門を開放せよとのことです」

「了解。正門を開放します」


そして正門が開かれる。

もちろん人族に出陣の準備など出来ていないわけで、代わりに竜人族を先頭に連合軍が要塞内部へとなだれ込んだ。

残っていた人族は碌な抵抗もすることなく捕縛されていく。

結果、昼頃にはほぼ要塞の制圧が完了してしまうのだった。

以前にも同じ様な手で要塞を攻略していたような気がしつつ。

人の会議っていうのはどうしてこう、長くなるんでしょうね。

それも無駄な話し合いで。

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