46-7 終わりを呼ぶ光
いつもありがとうございます。
今回は投稿して大丈夫かひっじょうに不安になるほど、予想外の内容になりました。
リーンさんと分かれた後。
僕は走りながら、この先にあるという神殿について考えていた。
もしその神殿に膨大な魔力が蓄えられたとして何が出来るだろうか。
1.極大破壊魔法を放つ
2.次元の扉を開く
3.神格化の儀式を行う
4.勇者もしくは魔王召喚の儀式を行う
1の極大魔法を放つのは、この中では方法としては安易だけど制御は難しい。
なにせ自分達では扱えないほどの魔力で魔法を放とうって言うんだから少し制御を間違えれば自爆だ。
2の次元の扉を開くは、安定した扉を開いてくれるなら大した問題はない。
扉の先が楽園に繋がっていると信じた人が過去にもそれなりに居たらしいし。
まぁ実際にはまともに人の住める次元にたどり着く可能性のほうが低いんだけど。
ただ、他所から魔力を補充しないといけない人が安定した扉を開けるとは思えない。
最悪また世界が歪む。
3の神格化の儀式を行うというのは、現存する誰かを膨大な魔力で魔改造するというもの。
時の王が不老不死と絶対的な力を求めて行ったことが過去何回かあったらしい。
ただし、いずれも化け物として討伐されているが。
ある意味これが一番平和的なのかもしれない。
4はフレイさんからも話があったけど、この中では一番可能性が高いと思う。
召喚は、その方法を見つけること自体が難しいけれど『人族』を強く主張する彼らならやりがちだ。
問題はどんな存在が召喚されるかが分からない、出たとこ勝負だってことだろう。
それは勇者が召喚された場合も変わらないらしい。なぜなら勇者が善人とは限らないからだ。
そして、そんな存在の手綱を握るのは至難の業だ。
勇者を召喚した国が、その勇者に滅ぼされた、なんて話は御伽噺には良くある。
あ、そうそう。
無いとは思うけど、その5。
膨大な魔力を使って自分達の領土を豊かにする。というのもある。
農地1つとっても潤沢な魔力を籠めておくと生産される作物の味や成分をよくすることが出来る。
結果として国を豊かに出来るんだけど、戦争を始めるような国がそんな事を考えるとは思えない。
なので、どう考えても悪い結果しかないんだ。
でも世界はそんな焦る僕をあざ笑うかのように思い通りにはいかないものらしい。
カッ!!
翌日の昼ごろ。
僕の向かう先に見える山の上から太陽にも負けない光の柱が立ち上った。
その光は間違いなく次元の門を開いた証拠。
そしてすぐに、しかも上から光が消えた所を見ると、何かがこちらの世界に来たという事だ。
「急がないと」
僕は逸る気持ちを抑えて、飛行スキルを発動させて目の前に立ちふさがる山を駆け上っていった。
そうして日が暮れ始めた頃、ようやく僕は古びた神殿へと辿り着いていた。
辺りを見回しても既に誰も居なかったけど、半日前には人が居た気配と、魔力の残滓だけは残っていた。
「召喚の儀式をやるとしたら神殿の地下かな。
何か手がかりが残っているかもしれないし調べてみるか」
神殿の中を調べた所、祭壇の裏から地下に降りる階段を見つけた。
ますます怪しい。というか、どうしてこう怪しい場所に階段を作るんだろうか。
まぁ僕としてはありがたいからいいか。
地下に降りてみると、そこにも祭壇が在った。
さらには複雑な模様の魔法陣が記されている。
うーん、流石に何の魔法陣かまでは分からないな。
だけど間違いなくこの部屋がこの神殿の一番重要な場所だろう。
そう思いながら祭壇に近づいた瞬間、部屋中に新たに魔法陣が展開された。
「まさか部屋全体が罠!?」
今度の魔法陣は単純に爆発と崩壊だ。単純だからこそ展開も早い。
僕の発した声は、しかし続く爆発により掻き消されるのだった。
「さらば、ソージュ。君の事は忘れない。
次回からは私が主人公だ! 」by ○○
まさかこんな流れになるとは。
誰でしょうね。○○って。




