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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
最終章:Eランクより
251/270

46-2 悪い知らせ

いつもありがとうございます。

そして前回まで全く考えても居なかった展開が繰り広げられる今回。

フシギダナー

街を出た僕達は無事に森の中に魔法の杖の製造工場と思われる建物を見つけた。

建物の入口や巡回の兵隊など、ここからだけでも結構な人数を確認できる。


「情報通り警備が厳重ね。これじゃあここが重要な施設だって言っているようなものね」

「そう、ですね。だけどこれは困りました」

「そうね。作戦を考え直さないと」


僕達が当初考えていた作戦は、先日の砦同様に夜陰にまぎれて上空から敷地内に侵入、そのままメインとなる工場に魔石を使った爆弾をセットして破壊するというものだった。

しかし、今僕達の前にある施設は、どう考えても小さ過ぎた。


「恐らくメインの施設は地下にありますね」

「そうよね。地上に出てるのは宿泊施設とかだろうから、どうにか地下に行く入口を探さないと」

「どこかに作成した魔法の杖を運び出す口があるとは思うのですが、見つけるのは時間的に間に合わない危険が高いです」

「うん、毎日運び出すとも限らないしね」

「それに工場がこの真下にあるとも限りません」


もしかしたらここはダミーで地下トンネルで遠く離れた場所に繋がっている可能性もある。

だからまずは調査が必要だろう。


「リーンさんは魔素の流れを調べてください。各ダンジョンから奪った魔素がこの施設に送り込まれているのかどうか」

「わかったわ。そーくんはどうするの?」

「僕はジルの杖を使って地中を調べます」

「そんなことも出来たんだ」

「これでも世界樹の杖ですから。森と大地には特に効果があるんです。

では、3時間後にまたここで」

「ええ。見つからないように気をつけてね」

「はい。リーンさんも」


そうして僕達は二手に分かれて調査を開始した。

僕は森の中を歩き、一定間隔でジルの杖を地面に突き刺していった。


「ジル、よろしくね」

リンリン♪


ジルを伝わって地中の様子が頭に浮かんでくる。

……ここも外れか。地中に特に人の手が加わった形跡も空洞もなし、と。

そうしてぐるっと1周したところでリーンさんも戻ってきた。


「リーンさん、どうでした?」

「うん、良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、どっちから聞きたい?」

「なら良い知らせからで」

「うん。魔素の流れだけど、確かにこの施設に送られていたわ。ただし、多く見積もってダンジョン1つ分ね」

「1つ分。少ないですね。残り3つ分の魔素はどこに?」

「そこまでは分からないわ。それと悪い知らせが関係しているのかもしれないけど、ここの南側にあった小屋に大勢の獣人が連行されているのを見たわ」

「南、ですか。実は地下を調べた結果、南に向けて通路があることが分かりました」

「ならその小屋とこの施設が繋がっているってこと?何の為に?」

「それは……」


生贄……。

一瞬頭を過ぎって慌てて取り消そうと思ったけど、否定する要素がない。

不足している魔素を補う為に多少なりとも魔力のある彼らを犠牲にしている可能性は十分にある。

そのことにリーンさんも気が付いたのだろう。顔が真っ青だ。


「リーンさん、予定変更です。明後日の0時なんて待っていられません。

今夜中に囚われている人達を救い出します」

「そうね。作戦はどうするの?」

「はい、リーンさんはその南側の小屋を制圧してください。

最悪、これ以上獣人たちが連れ込まれなければ良いです。

いけますか?」

「大丈夫。容赦しなければ警備している人たちに負けることはないと思う。

そーくんはどうするの?」

「僕はここから地下に穴を掘って地中から施設に潜入します。

脱出もその穴から行いますので、南の通路は埋めてしまっても大丈夫です」

「分かったわ。気をつけてね」

「リーンさんも」


そっと抱きしめて別れの挨拶を済ませた後、リーンさんは南へと走って行った。

願わくば僕らの予想が外れてくれることを祈るばかりだ。


次回はちょっと鬱展開かもしれないです(私がそっち方面無理なので多分なんとか回避しますが)

投稿は早くて月曜日、かな。

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