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Eランクの僕とSランクの彼女  作者: たてみん
第1章:Eランクの僕と彼女
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5-1 入学式に行こう

よろしくお願いします。


ソージュ視点に戻り、やっと学園がスタートします。

学園恋愛もののはずなのに、ここまでが遠かった。


そしていつの間にかアクセス数とブックマークが増えている。

皆様本当にありがとうございます!!

ジバンリン暦52年4月1日


僕は朝の散歩を終えて屋根裏部屋へと戻って来た。

窓を開けると、ちょうど太陽が山の影から顔を出したところだ。


「うん、今日も良い1日になりそうだね」

「そうでございますね」


振り返るとメイド姿の精霊シルキーのキーヌが静かに佇んでいた。


「おはよう、キーヌ」

「おはようございます。旦那様」

「キーヌもすっかり朝型になったね」

「それは旦那様が毎朝美味しい食事をご用意して下さるからです」


ちなみに彼女の好物は僕の血を1滴垂らした魔力水だったりする。


「なるほど。じゃあ留守をお願いね」

「はい、行ってらっしゃいませ」


1Fに降りて食堂へ向かうと、寮母のルーメが既に掃除を始めていた。


「おはようございます。ルーメさん。僕も掃除手伝いますね」

「あ、おはようございます。ソージュさん。今日もありがとうございます」


入寮した翌日から、こうして朝食の準備を手伝うのが日課になっている。


「ソージュさん。今日は入学式でしたよね」

「はい。僕、学校は初めてなので楽しみです」

「あら?ソージュさんは初等学校には通ってらっしゃらなかったんですか?」

「ええ、小さい時は両親と一緒に世界中を行商で周っていましたから」


聞けば普通は初等学校で文字の読み書きや、この世界の成り立ちなどを教わるので、学園に入学する9割以上の生徒が地元の初等学校または学園付属の初等学校に通っていたらしい。

僕はその分、お父さんから学んだり、旅先の情報通の人たちからその土地の歴史を教えて貰ったりしていた。


「だから大勢で同じ教室で学ぶって、どんな感じなんだろうってワクワクしています」

「ふふっ。頑張ってきてください」

「はい」



それから、いつものように朝食を終えて寮の外に出る。

そこにはそれまでと違って、各寮から続々と学生たちが出てきて学園へと向かう姿があった。


「へぇ。噂には聞いてたけど、登校ってこんな感じなんだ」


朝から新鮮な景色を眺めながら、僕も学園へ向かった。

初日の今日は行動で入学式が最初に行われるらしい。

その後、各クラスに分かれて今後の説明があるそうだ。


講堂の前には何かが張り出されていて、大勢の学生が集まっている。

っと、あそこに居るのは、ケイとミラさんだ。


「おはよう、ケイ、ミラさん」

「ん?ああ、おはようソージュ」

「おはようございます」

「あれは何が掲示されているの?」

「どうやら入学式の席順のようだな。ランクごとに座る位置が決まっているようだ」

「なるほど。そう言えば二人はランクは何になったの?」

「俺達はAランクだ」

「おぉ、流石だね」


胸元を見れば、ケイもミラさんも半分赤で半分黄色のバッジを付けている。

色の位置が逆な所を見ると、ケイが剣術Aランク、ミラさんが魔術Aランクのようだ。


「そう言うソージュは……黒いバッジなのか」

「うん。Eランクだって」

「それはまた、ランクシステムの欠点でございますね」

「まぁそういう制度だから仕方ないよ。

っとそれよりも僕の席は……お、一番後ろだって」


最前列中央に1席だけあるSランクと対称的に最後列のさらに後ろに1席だけEランクの僕の席がある。


「む、これはまた……」

「ここまで差別なさるのですね」

「そうだよね。僕だけ特等席だなんて、凄いね」


なぜか悩ましそうな顔をしていた2人は、僕の言葉を聞いて驚いているようだ。

あれ?何か間違ったことを言ったかな。


「ふふっ、なるほど。確かに特等席であるな」

「ええ。器の違いというものでございますね」

「??」

「まあ、いつまでもここに居ても仕方がない。講堂へ入るとしよう」


ケイの言葉に合わせて、僕らは講堂へと移動した。


まさか朝の一コマを書いていたら、入学式が始まらないとかorz

ソージュは基本ポジティブ思考です。というか、この程度ではビクともしません。


########


入学式。こういう式典では、短い挨拶の方が喜ばれるのは世の常です。

そしてEランクのソージュを見る生徒達の視線は……


次回:入学式とEランク

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